リスキリングしないと10年後どうなるのか?
最近よく耳にする「リスキリング」というワード。実際には大昔から自己啓発やら自己研鑽やらと言われてきたことの延長線です。昨日今日始まった話ではないのです。しかしとりわけリスキリングという言葉が出ているのには大きな理由があったりします。
もし、リスキリングしないまま10年後を迎えたらどうなるか?これは事務職だけの話ではないのです。やらなければ組織も終わるし、貴方の人生もオシマイです。なぜそうなるのか?をまとめてみました。
目次
リスキリングとは何か?
リスキリングについて
リスキリングとは自己研鑽や自己啓発を横文字で格好良く言い直したワードです。ではありません。その延長線上にあるものですが、もっと切実な理由や背景があってこのワードは存在しています。とりわけ日本に於いては。
少子高齢化や経済のシュリンク、社会保障問題、残業規制、業務改善やAIの台頭など割とネガティブな背景から始まってるのがリスキリングですが、今の日本人は学習しなくなってきてるとのこと。とは言え、もし学び直しや自分のもう一つの武器を持たないと
- 転職先がなくなる
- 独立開業するためのスペシャライズされた分野が無い
- 副業しないと物価高で収入がどんどん減っていく
- 社会保障費の増大で可処分所得が減っていく
- 残業規制で生活残業出来ない
- AIに仕事を奪われて生きていく術を失う
- そもそも人手不足倒産で会社がなくなり露頭に迷う
- 少子高齢化で成り手がいなくなり、会社もなくなる
- 業務改善出来ない企業は自然淘汰される
という現代の切実な理由があります。ひょっとしたら年金も生活保護もなくなる未来が来るかもしれない。その時「嗚呼、あの時もう少しスキルを身に着けておけば良かった」と思っても取り返しが付かない後悔です。
やるやらないは自由です。しかしその結果は甘んじて受けることになります。ですがリスキリングが叫ばれたということは上記の背景があり、それに気がついた人はもう動き始めて何年も経っているのです。単なる自己研鑽奨励をしてるわけではないのです。そして、そういったスキルを持っていない人間が出来る仕事が消えてなくなってるかもしれない(普通のハードルがものすごく高くなってるわけです)。
良い事例が経理職。単に経理が出来ますという人、その仕事消えます。そんなハズがないと思うのであれば、以降のセクションもぜひ見てみてください。
日本人は勉強しなくなった
エンジニアの人や研究職の人は日々の仕事と実践の中で常に学習するというのは当たり前のようにやっています。ただ、方向性を間違えると失職のリスクがあるのがIT業界の常。故に新しいことに挑戦したり、別の言語を身に着けたり。
しかし、2022年11月8日のパーソル研究所の記事および、2024年2月7日パーソル研究所の出した記事を見ると、なかなか驚愕の事実が書かれてる。全体的に言えることは「学習意欲が圧倒的に低い」ということ。日本人は勤勉とかもはや完全に過去の話になっているという事実。
まぁ、ここまでに至る経緯とりわけこの30年を見ていれば当然の結末というか、同時にこれがRPA推進やDX推進の障害ともつながってるわけなのです。この理由というのはもう結構な昔から実は知られていて
- 業務効率化をしても評価されない
- 評価されないどころか、「VBAズルい問題」「他に出来る人いないから手作業に戻せ問題」「出来る人に全部丸投げ問題」とまぁ酷い内容のオンパレード
- 管理職になっても平社員の時よりも給与が低くなる。管理職やりたくない問題。
- 総合職に何でもやらせる闇問題
殆どがITと関係のない所が起点の問題です。どちらかというと経営組織論や労務論的な問題で、これがリスキリング阻害やRPA導入といった業務改善阻害、そして何よりも無関心になっていった原因。誰がこの問題を引き起こしたのか?言うまでもなく日本企業と特定のある世代。残念ながら労働者を裏切ってしまった。さらにはそこに追い打ちを掛ける真似をし続けてきました。
そりゃ、当然リスキリングだの業務改善だのするわけがない。これを会社側から今更リスキリングだ、業務改善だ、DXだと言った所でもう心閉ざされてるのでその声は届くことは半永久的にないです。
なので、これに該当する企業にお勤めしてる方は、寧ろリスキリングをしてさっさと転職しましょう。こういった企業はこれから10年以内に淘汰されます。手に入れたスキルは貴方だけの宝であり誰にも奪えない特典です。
リスキリングしないとどうなるのか?
結論から言えば、露頭に迷い食いっぱぐれる末路が待ってるということに他なりません。そもそも弁護士やら司法書士、歯科医、会計士といった排他業務を持ってる有資格者ですら現在、食いっぱぐれてる人がいる始末です。
なんの排他業務もないサラリーマン、自営業者がこのままリスキリングせずに突っ走った場合どうなるか?
他社で通用しない勤務先だけで通じる社内政治力やら生き字引的存在では、会社が消えたらそこでオシマイです。自営業者も同じで、特化した分野で一発勝負仕掛けてるのと変わらないので、外すもしくは外的要因が変われば、淘汰される未来が待っています。腕一本というプロフェッショナルは聞こえは良いですが、逆に言えば「それしか出来ない人」です。持ち運びできないスキルなどスキルではありません(それを覚悟してるのが本物のプロで、そうでない人が実際には露頭に迷うわけなのですが・・・)
企業の平均寿命が30年なんてまことしやかに言われていますが、実際にはもっと短くなってきてるかも。ということは叩き上げで1社で勤め上げるなんて時代はとっくの昔に終わってる、いやそもそもバブル時代の泡沫の幻想でしかなかった。というのが現実でしょう。となると、ほぼ確実に一度二度は転職あたりまえという社会になっていくでしょう。そのたびに給与が下がり待遇が悪くなるかどうかは?リスキリングしてたかどうかで差がでます。
※ちなみに米国などは転職なんて頻繁なのは割と当たり前でジョブホッピングでスキル上げていくのも日常です。1つの会社に居続けると会社の外がどれだけ変化しているのかわからなくなるものです。ジョブホッピングは猛者への打一歩です。
リスキリングの方向性
では、とにかく自分が出来そうな方向性でリスキリングして身につければよいのか?といったら全く間違っていたりします。例えば車が好きだから「大型バスの運転手が成り手不足だから大型二種免許取ろう」であったりとか、「自動車整備士が消えつつあるから自分がやってみようか?」とか。
これら2つ消えつつある理由をよく考えましょう。成り手がいなくなった理由です。
今からその資格をとって技能を積んで、リスキリングになるのか?といったら全くなりません。バスが今減便だとか廃路線だとか下手すると会社自体が消えるかもと言われてる理由は「拘束時間が長く、年間休日が80日しかなく、低賃金」というもはや何のために仕事してるのか?といった状態にあるからです。
後者の自動車整備士なども同様です。全くジャンルが違う両資格なのですが、結局は同じ理由で成り手が消えたから人手不足になっているのです。ただ、自動車整備に関しては需要はあります(バスの場合は需要も消えています@地方の場合⇒車社会だからねぇ・・・)。それだけじゃなく、例えば今の自動車ディーラーは殆ど重整備できる所はありません。重整備は外注つまり周りの自動車整備会社さんに出しています。故にディーラー整備士は本当にスキル身につける場所じゃありません。ということは独立開業に一番遠い場所かもしれない。
さらにバスの場合、理解不能なクレーマーが現れてる始末(カスハラですね)。誰がやります?こんな事言われて。
リスキリングするならば、それが未来があるジャンルをよく吟味しましょう。消えそうになってるジャンルというのは「相応の理由があるからそういう末路を辿ってる」可能性があります。
仕事は残るという勘違い
この20年で企業の経理職の仕事が100万人以上消えています。つまりそれだけ狭き門になってきてるということ。だからといって、経理を初めとする一般事務職の有効求人倍率ってこの人手不足の時代であっても常に「1未満」です。医療機関に於いて介護職を募集しても全く人が来ないのに、事務職を募集すると山のように人が来るというのも経験しています。
よって、狭き門を潜れても待遇はぶっちゃけ良いということはありません。
さて、よく10年で消える仕事論を語った時に、このような反論をしてくる人がいたりします。「だからといって0になるわけじゃない。人間じゃないと出来ない仕事があるかぎり消えない」と。これ大きな勘違いでして、前述のように実際に仕事の「枠」は消えているわけです。問題は「0になるわけじゃないけれど、君は採用されないよ」ということを理解していないことです。
1bit脳で考えていると、0になるわけじゃない⇒消えないと勘違いしてしまうわけです。ですが、狭き門がさらに狭き門になるわけで、当然ながらリスキリングして他の能力を併せ持ってる人(VBAバリバリできます、Power Queryで解析できます)、そういった猛者が集まる世界で、「簿記三級で経理できます」と言われても、それだけ狭き門の世界だと高度な仕事も要求され、そして給与は低い中で厳選された上で採用されるのです。
また経理だけじゃなく人事職も同じ。採用業務のアウトソース、給与計算のアウトソース、正直言って殆どアウトソース出来てしまいます。事務業務がどんどん集約されていってるわけですね。昔は企業機密だとか何とかいってこの手の仕事のアウトソースなんて論外なんて言っていた人もいましたが、現実はコレです。となると、人事経験者が行ける場所が特定のアウトソース企業だけになってしまう未来もあるかもしれません。
人事や経理といった人材の為に採用をしたり、教育をしたり、体制を維持するというのは企業にとって結構大変な課題です。これらがアウトソースで殆ど片付けられる、しかもコストも安いとなればコストセンターでしかないバックオフィスを今のまま10年後まで残しておくなんてあり得ないわけです。
たかが10年、されど10年
たかが10年なんて話盛りすぎ😊という話をする方が結構いらっしゃいます。一般の人々にスマートフォンが普及して今がだいたい10年くらいなんですよね。iPhone4Sは爆発的に売れたとは言え、当時はまだまだガジェット好きのアイテムでした(W-Zero3に変わる電子手帳の発展版くらいのポジション)。iPhone5(2012年)あたりから一般人にドカンと普及しはじめて、そして、2024年1月ソフトバンクはガラケーを廃止。
このスマートフォンが普及してからとその前とで、どれだけ世界が変わったか?日本の家電は地を這うようになり、PCの販売が低下。世の中のサービスも実店舗からウェブやアプリに移行し、イオンに行かずにAmazonでオッケー。音楽CDはサブスクで聞くようになり、飛行機はチケットレスになりました。一気に世界の常識が覆されるパラダイムシフトが起きたわけです。
この波に飲まれた方々は今現在どこで何をしているのか?乗るしか無い、このビッグウェーブにと、乗った人々は成功していったでしょう。そうでない人はタダの消費者として翻弄されてきたことでしょう。
10年なんてITの世界じゃ長過ぎるくらいです。そして、今AIが来てる。もう言わなくてもわかりますね?というお話です。10年なんて世界が変わるのに十分すぎる時間です。リスキリングなんてしなくてもヘーキという人、10年後の自分の保障なんて出来ませんよ。確実に言えることはリスキリングして来た人に勝つことは絶対に無いということだけは言えます。
昨今叫ばれてる理由と闇
先の知れた未来
2001年、とある上層部の方々により「平成の大リストラ」および「就職氷河期」を生み、無理して不良債権処理をした挙げ句、未来にとんでもないツケをしました。2024年既にそのツケの清算が始まっています。
一方、若者の死亡原因の第一位が「◯殺」で、おまけにその死因による死者はピークが3万人、2022年で2万人。これどこぞの国の内戦の死者数と変わらないという。
少子高齢化を解消する最初で最後のチャンスだった氷河期世代を棄民してしまったので(日本の世代のボリュームゾーンで一番大きい)、もはや現状少子高齢化を解消する手段は皆無。たとえ現在の若者が結婚して3名以上生んで育てたとしてもそれを継続して何十年も続けられるほど今の日本に経済的余裕があるわけじゃありません(地方の道路や橋のメンテもままならなくなってるのに)。
唯一の緩和手段である「移民受け入れ」ですが、円安に振ってしまった日本にわざわざ移民しに来る人いると思います?下手すると移民元のほうが通貨価値高いので移民すること自体が給料が低くなって割安になります。円安で喜んでる場合じゃないです。
おまけに氷河期世代が高齢者になる時、一体社会保険の負担額はどんな状態になってるのだろうか?それとも年金廃止、生活保護廃止、健保廃止、デノミやら預金封鎖、通貨切り替えという暴挙に出るのだろうか?そして今の若者たちがこの現状を見て「未来は明るいね♬」なんて果たして思うだろうか?これもこの国は30年も放置してきました。先の知れた未来だからこそ、自分だけでも生き残る為には、「リスキリングして生き延びる術」「芸は身を助ける」必要があります。
諦めたらそこで試合終了です。
少子高齢人手不足
日本は少子高齢化というものを完全に舐めて掛かって30年もの時間を無駄にしてきてしまいました。ニュースで流れるバズワード程度にしか感じず、自分には関係ない対岸の火事であり他人事であると。ですが、社会運営でこれほどの重病は他にはないくらい怖い病気なのです。
- 少子化:労働人口が減る。社会の需要が減る。循環する資金が減る。企業や国の戦力の直接の衰退に繋がる
- 高齢化:社会保障費用の増大(年金、医療費)。リタイヤで労働人口が減る。社会の需要が減る(金使わないからね・・・)。循環する資金が減る。企業や国の戦力の直接の衰退に繋がる。
- 人手不足:社会の需要が減り、労働人口がへり、循環する資金が減るのだから、企業維持する人員確保ができなくなる⇒人手不足。
しかし、需要が増えてるわけでもなんでもないので、淘汰で会社が消えてる⇒人手不足倒産と言ってるだけ。
これは経済がどんどんシュリンクしていってる過程を見事に表しています。「需要はどんどん消えてる。けれど企業はそれまでの数残ってる。しかし、需要以上にベテランが一気に定年退職したので、自然減した分補充したいけれど、若者は来ない」という現象であり、つまりは淘汰されるべき企業が実際の需要に合わせて消えていってるだけで、実際に需要に追いつかないから人手不足というわけではないのです(40代という氷河期世代を採用してこなかったツケでごっそりそのポジションが居ないという理由もあります)。それくらい次の人材が存在していないのです。これが少子高齢化の怖い所。これをこの国は30年放置し取り返しのつかないことになりました。
給料なんて上がるわけがない、デフレになるのも当然ですな・・・
これをカバーする為に本来嫌っていたエンドユーザコンピューティングを寧ろ推進するためのRPAをあちこちの企業で開始、事務職に掛かる業務の自動化が2020年以降広まっています。人手不足には違いないですが、同時に生活残業なんか稼げるような現状ではありませんよ。やっていない企業は人件費を無駄に支払っている状態です。
AIが台頭する
後述で「消える単純労働」というものを書いていますが、単純労働じゃない分野も消えるであろうと言われています。AIがその原因です。既にウェブ上では昨今のAIの発展に対して議論が紛糾していたりしますが、「言った所で止まるものじゃないし、止められない」です。
直近ではイラスト生成であったり、文章校正だったり、それこそチャットボットの飛躍的な向上、ちょっとしたソースコードの生成、翻訳をさせてみたり、知識食わせて士業の代わりにしてみたり、レントゲン判定は医者より上などと言われてみたり。これわずかここ数年の話なんですよね・・・AIには暖かみが無いなんて、どこぞの人事が手書きの履歴書じゃないと駄目とか言ってるような時代錯誤のケースを、画像生成AIの結果に呟いてるのを見て「同じようなこと言ってるな・・・」とふと思う。
わずか数年で事務職、イラストレータ、文筆家、窓口要員、プログラマー、翻訳家、薬剤師などの士業、医師、タレント業の仕事に影響を及ぼしつつあります。医師などはまだ全然大丈夫どころか、寧ろ自身の判定の補助として大きくプラスになるかもしれませんが(ドクターって本当に労働時間長くて大変ですからねぇ)、他の業種に於いては確実に「食われていく」可能性があるわけです。知識を詰め込んでアウトプットするだけなら人間なんかよりも遥かに大容量で正確なAIのほうが得意分野。
10年後、あれも出来るこれも出来るとバージョンアップを重ねていった先に待ってる世界は、Detroit: Become Humanのような失業率が30%を超えて、AIやアンドロイドが活躍してる世界なのかもしれない。ゲームの世界の話だと思ってたら割とシャレにならない近い未来が来るのではないか?そんな世界でも生き残るには、今からでもリスキリングしておかなくてはなりません。
また、労基法を盾にクビには出来ないから自分は大丈夫とは思わないほうが良いです。クビにならずとも競争に負けて会社が潰れるか?クビにはされずとも子会社に転籍出向で飛ばされて子会社ごと消えるか?追い出し部屋に行かされるか?いくらでも手段はあります。守られているとは思わないほうが身のためです。当然その頃には転職先も無くなっているでしょう。
※2024年2月21日、ソフトバンクのペッパー君にChatGPT搭載して第二のロボ生がスタートしています。すでにもう始まっているのです。
新しく生まれる仕事
よく、イギリス産業革命のお話を引き合いに出して、「無くなっていく仕事もあれば、その結果として新しく生まれる仕事があるのだから、そちらに行けばいいじゃないか」と、「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」理論を展開する方がいたりします。
AIが台頭したことで仕事が消えたのであるならば、新しく生まれた仕事をすればいいじゃない。と。
まず、この産業革命の結果、古い仕事は消えて新しい仕事が生まれたという部分。実際に機械化によって多くの人が失業し実に70年もの間、一般庶民の生活水準は押し下げられ、機械化による恩恵がもたらされなかったというお話。現代だともっと短いかもしれませんが、基本機械化というものを行う理由は大量生産と人件費の抑制です。当たり前の話ですがこれによって、周りの社会が変わり進歩し、新しい仕事というものは「すぐに生まれたりなんかしません」。故にビックテックがリスキリングの為の団体を作ってたりします。
また、新しい仕事にいけばいいじゃないか?というけれど、昨日までスーパーでレジ打ちしていた人が、新しい仕事が生まれましたと言って明日から「データサイエンティスト」に転職しますとはならないでしょう。
基本新しく生まれる仕事というのはより高度な職業です。単純労働ではありません。当然スキルを要求します。電話交換手が消えて電話交換機になり、そして時を越えてiPhoneが生まれたことで「アプリ作成エンジニア」や「ユーチューバー」が生まれたと言っても、元電話交換手の人の仕事が増えてるわけでもなんでもないのです。
効率化を進めるというのは山の頂に上り詰めることです。当然山頂は麓と異なり到達できる人間はわずかです。過程は東西南北どちらから山を登るかでしかなく、より上に行けば行くほどスキルは求められ、そして立てるスペースは限られているのです。
そして、そういった仕事につけない人間が悪いといって切って捨てて世の中回るのか?といったらそれは資本主義の側の正義であって、国家社会運営とは真逆に位置する理論展開です。そして、その切って捨てたというのがまさに2000年の大リストラと氷河期世代のお話に繋がります。結果どうなりましたか?新自由主義はどうしたんですか?GDP下がってますけど。。。
そうは言っても、ご飯食べていかないといけないので、新しく生まれる仕事に飛び込む資格を得るためには日頃からリスキリングしていないと出来ないことなのです。
副業推奨
本来企業に於いて副業禁止ってこれまで言われていたのはどちらかというと「職業選択の自由」という憲法違反に該当する行為でした。昭和な企業は従業員を支配するためにこういったことをしていたとか何とか。
さて現代に於いては寧ろ、副業オッケーな企業が増えてるとか(公務員はそもそも地方公務員法で明確に禁止されています)。そもそもが副業について自体無闇やたらに禁止することは前述の通り憲法違反ですが、その理由は本業に影響を与える可能性から・・・・。しかし昨今の流れは変わってきています。
- 就業規則の副業に関する規程を守れればやってもらってオッケー
- その内容は、競業避止義務・社会的信用の維持・情報漏洩・過重労働で本業に影響を与えないという規則。
- 加えて残業時間規制が厳しくなった
なぜ副業推奨に流れが変わったのか?単純に、企業が十分な賃金を払えなくなってきており、そこに人材流出や人材不足が重なってやむを得ずといった所が本音。逆に総務省に至っては民間社員に対して自治体での副業推奨までするに至ってる。四の五の言っていられなくなってきてるわけです。
しかし、副業というものは本来「自身の労働時間を売ってするもの」ではなく「自身のスキルを売ってするもの」であり、前者の場合大した金額が稼げるわけでもなくそれはただの掛け持ちバイトでしかありません。スキルをもってすれば短い時間に十分な稼ぎを得ることが可能であり、将来の事業独立にも貢献するでしょう。
その為には、普段からリスキリングで技術力を養っていなければその選択肢も生まれないのです。
賃上げはされず、値上げはされる
やたらと政府主導で賃上げ賃上げとニュースが流れ、あたかも社会の流れが賃上げに傾き、そのために様々な物資が値上げに動いてると思っている人が多数います。では実際どうなのか?
ご覧の通り、見事に大企業で賃上げされてるだけで、全体の実質賃金は2年連続下げという傾向。大企業って日本の企業全体に占める割合って、0.3%で99.7%は中小企業なんですよね。全く相反するニュースが流れている一方で、あらゆるものが値上げ。この殆どは賃金に回ることがありません。大半は便乗値上げではないでしょうか?
円安による輸入物資の値上げの影響は多大にあるとは言え、全体平均で賃下げということは事実上のスタグフレーションと言えるでしょう(何故か殆どのテレビでこの事実を報道しない)。デフレやインフレと異なりスタグフレーションは特効薬がなく、政策的にも割りと詰み(デフレ気味やインフレ気味に政策をとっても、どちらの方向でもマイナス効果が出るのがスタグフレ)。
前述の副業奨励も実はこういう裏事情があるわけです。リスキリングして自分で取りに行くことをしなければ、これから先に待っているのは貨幣価値の暴落と賃下げの連続という波に飲み込まれ巻き込まれていくことになるでしょう。
消える単純労働
自分が子どもの頃にはまだ国内に「縫製業」というものが残っていました。しかし今どれだけあるか?小口のお店は残っていますが工場で製造レベルはすでにもう海外に移転しています。自分が大学の頃はまだ国内に「HDD, PC製造業」がありました。深夜勤をやって学費を稼ぐ助けになりました。今はどうでしょうか?殆ど海外製です。今その工場の跡地は「Amazonの倉庫」になってます・・・・
また、高齢者再雇用や障害者雇用の推進、さらには特定技能と称して外国人労働者の流入、単純労働の枠というものはタダでさえ国外に消えていってる中で、残った仕事も既にこのように現役世代が出来るものではなくなっているわけです。単純労働はどんどん消滅し、工場は消える。その単純労働に支払う行政の原資も危ういでしょう。
自分たちが高齢者になる時、果たして単純労働の枠は残っているでしょうか?経済も企業もシュリンクして賄えると思いますか?
トラックドライバーも2024年問題こと残業時間規制で稼ぎが減る⇒人手がいなくなる⇒物流終わるという話がありましたが、前述の特定技能枠の外国人労働者の導入でさらに社会がカオスになっていく可能性が。物流二法を廃止でもしたほうが良いのでは・・・
子どものうちから始まってる
ここ数ヶ月、色々な人の間での雑談や友人との会話の中で、こういう話題が頻繁に出てくるようになりました。
「子供にプログラミングと英語を学ばせている。教室の月謝が高くてねぇ・・・大変よ」
一見すると、昔のそろばん教室やら書道教室の習い事のお話と変わらないように見えますが、全くと言っていいほど意味が異なります。書道やらそろばんなんていくら身につけても「お金を稼ぐ手段」にはなりません。更に言えば今はデジタル時代です。
この会話のポイントは
- 昨今の社会情勢を味わって親が子どもの将来に対して不安や恐怖を抱いてる
- 公立学校のカリキュラムをただ学んだ所でスキルが身につかないことをよく知ってる
- 若いうちから叩き込まないと、年を取ってからこれらスキルを身につけるのは大変なのを体感してる
親世代がリスキリングを社会から求められている。だからこそ子供にもそれが波及してるわけです。正直、10年後、今ある仕事残ってるだろうか?そもそもさらにその40年後までそれで生きていけるほど社会はまともに残ってるのだろうか?と。
来る未来で日本に依存せず世界で活躍する手段、その2つがプログラミング能力と英語の能力。親世代がたどり着いた真理の末の答えがこの2つということなのかもしれない。
既に以下の動画のようにこのレベルに至ってる小学生が存在しています。しょうもないプログラミング教室でScratchしてる場合じゃありません。逆にこのレベルくらい軽くできない現代のサラリーマンの方々、自分と比較してどうですか?リスキリングしないとマズイのでは?
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