GeminiのAPIキーの取得と学習の可否
生成AI関係を扱っていると、これって学習されてしまうんだっけ?であったり、APIキーの取得ってどうするんだっけ?といった事があります。ブログ記事でも毎回取得周りの内容を記述するのもくどいのと、中身が書き換わる可能性があるので、本エントリーでGeminiのAPIキーの取得や学習の可否についてまとめてみました。
目次
GeminiのAPIキーを取得する
APIキーの発行
Google Cloud上で発行する
企業内でGemini APIを使ってのアプリケーションを作成する場合には、こちらの手順でAPIキーを発行して利用するようにしましょう。もちろん課金アカウントとプロジェクトは事前に連結しておく必要があります。
- Google Cloudのコンソールの対象のプロジェクトを開く
- 左サイドバーよりAPIとサービス→有効なAPIとサービスを開く
- 上部にあるAPIとサービスを有効にするをクリック
- 検索窓より「Gemini API」を検索して、出てきたものをクリック
- 有効化をクリックする
- 同様に、「Vertex AI API」を検索して同じように有効化しておく
- 続けて、認証情報のページを開く
- 上部にある認証情報の作成をクリックする
- APIキーをクリックすると、即時にキーが発行される。
- 閉じて、再度生成されたキーのリンクをクリックして開く。
- 名前欄にわかりやすい名前を入れておく。
- APIの制限にて、キーを制限をクリックする
- Select APIsでは、Vertex AI APIおよびGenerative Language APIを選択する。
このAPIキーを用いて、Gemini APIを叩けば課金アカウントによる有償の処理となります。
図:APIを有効化が必要です
図:APIキーの制限
Google AI Studioにて発行する
Gemini Advancedなどの後ろで動いてるAPIをプログラム等で直接利用する場合に必要になるAPIキー。以下の手順でAPIキーを今回は取得してみます。
- Googleアカウントにログインした状態にしておく
- こちらのウェブサイトにアクセスする
- APIキーを作成をクリックする
- 1個だけはそのままAPIキーを作成で続行できます。2つ目は既存のGCPプロジェクトを選ぶよう指示が出ます。GCPプロジェクトを指定しなかった場合には新規にGCPプロジェクトが生成されます。
- APIキーが発行されるのでコピーする
このAPIキー発行そのものは無料ですが、流出することの無いように大切に保管する必要があります。このキーは後でGAS側で利用します。これはGeminiのバージョンに限らず、共通の作業となりますが、できれば一箇所でまとめて置くと良いでしょう。
図:APIキーを発行してる画面
Failed to generate API key: permission denied
非常に厄介なこのトラブル、自分も遭遇しました。Google AI StudioページにてAPIキーを発行しようとしたら、Google Cloudのプロジェクト選択ダイアログが出ずに、このエラーが出現。Vertex AI APIやGemini APIなどの無効化・有効化などあがいてみたのですが、何も解決せず。ログアウトログインの繰り返しも試してみたもののNG。
こちらのフォーラムでも同じような問い合わせが出ています。しかしどこにも有効な解決策が出ておらず。
そこで、色々あがいた結果、今現在はGoogle AI Studio上でもAPIキーが発行出来、きちんとプロジェクト選択のダイアログが出るようになりました。その中で行った作業は以下の通り。
- 余計な使っていないプロジェクトを削除
- Generative Language というようなプロジェクトも勝手にできていたので削除。
- 新規にプロジェクトをGoogle Cloud上で作成。
- 新規プロジェクトに対して、Gemini APIおよびVertex AI APIを有効化
- OAuth同意画面を同じく設定し直した
すると何故かエラーが出なくなり、プロジェクト選択画面で、古いもともと課金対象としていたプロジェクトを選んで作成を実行したところ、きちんと認証情報のところにAPIキーが生成されました。
実際にこのキーを使ってGASからリクエストを投げてみましたが問題なく実行することが出来ました。
図:非常に厄介なエラーです
図:Generative Language API Keyが出てきた
スクリプトプロパティに値を格納
前述までに取得しておいたGeminiのAPIキーについて、GASのスクリプトプロパティに値をセットします。コード内に直接記述した場合、誤って流出するおそれがあるので、スクリプトプロパティを使うか?共通で利用するJSONファイルなどを用意して、参照して読み込むように、コードとは分離して管理するのが望ましいでしょう。
- geminikey : Gemini APIのAPIキー
図:スクリプトプロパティに格納する
学習の可否
Gemini界隈もアプリやアドオンが増えてきて、ちょっとわかりにくくなって来ていますが、ここではGoogle WorkspaceのBusiness Standardを基準にして、各Geminiにおける学習の可否についてまとめました。
ただしEducationなどは扱いが異なるケースがあるので、特殊なプランの場合には別個確認が必要です。
Gemini Advanced
GeminiのチャットアプリであるGemini Advanced。こちらもすでにGoogle Workspaceのコアサービスとして組み込まれているため、明確に学習に使用しないと明記されています。こちらでも明記されており、チャット欄の下にも表示がされているはずです。
ただし、個人のGoogleアカウントと違って、各個人のアクティビティをオフにしたり履歴を個人ごとに削除ができないようになっていますので、そこは差があります。
図:きちんと明記されてるか?確認しよう
NotebookLM
Google Workspaceのコアサービスに加わったNotebookLM。コアサービスであるので、Google Workspaceのアカウントである場合には、明確に学習には使われないと明記されています。
とりわけこのアプリの場合は、機密情報や個人情報などを含むようなデータを扱いがちですが、個人のGoogleアカウントと違って対外的な共有もできないようにされているので安心して使えるのではないかと思います。
Gemini for Google Workspace
Gemini Advanced同様に、Gemini for Google Workspaceのサイドパネルでのやり取りは、Google Workspaceのアカウントの場合にはモデル学習されることはありません。
ただし、Advancedと違って履歴が残らないので、管理する側からした場合には、その内容を把握するのは難しいかもしれませんが、対外的にその内容を共有することも出来ないので、情報漏洩の心配や学習に用いられる恐れはありません。
Google AI Studio
Google AI Studioと呼ばれる、Gemini Advancedとは別のチャットアプリが存在しますが、こちらは要注意です。こちらは無償で利用することが出来、また様々なモデルのテストとして利用することが可能になっていますが、一方でコアサービスではない為、「学習される可能性」があります。
故に個人情報や機密情報などを送信して利用することは推奨されません。また有償課金化する方法もありません。あくまでもテストで使う為のサービスです。
この内容についてはこちらに明記されています。
図:企業内で使う場合には要注意です
Gemini API
このAPIの利用が少々厄介です。前述でGoogle AI StudioでAPIキーを作成した時に、Google Cloudに連結せずに作成できたものは、無料枠であるため、これについては「学習の対象になる可能性」があります。一方で、Google Cloudのプロジェクトに連結し、課金アカウントと紐ついてるものは、学習の対象になりません。
その内容についてはこちらのGemini API 追加利用規約に記載があります。
ただし、この時利用するモデルが「preview」とついてるものについては、無料枠となるため学習の対象になる可能性がある点。故に利用するモデルによっては注意が必要になります。
そもそも、AI Studio上で作成してるAPI Keyですが、これそのものはGoogle AI Studioとは直接的に何の関係もないもので、Google Cloud側と関係のあるものになります。よって規約も別となるわけです。
企業の本番で使うば場合にはきちんと課金アカウントを設定して、有償でAPIは叩くようにしましょう。