たくさんある画像を一括変換するならirfanview
仕事で画像類を扱う機会の多い人は、最近のデジカメ画像のサイズの大きさに苦労し、沢山ある画像を一個ずつ調整なんて面倒な作業を強いられている人も多いでしょう。
また、画像の編集にペイントブラシを使ってみるものの、基本的な機能しか整っていないペイントでは出来る事も限られます。そんな時に利用したいのがirfanviewです。ネット黎明期からある小さなアプリですが、その実力は最近のアプリにも負けないほど強力で、フリーソフトです。
今回はこのirfanviewを業務で使うシーンにフォーカスして使い方を紹介してみたいと思います。ダウンロードは窓の杜が楽です。
目次
今回使用するアプリ
- irfanview - 32bit版と64bit版の2つがあります。
- irfanviewプラグイン - 対応する画像フォーマットが増えます
- 日本語ランゲージファイル - 日本語化する為に必要です。
インストール手順
アプリのインストール
インストール手順と言っても、難しくありません。但し、irfanviewは32bit版と64bit版の2つがあり、プラグインもそれぞれ32bit版と64bit版の2つが用意されているので、bitを間違えないよう注意してください。
- まずは本体をインストール。インストーラを実行して進めるだけ。
- 次にプラグインのインストーラを実行。対応する画像フォーマットが増えます。
- 最期に日本語ランゲージファイルをインストール。
但し、この時点ではまだ、英語表記なので、次の手順で日本語に変更します。
日本語化する
irfanviewは赤い変な生き物のアイコンです。起動すると、英語のインターフェースとなっています。これを日本語に変更しましょう。既にランゲージファイルはインストール済のはずですので、以下の手順で変更します。
- メニューより「Option」⇒「Change Language」をクリック
- JAPANESE.dllを選択しましょう。OKボタンを押します。
- すると日本語化されます。
出来れば、画像フォーマットに対して関連付けをしておくと楽になります。
- メニューより「オプション」⇒「関連付けの設定」をクリック
- 「全ての画像」をクリック
- OKボタンをクリックすると、画像ファイルがデフォルトでirfanviewで開きます。
- 但しこの場合、画像ファイルはサムネイル表示ではなくアイコン表示になってしまいます。
図:日本語化したIrfanview
よく利用する機能
画像の一括変更機能
irfanviewで最も便利な機能なのが、画像の一括変換機能。ファイル形式を変換するだけにとどまらず、画像のリサイズやリサンプリング、ベースファイル名に基づくリネーム、画像の補正処理まで行ってくれます。特にリサイズ・リサンプルはよく使うもので、最近のデジカメは無駄に解像度が大きく、ファイルサイズが大きいため、添付して送ったり、また使う側も少々面倒になっているので、この機能を使って、小さくし扱いやすく出来ます。
使い方は以下の通り。
- ファイルメニューから「ファイル」⇒「形式・名前の一括変換」を選ぶ
- 右側のファイル選択画面で、画像の置いてある場所まで移動する
- 変換したい画像を追加する
- 右側のパネル、画像の一括変換を選び、出力形式を選びます。細かい出力形式へのオプションや、画像の補正処理をしたい場合には、詳細設定を使用するにチェックをし、詳細設定ボタンを押します。
- ファイル名も変更する場合、ベースファイル名を入れるとそれに基づいたファイル名に一括変換してくれます。
- 出力先フォルダを選びます。
- 最期に実行ボタンを押すと、一括で変換が実行され、6.のフォルダに生成されます。
図:多種多様な変換を一発で行ってくれます。
コンタクトシート
複数の画像を1枚のシートにして印刷する機能です。プレゼン的資料として利用する事が可能です。使い方は以下の通りです。
- ファイルメニューから「ファイル」⇒「サムネイル」をクリック
- 画像のファイルが入ってるフォルダを開きます。
- 出てきた画像の内、シートにする画像をすべて選択します。
- 右クリック⇒「選択したファイルでコンタクトシートを作成」をクリック。PDFも可能です。
- シートのサイズや、画像の収める列数、画像間の余白などを設定する
- 出力設定では「全てのページを保存」を指定
- ベースファイル名をつけ、出力先を指定します。
- 作成ボタンを押せば、1枚の画像として出力されます。
図:コンタクトシート作成画面
リサイズ・リサンプル
デジカメの進化は無駄に大きなファイルを生む結果になっています。デフォルトでは画面のサイズよりも遥かに大きなサイズになっており、高解像度ですがデータとしては扱いにくいです。そこで、画像の縦横のサイズを変更簡単に変更する機能が「リサイズ・リサンプル」です。
使い方は以下の通り
- ファイルメニューより「画像」⇒「リサイズ・リサンプル」をクリック
- サイズの指定が出来ます。その場合、アスペクト比を保存にチェックを入れておくと、縦横の比率を保持したまま、縦横変換してくれます。
- パーセント指定で小さくも出来ます。その場合は、比率で大きさを指定を選びます。
- OKボタンを押せばリサイズ・リサンプルされます。
図:リサイズ・リサンプルの設定画面
スクリーンショット
画面のスクリーンショット機能が強力です。Windowsの場合、Print Screenキーで画面全体を撮ったり、Alt + Print Screenキーでアクティブウィンドウのみの撮影が可能ですが、irfanviewはさらに高機能です。画面上の自分が選択した範囲内だけ撮影や、ウィンドウの中のタイトルバー以外の部分を撮影したり、マルチモニターの場合、そちらも含めた全画面で撮影可能です。
使い方は以下の通り
- ファイルメニューより、「オプション」⇒「キャプチャ/スクリーンショット」をクリック
- キャプチャ範囲を選びます。通常はアクティブウィンドウ全体で良いでしょう。
- 範囲を指定を選んだ場合、マウスカーソル追従の範囲指定モードになります。終点をクリックするとキャプチャされます。
- それ以外の場合、Ctrl + F11キーでキャプチャされます。このショートカットキーは変更可能です。
- そのままダイレクトに保存も可能です。
図:キャプチャ設定画面
フィルター機能
irfanviewは簡易的な画像補正機能が備わっているだけでなく、Adobe Photoshop 8のプラグインも使えるようになってたりします。画像の補正フィルターで良く利用するのは、赤目補正(フラッシュの光に反射して目が赤くなる現象を修正)、暗闇で撮影して顔がはっきりしない場合のガンマ補正(補正すると顔がわかるようになります)、フィルターではモザイクや油絵画などにエフェクトも可能です。
今回は暗くて顔がはっきりしない場合のガンマ補正をしてみます。
- メニューより「画像」⇒「色調補正」をクリック
- 明るさやカラーバランス、コントラスト、ガンマ補正と色々調整が可能です。
- OKボタンを押すと補正が実行されます。
図:ガンマ補正をあげると輪郭や表情が見えてきます
Macで使いたい時は
IrfanviewはWindows用アプリケーションであるため、そのままでは、macOSで利用する事が出来ません。しかし、割りと単純なアプリケーションであるため、Wineskinを利用する事で、Macでも使える用になります。ベースはWINEで仮想環境とは異なり、Macのアプリとして使えるようになるので、とても便利です。作成手順は以下の通り。
- Wineskinをダウンロードしてインストールしておきます。
- プラスボタンをクリックする
- Download and Installをクリックして、新しいWineをダウンロードしてくれます。
- Create New blank Wrapperをクリックして、irfanviewとでも名前を付けます。
- Wineが起動して何やら作業がはじまり、installボタンをクリックします。
- View Wrapper in Finderをクリックして作った空のボトルを見つけます(ユーザディレクトリのApplicationフォルダ内のWinskin内にあります)
- 空のボトルをダブルクリックします。
- Install Softwareをクリックし、Choose Setup Executableをクリック、Irfanviewのインストーラを選んでインストール実行します。
- Choose Executableではi_view32.exeを選択しましょう。
- 同じ手順で、プラグインをインストールします。
- なにやらデスクトップに色々でますが削除して構いません。
- ランゲージファイルのインストーラだけはなぜか上手く動かないので、手動でzipファイルを解凍します。
- irfanviewのパッケージを右クリック⇒「パッケージの内容を表示」をクリック
- もういちど後でインストール追加したい場合は、ここにあるWineskinのappをダブルクリックします。
- drive_cを開いて、Program Files⇒irfanviewを辿っていきます。
- Languageフォルダを開いて解凍したファイルをここにコピーします。
- 後はChange Languageで日本語を選ぶだけ。
アプリはX11で動いている為、ドラッグアンドドロップは未対応ですが、他の機能はバッチリ動きます。
図:インストーラモードの画面
図:Mac上でIrfanviewがきちんと動作しました。
HEIF / WebPをどうにかしたい
IrfanViewが対応しました!?
iOS11よりiPhoneの画像フォーマットとしてHigh Efficiency Image File Formatと呼ばれる、JPEGよりも小さく綺麗なフォーマットとして採用されています。但し、このフォーマット自体メジャーではないので、例えばGoogle Driveにアップロードして相手に渡すなどした場合、相手がPCやAndroidの場合、ややこしいことになります。WebP形式なんてのものそうですね。
※この現象が起きるのは、A10 Fusionチップ搭載のiPhone8/X/7/7 Plusにて起きます。それより前のiOS搭載機種では起きません。
この画像を受け取った側は意味不明なファイルフォーマットに立ち尽くすわけです。2018年12月17日にirfanviewがこのHEIF形式に対応しましたというので検証してみました。。ただし、ニュースの内容はきちんと細かく伝えてないので、サンプル画像を元に検証してみました。
- 本体(v4.52)だけでは読み込みは出来ません
- プラグインをインストールしなくともとありますが、プラグインで対応させてるわけじゃありません。なので、プラグインを入れても読み込みは出来ません。
- Windows10に於いて、HEIF画像拡張機能をOSにインストールするべしとあるので、Microsoft Storeからインストール
- 再起動して、HEIF画像を読み込んでみたが、真っ黒黒助・・・・駄目でした・・ちなみに、公式掲示板のスレッドはこちら。
- 同じくMicrosoft StoreのWebP拡張機能を入れることで、irfanviewでWebP形式が開けるようになります。
図:開けない・・・・
また、HEIFを渡してる人には、
- 設定を開き「カメラ」⇒「フォーマット」を開く
- 設定を「互換性優先」に変更する
ようにしてもらいましょう。
その他のアプリ
HIEF形式のirfanview以外のソフトウェアではiMazing HEIC Converterが優秀です。Windows用とMac用が用意されています。実際に変換してみましょう。
- iMazing HEIC Converterをインストールする
- 起動したら、HEIC画像(サンプルファイルはこちらにあります)をドラッグ&ドロップする
- JPEGもしくはPNGのどちらかを選んで、Convertをクリック
- 変換された画像ファイルが同じフォルダ内に作られる。
これで、iOS11のHEIC画像も怖くありません!!
図:簡単な変換アプリです。