AppSheet Freeでアプリを動かす時の注意点

先日作成した自動車屋向けのAppSheet請求管理のアプリを、試しに個人のGoogleアカウントにてコピーして、AppSheet Freeのプランで動かしてみようと思いテストしてて、嵌りました。そうなると、このアプリはAppSheet Starter以上でないと動かせないのかな?と思いつつ、よく調べてみた所色々とわかった点があったので、制限事項を含めて小ネタとしてまとめてみることにしました。

ハマったポイント

行ったことは自身で作ったGAS連携およびPDF生成、Gmailでメール送信を含めたAutomationを装備したアプリおよびGASのファイルの作成と連携修正。そして最後にいつものように「デプロイ」を行ったところ、エラーが出てデプロイ出来ずという問題点です。

ひょっとして、Freeプランでは自身が装備したAutomationの数々は動かせないのか?と思ったのですが、デプロイしていない状態の開発画面上は動作するんですよね・・・きちんと。ということは、何らかの自分が勘違いしてるポイントがあるのでは?ということで調べてまとめてみたものです。

図:このようなエラーが出てしまった

AppSheet Freeプランの制限事項

データベースとしての制限

これはAppSheet DBとしての制限であり、スプレッドシートを使ってのアプリの作成時の制限ではないのですが、以下のような制約があります。

  • データベースの数は最大5個まで
  • 格納できるデータベースの行数は最大1000行まで
  • データベース1個あたりの最大テーブル数は20個まで
  • テーブルあたりの列数は最大100列まで
  • LongText型の文字の格納最大数は5000文字まで

また、当然全プラン共通の自動化を行う上での制限も別途存在します。

Freeプランのデプロイ時の制限

ここがポイントなのですが、Freeプランはそのスタンスが基本「開発テスト用・個人利用」という点。よってデプロイして他のユーザと共に使ってもらうというものではありません。Freeプランの制限として調べてみたものを列挙すると以下の項目が該当します。

  • 共有で追加できるメンバー数は最大9名まで
  • サインインによるユーザ認証による表示データの制限(ただこれは自前のロジックで代替できる)
  • スケジュール処理は使えません
  • Automationでメール送信やGAS連携、PDFファイル生成を使っているとデプロイ出来ません。→これはCore以上のプランで利用が可能

このあたりの制約とプランの選び方に関しては公式ページにまとめられています。今回引っかかったのは、上記の一番下の項目。これがDeployment Checkに引っかかったわけです。いつもGoogle WorkspaceのアカウントでAppSheet開発を行っていたので、Freeプランの制約に気が付きませんでした。

実験してみた結果

Coreプランがオーナーのファイルを使わせるケース

Google Workspaceのアカウントで作成されたAppSheetアプリに対して共有で個人のGmailアカウントを追加し、そのGmailアカウントでアプリを使った場合、前述のような制限は課されるのか?この検証をした結果は「制限は課されず問題なく実行出来る」が答えになります。

オーナーがGoogle WorkspaceのAppSheet Coreプランが適用された状態であるため、あくまでもその1利用者でしかないため、利用者側のプランについては問われないということになります。

もちろん編集権限を与えて開発してもらう分にも問題はありません。

図:なんら問題なく実行可能

コピーしてFreeでデプロイせず使う

元になってるAppSheetプロジェクトをFreeプランの個人のGmailアカウントでコピー。その後、GASの連携部分やPDF生成のDocumentを差し替えたり、またそれをメール通知で添付して送信する。これらを「デプロイせずに動かせるか?」というのが2つ目の検証。

デプロイ出来ないというのは前述の通りですが、デプロイせずにアプリの画面を開き、PCで操作およびAndroidのAppSheetアプリでそれぞれ動かしてみました。その結果は

  • 顧客管理に1名追加し、住所を緯度経度に変換するGASが動くかについては、問題なく実行できました
  • Documentを雛形に請求書PDFを生成出来るかについては、問題なく実行できました
  • メールに添付して送信は問題なく実行できました(Fromはnoreply@appsheet.comに自身のメアドがタイトルで入ってる)

デプロイしないと動かないよという情報もウェブ上にはありましたが、いずれの機能についてもデプロイせずの状態で動作しています。また、スマートフォンアプリ上での動作についても全く問題なく動作しています。

個人で開発して個人で使う分にはいずれの機能についても問題なく利用が可能であると確認できました。アプリの画面はShare links→Open in browserのURLにアクセスして開かれる画面です。

図:デプロイせずにPDF生成出来ました

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