鹿児島移住時の車関係の注意点
鹿児島に移住するとなった場合にマイカーを所持してる人は、移住するにあたっていろいろなハードルが待ち構えています。とりわけスバルユーザである自分の場合は、他のメーカーよりもちょっとハードルが多いと感じました。
今回それらマイカーを引っ越しさせるに当たっての様々なノウハウをまとめてみようと思います。自分のマイカーに関するまとめはこちらのエントリーを参考にしてみてください。
目次
車自体を引っ越しさせる
東京でマイカーを持っている場合、地方に引っ越す場合は持って行く必要があります。当然地方での生活では自動車が必要となるので、捨てていくという選択肢はありません。特に鹿児島の場合は距離がかなりあるため、コストや移動する為のスケジュールなどを考慮する必要があります。
移動手段
積車で運ぶ場合
自分で運転するには鹿児島はかなりの距離があります。自分の場合、東京⇒鹿児島で1400kmほどありました。そうなると1日400kmでは中3日も掛かってしまいます。そこで積車(自動車のキャリー)を依頼して運んでもらおうという算段がまずあります。中2日程度で場合によっては到着は可能ですが、この場合通常の5m程度のファミリーカーでは「1回80,000円以上」のコストが掛かります。
移動させる手段としては最も高コストになりますし、スケジュールも組まなければならない為、引っ越し日程に影響を与えます。
また、自身で運転していく場合と比較してもそこそこコストが掛かりますが引越し業者によっては車の輸送も頼めるケース(ただし、こちらは更にコストが乗ります)があるので、運転リスクを回避したり、疲労せずに済む点等考えると決して高額なコストということではありません。
もちろん車種によって距離によって料金は異なりますので、こちらのサイト等で計算して見積もりを依頼してみましょう。
自分で運転して運ぶ場合
高速道路のみで移動する
自走で高速道路のみを利用して車ごと移動するという選択肢はやりがちですが、過去4回ほどやってきた自分の意見としては、鹿児島への移住で自走で持って行くというのはオススメしません。1400km近くを自走で走るということは
- 少なくとも最低2回は宿泊が必要です(1日に800km走るというのは酷。また引っ越し業者は中三日掛かるので、中二日でついても、最終日の宿泊場所が必要となるため)
- 高速道路利用料金が当然必要になります。通常料金で28,000円(ETC2.0割引で19,000円くらい)。ドラぷらで検索して調べて起きましょう。深夜割引等が入ると変動します。
- 3泊分の宿泊料金が必要です。車中泊で安く上げようとすると翌日が辛いので辞めたほうが懸命。東京からならば、大阪、福岡、鹿児島でそれぞれ素泊まりで15,000円くらいに自分は収めていました。
- ガソリン代が必要です。自分はハイオク車で高速ならばリッター15km計算で、94リッターは必要です。ハイオクリッター170円としても16,074円は必要になります。
- 食費や遊興費が必要となります。移動だけで3日間過ごすというのはちょっとありえないのと、ご飯食べずに移動することは不可能なので、当然これらのコストが人数分必要となります。
- 運転手は相当疲れます。観光バスでも1日400km規制があるほどです)。無理すれば事故のリスクもあります。また大きなクルマならば疲れにくいですが、軽自動車となると疲れは数倍になります。
- 移動時期によっては、チェーン規制や雪で通行止めといったアクシデントもありえます。時間ロスするリスクがあるため、特に山口県付近は普通に冬タイヤ規制が入ったりするので、道路情報は常に確認する必要があります。
- 当然この距離を走るので車へのダメージやタイヤの摩耗もそこそこあります。
以上のようなコストやリスクがあります。スケジュールが押すことが許されない(引越し業者のほうが先についてしまうのはマズイ)ためプレッシャーが掛かります。一方で時間的な自由度は最も高いので、走りきれる経験があるならば、各地を旅しながらの旅行を兼ねて移動ができる手段でもあります。
さんふらわぁフェリーを利用する
さんふらわぁフェリーを利用する手段が利用可能です。このルートを使う場合には
- 大阪港まで夕方5時前までに到着する必要があります(そこまでは高速料金が必要です)
- 到着するのは鹿児島県志布志港になります。時間にして16時間程度。
- 利用する宿泊プランによって料金は大幅に変動します。また利用する時期によっても変動や場合によっては部屋が取れないケースもあります。
- 乗せる車の大きさによって運賃が大幅に変動します。
- 寝て行けるので、到着後は体力全快の状態で行動することが可能になります。
- 前述の自走よりも結果的に低コストで移動が可能になります。
自分の車の場合、レヴォーグであるので、全長5m未満として計算。一応ベッドのあるプライベートベットプランで、片道34,820円(2024年3月5日時点)となります。これがハイシーズンになると1万円くらい上乗せされるイメージです。
レストランもありますし、お風呂も利用可能(朝風呂も行けます)。朝の9時頃には志布志に到着する計算なので、移動スケジュールのプレッシャーは大阪港までたどり着く行きのみです。ガソリン代や車へのダメージも無い為、個人的にはオススメ。
※ただし、夕方5時までに大阪港に到着してなければならないので、当日引っ越し搬出で時間的に大阪港に辿り着くのが難しい場合利用できない手段です。
※EV車の場合、先日の火災の影響で、フェリーによる運搬が拒否される可能性があります。
東京九州フェリーを利用する
最近新しく新設されたフェリー航路である東京九州フェリーを使う手段もあります。こちらのルートを使う場合には
- 深夜23時までに横須賀港に到着する必要があります。
- 到着するのは福岡県新門司港になります。時間にして22時間程度。
- 利用する宿泊プランによって料金は大幅に変動します。また利用する時期によっても変動や場合によっては部屋が取れないケースもあります。
- 乗せる車の大きさによって運賃が大幅に変動します。
- 寝て行けるので、到着後は体力全快の状態で行動することが可能になります。
- 前述の自走よりも結果的に低コストで移動が可能になります。
- 引っ越し当日の搬出が遅くても、横須賀に辿りつければ良いので初日のスケジュールプレッシャーが非常に少ない。
自分の車の場合、レヴォーグであるので、全長5m未満として計算。一応ベッドのあるツーリストAプランで、片道40,000円(2024年3月5日時点)となります。ハイシーズンはもう少し高額になります。
個人的にはレストランがさんふらわぁよりも充実しているのと、お風呂はこちらは露天風呂がついてるのでお得。翌日夜8時くらいに新門司港に到着するので門司で一泊しても良いですし、体力全快ならばそのまま深夜高速に乗って鹿児島まで一気に行くのも有りです。
個人的には一番オススメの移動ルートになります。
車庫証明の取得
鹿児島で新規に賃貸した物件にて、車庫含めた賃貸に関する契約書の写しと現地で取得する住民票をもってして車庫証明を警察署に車庫証明の取得を申請する必要性があります。
ただし、鹿児島とりわけ鹿児島市だけに注目した場合、住んでるエリアによって管轄の警察署が異なります(鹿児島西、鹿児島中央、鹿児島南など)。一番近い警察署が管轄とは限らない為、事前に確認をしておくと良いでしょう。
大東建託の賃貸の場合、ウェブで車庫証明を取得する為の書類を別途発行してくれるサービスも少額ですが利用することも可能ですが、鹿児島の場合は賃貸契約書の写しで十分車庫証明を取得可能です。車庫証明がなければナンバープレートの変更ができない(ということは自動車税の納付書が自宅に送られてこないことになる)ので、必ず早めに車庫証明を取得しておきましょう。
申請書類は鹿児島県のサイトから事前にダウンロード可能なので、netprintなどを使って印刷して記入し提出します(警察署でももらえます)。車庫証明申請に必要なコストは、2000円程度なのでお金も持っていきましょう。
ナンバープレートの変更
警察署に書類申請すると1週間程度で「車庫証明書」を取得することが可能です。この車庫証明書と住民票、車検証を持って陸運局に行き、ナンバープレートの変更をする必要があります。ナンバー変更をしないと非常に面倒なことになるだけじゃなく、自動車税の納付書が自宅に届かなくなる為、車庫証明を取得した日にその足で、陸運支局に出向いてナンバー変更申請をしましょう。
その際に、マイナスおよびプラスのドライバーを持っていきましょう(自分でナンバープレートの封印を外して、ナンバーを取り外し取り付ける必要があるので)。およそ1時間程度で申請から取り付け完了まで掛かります。
ナンバー申請に必要なコストは、3000円程度ですのでお金を持っていきましょう。但し、希望ナンバーや光るナンバープレートの場合は事前に申請してコードを取得しておいたり、光るナンバーは事前に加工しておく必要があるなど手間があります。
※なお、車庫証明〜ナンバー変更までの手続きをディーラー等で代行依頼する事も可能ですが、手数料として2万〜5万円ほど掛かります自分で交換した場合は数千円で済むので、高額な手数料払うよりかは自分でナンバー付け替えしてしまったほうがおサイフには圧倒的に優しいです。
※最後に係員が封印をして新規車検証を渡されたら完了なので、ナンバーを取り付けたらそれまでナンバー付け替え場所でボンネットを開けて待っていましょう。
鹿児島ならではの問題
ガソリンスタンドの価格表示
少なくとも全国転勤していて、ガソリンスタンドで価格表示されていないエリアは、鹿児島くらいではないでしょうか?何故か価格表が大手のENEOSであったとしても明示されておらず、入れてみるまで価格がわからないというちょっとオカシナことに遭遇します。
NHKでも過去にこの問題を取材したことがあるようですが、言い訳のような内容が語られています(他県でこのような話は一切聞いたこともないため、単純に競争回避で価格表示していないだけってのが実際のところです。はっきり言って意味のない取り組みです。
鹿児島県は他県と比較すると運送費用が多く掛かる為、ガソリンの料金が他県よりもかなり高額というケースがあります。東京で自分の使っていたスタンドでは、ハイオクが171円(2024年2月時点)に対して、郊外で価格表示のあるスタンドや領収書で確認した価格は185円と長野県レベルで高い店が非常に多い。
しかし、この価格表示回避が全く無駄という理由が3つあります。
- 地元民の口コミで安いスタンドはすぐに分かります。またGoogle Mapsの口コミでもそれが確認可能です。
- gogo.gsサイトで今は全国のスタンドの料金はユーザの口コミ投稿で一括で把握できる時代です。
- また、大型スーパーAZのスタンドは2024年時点でハイオクは171円で東京と差が無いくらい安いです(但し現金決済のみ)
- 熊本や宮崎のほうがガソリンは安いので遠征に行く時はそちらで補給する。
- 基本価格表示していないGSはオススメしないので、敢えて表示してるお店を応援しましょう(価格表示しない店は石油販売ガイドライン違反です)。
- また、値段表示してるものの「税抜き」という小賢しいことをやってる店も多いので、そこは注意が必要です。
自分の場合、フルリモート仕事なので、AZに買い出しに行く時や旅行時の帰りに給油して帰宅しています。また全部が全部価格表示していないわけじゃないので、そういった店を見つけて給油するのもアリです(すでにブランド毎にガソリンに差が無いことが例の事件で露呈してるのでハイオクで差があることはありません)。
図:ネットが当然の時代に価格競争回避は意味がない
手洗い洗車場
鹿児島県とりわけ薩摩半島の鹿児島市および大隅方面は桜島の火山灰の影響があります。春夏は薩摩半島方面、秋冬は大隅半島方面に火山灰が降り注ぐ為、車に取っては過酷な場所でもあります。かといって、タオルなんかで灰をを拭き取ったりしようものなら車に傷が付くのは当然として、雨が降ればドロドロになりワイパーを回せば、フロントガラスに傷がつきます(但し、南薩や霧島エリア、大隅でも南のエリアは降灰の影響を受けません)
火山灰は非常に細かい岩石というかガラスのようなものなので、基本的には水で洗い流してしまうのがベストの選択肢であり、よくあるガラスコーティングは鹿児島では殆ど効果がありません。
さてそうなると必要になるのが洗車場なのですが、不思議なことに関東では当たり前の手洗い洗車場(またはマシンを使わず高圧ジェットで自分で洗車できる場所)というのが鹿児島県の場合非常に少ないです。ENEOSであっても殆どが洗車マシン+拭き上げ場のスタンドばかりで、手洗いで慣れてる自分からしたらかなり違和感のある状況です。この辺りの情報はマイマップに自分が調べ上げた情報をまとめて掲載しようと思っています。決して無いわけじゃないので、自宅に近い場所でそういったポイントを抑えておくと良いでしょう。
※また普通洗車で拭き上げるタオルや洗うスポンジなどは自分で持参するのが当然なのですが、何故か鹿児島県のスタンドの口コミを見ると拭き上げるタオルが無いことにクレームを付けてる人を多数見かけます。正直、洗車マニアからしたらタオルも拘る大きなポイントなので据付のタオルなんて使いたくないです。
スバル車特有の問題
鹿児島県は車社会ですが、雪が殆ど降らないだけじゃなく東京都比較しても温暖な地域であり、坂道は多いエリアであるもののAWD需要が極端に少ない地域であるのを感じます。鹿児島県全域をすでに走っていますが、スバルに関してはディーラーが数える程度しかありません。また、個人の自動車製備会社も見て回っていますが、殆どがダイハツ・スズキ・トヨタ系の業者ばかりで、中古車ショップも大半が軽自動車を扱ってるような状況です。
そのため、チューニングショップであったりCVTFをトルコン太郎で圧送交換してほしいと思っても県内にはそれが可能な業者というのが見当たりません。トヨタ系は非常に充実してるのですが、スバリストからすると鹿児島はちょっと過酷なエリアかもしれません。といってもエンジン周り以外であれば、別にこれらの整備屋さんでも普通に対応可能なので、エンジン周りはディーラーに依頼し、それ以外は行きつけの良い整備屋さんを見つけておけば、スバルであったとしても鹿児島で楽しいマイカー生活が可能です。
ドライビング事情
鹿児島県はもともと住んでいましたし、何度も東京からマイカーで駆けつけて巡っていますが、改めて移住して全域を回っていますがドライビング事情はあまりよろしくありません。大きく以下のポイントが挙げられます。
- 道路の舗装がガタガタのエリアがメインの大通りであっても結構見かける為、乗り心地にかなり影響を与える
- 鹿児島市内を通り抜ける場合、特に朝夕の通勤ラッシュ時は大渋滞が起きる(自動車社会だからねぇ・・・)。正直、鹿児島南北貫くバイパスが欲しいところ。
- 坂道が多い。起伏が結構ある為、エリアによっては一度下界に降りてから迂回して行く場合がある(直接通じていないルートがある)
- また運転マナーは正直よろしくない。名古屋よりはマシ程度。横道からの右左折をしてくる車の大半が隙あらば割り込みしてくるケースが非常に多く見かける。(自分の後ろに車が居ない場合であっても)
- また、コーナーに於いて対向車が見えない場所にも関わらずセンターラインを大幅に割って曲がってくる車も非常に多い(特に高齢者)
- 雪はふらなくても火山灰は降るので、スリップする可能性はある
- 3車線だと思ったら、いきなり右左折専用になって道が2車線になるケースが結構市内にはある
- 鹿児島市電が走ってるので、路面電車の信号機や挙動に配慮する必要がある(特に自動車が右折時に右後方から前進する市電に引っ掛けるケースが多い)。市電が単独で事故るケースもあるので要注意
- 異様にドラレコをつけていない車が多い。
一方で、以下のような良いポイントもある
- フェリー航路が薩摩半島⇔大隅半島の間で3本もあるため、ショートカットして時間を稼ぐことが可能である
- 唯一の酷道であった国道226号線のような端っこの道路であっても改良工事が行われている。
- 多摩地域の新青梅街道のような無理やり3車線にしたような極悪な道路は基本的に存在しないので運転は全般にわたってし易い
- 南薩縦貫道のように新規にバイパスを設けて時間短縮も図られてるので、南のエリアだからといって昔ほど地理的に不利な状況は消えつつある
- お金に余裕があるならば、高速道路や指宿スカイラインなどを利用して南薩⇔霧島・宮崎方面へ快適に移動することは可能(そのまま東九州自動車道で北上も可能)
- 車道を走る自転車は比較的少ない(旅行者のロード乗りが目立つのは大隅半島方面)。自転車で生活という人は少ない。
特に危険運転をされるケースを常に想定するという意味では東京に住んでたときよりも多いイメージです。自分のほうが想定しておけばかなり回避が可能なので、スピードはほどほどに。
スタッドレスタイヤは不要かどうか?
もう一つのドライビング事情としてよく言われるのが「鹿児島は温暖なエリアだからスタッドレスタイヤ要らないよね?」という質問。北は北海道名寄にも住んでいた自分からしてみた場合、この質問に対しての答えは「No」です。
そもそもスタッドレスタイヤに対する認識が間違ってる上に、鹿児島が温暖という事も認識間違いです。
スタッドレスタイヤは単に凍結路面や雪道の為に必要というのではなく、低温時のグリップ力を確保する為に必要なのでドライ路面であっても、低温ならばスタッドレスタイヤは必要です。また、オールシーズンタイヤは凍結路面に対しては全く効果がありません。鹿児島と言えど一番南の知覧エリアでも真冬は4℃を下回ることも普通にありますし、鹿児島市の北や北薩エリアは凍結や降雪は普通にあります。
年間の平均気温から見たら温暖といっても東京都それほど緯度に差があるわけじゃないので、冬は冬タイヤにするのは当然のことなのですが、地元の人でもこの辺りの認識を誤って、東京同様に坂道で登れなくなって立ち往生という話は耳にします。また、阿蘇などの遠方に旅行に行く場合であっても、九州道は割と標高の高い山中を走るので、ノーマルタイヤで行くのは命知らずですし、人吉のループ橋あたりは普通に雪が降ります。登れても降りられなくなります。
ノーマルタイヤは低温時にグリップ力が低下し当然凍結路面は走れません。ですので、普通に冬タイヤは必要です。不要と言えるのは亜熱帯の奄美大島等のさら南の島嶼地域ですので、鹿児島だからスタッドレスは要らないというのは大きな語弊があるので要注意です。