Google Meetでセカンドカメラを画面共有で使う方法
2025年6月4日、Google WorkspaceのGoogle Meetにて、セカンドカメラデバイスを画面共有として使えるようにするという機能がリリースされました。過去にもOBS Studioの仮想カメラ機能や、GoProをメインカメラとして使うような使い方はMeetでも出来ましたが、今回のアプデはセカンドカメラが使える点。
ということで、さっそくこの機能について調査してみました。暇があったらGoProのほうでも検証して追記したいと思います。
目次
外部カメラ共有とは?
外部カメラとはMeetやTeamsなどのミーティングアプリにおいてPC付属のカメラデバイスではなく、外部のカメラ(例:GoProやAndroidスマートフォンのカメラなど)をカメラのソースとして使う為の機能で、より高解像度であったり、カメラだけ移動できるという利点がありました。
この機能自体はこれまでも自身のアカウントでPCで認識されているデバイスに切り替えることで使えていた機能になります。
今回のアプデの大きな点は、2個目のカメラを画面共有のソースとして使える点。そうなると演者である自分を写してるPCのメインカメラとは別に、画面共有から2個目に認識されてるカメラをもう一個MTGに参加させることが出来るということです。
使い所としては、MTG用はPCのメインカメラで良いとして、2個目は移動の出来るスマホのカメラであったり、有線ですがGoProのカメラを使うことが同時に出来るようになるので、特にレクチャー系や手書きの書類を写しながらの書画カメラ的なものとして、特に学校の先生などで使い道があるのではないかと思います。
専用のカメラを買うとそこそこいい値段しますので、手持ちのAndroidのスマフォなどをそのまま流用するスタンドなどを用意しておくと良いでしょう。
図:カメラから動画をシェアする機能
macOSで設定してみた
とりあえず、今回は手持ちのスマホであるXperiaを元に2個目のソースとして使ってみようと思い、設定をしてみました。OBS Studioを使った仮想カメラを使った手法では、DroidCamを使ってスマフォのカメラを取得しつつ別の要素を合成したものを仮想カメラで流したりも出来ますが、ちょっと手間が多いので今回はシンプルに、Iriun Webcamというツールを使っています。
Google Meet側設定
Google Meet側では、MTG前にウェブカムのソースとして認識されていることが前提になりますが、それらを使えるようにする為の設定が存在します。
MTGに入ってから
- 下部の「⋮」をクリックし、設定をクリックする
- ダイアログの左サイドバーの全般をクリックし、カメラのコンテンツを共有するのチェックをオンにする
- ダイアログを閉じる
これだけでオッケーです。以降はデフォルトでオンになった状態になります。
図:日本語テナントにも来ました。
macOS側の準備
Xperiaというスマホが日常で使ってるものになるので、これを外部カメラデバイスとして使えるようにする為に、アプリケーションを追加でインストールします。今回はmacOSで行っていますが、Windows用ツールも用意されているので設定方法は殆ど同じになると思います(Windowsのほうが多分簡単)。
- Iriun Webcamをダウンロードしてインストールする(古いmacOS用は同じサイトに2.7.4としてpkgが用意されています)
- インストールが完了したら、システム設定を開く
- 左サイドバーの一般をクリックし、ログイン項目と拡張機能を開きます。
- 下のほうにある拡張機能の中のカメラ拡張機能にある!マークをクリックする
- IriunWebcamがオフになってるのでチェックをオンにして完了をクリック
- スマートフォン側にもGoogle Playからアプリを入れておく
- PCとスマフォを同じWiFi環境下に接続しておく
- インストールされたIriunWebcamアプリを起動してみる(PCおよびスマホの両方)
- 自動で認識されてスマフォのカメラで撮影された内容がアプリに出てきてるはずです。
スマフォ側アプリで、画面撮影はデフォルトがLandscape(横)になってるので、縦で取りたい場合は設定をPortraitにしておく必要があります。
図:Extensionを有効化しておかないといけない
図:アプリでは接続が確認出来た
画面共有の実行
セカンドカメラの場合
さて、ここまででデバイスの準備とMeetの設定としては完了です。あとは実際のMTGに参加してこれらを画面共有から使ってみたいと思います。
- MTGに実際に入る
- Meetの下部の画面共有ボタンをクリックする
- するとこれまでと違い、Chromeタブ、アプリウィンドウ、画面全体の他に「カメラ」というのが出てるのでクリックする
- 認識されてるIriunWebcamを選び、そのまま共有ボタンをクリックする
- すると画面に画面共有の時同様にもう一個出現し、カメラの内容がそのまま反映します。
USB接続で認識できるウェブカムや、OBSのような仮想カメラデバイス経由でもこのテクニックは使えますし、GoProももちろん利用することが出来ます。演者が移動しながらの実演や、PCでは難しい手元の紙資料の投影などに使えるので、これまでPCのカメラに無理くり写していたような手法を取らなくても良いので、大きく手間が省けるのではないかと思います。
図:無事にIriunからセカンドカメラとして画面共有できた
OBS Studioの場合
動画ファイルや合成した映像などを流すのに便利なOBS Studio。このアプリの仮想カメラ機能がMeetの映像ソースとして利用が可能なので、かなり色々なことをやらせることが可能です。もっとも簡単な動画ファイルの映像をそのまま流すといった場合であれば、以下の手順で実現出来ます。
- OBSを起動する
- ソースにVLCビデオソースを追加し、リストに再生したい動画類を複数登録しておく。
- 仮想カメラ起動のボタンの隣の歯車をクリック。
- ダイアログにて種類をソースを選択し、出力の選択は2.で追加したVLCビデオソースを選択。
- 最後に仮想カメラを起動をクリック(この時点で自動再生されてしまうので再生は停止しておく)
- この状態で、Meet側で共有ボタンをクリック→カメラを選択
- OBS Virtual Cameraをソースに選択して共有実行
- OBS側で再生を実行すると再生内容がそのままMeet側でも流れるようになります。
同様に、ソースをウィンドウキャプチャにすれば、Chrome以外のアプリの操作の様子をウィンドウ単位でキャプチャして見せることが可能です(全画面共有などしなくても良い)。レクチャー系の仕事で捗りそうです。スクリーンキャプチャの場合は、
- 事前にシステム設定にて、画面収録とシステムオーディオ録音にて、OBSに対して許可しておく必要がある
- ソースはmacOSスクリーンキャプチャにする
- 方式はウィンドウキャプチャとして、ウィンドウは対象のウィンドウ一覧が出てくるので選択する
- 初回のみmacOS側からキャプチャ実行の許可を求められるので、許可をクリックする
図:OBSの設定内容
図:OBSの仮想カメラを画面共有する
図:キャプチャの許可をしておく
図:VoiceVoxの操作の様子をキャプチャ共有