会議資料はPDF化してから作ると楽だよ
よく見るワンシーン。会議資料を出席者からファイルで貰い、それぞれを印刷し、印刷物を仲間の手も借りて、各資料を1部ずつ拾い、最後にホッチキス止める。会議資料完成!!。しかし、この中で「仲間の手も借りて資料を1部ずつ拾う」という作業・・・人力でもあるので結構な手間が掛かります。
しかし、この会議資料のファイルですが、一度全てをPDF化した後1個に順番に固めてから印刷すれば、1部ずつ拾う作業が全く不要になります。複合機が対応していればそのままホッチキス止めまで自動で完了させる事だって可能になります。そこで今回は、この会議資料をPDFにした後、一個にまとめる手法を解説してみたいと思います。
目次
使用するソフトウェア
PDF化する為のソフトウェア
Windows10やGoogle Chromeの場合、標準でPDF化する機能が備わっています。しかし、ソレ以外のOSの場合、標準でPDF化する機能は搭載されていません(Microsoft Office 2010以降やLibreOfficeはPDF化する機能がOfficeに備わっていますが)。目的に応じて以下のソフトウェアが必要です。
- Bullzip PDF Printer(Windows版のみ。PDFプリンターが追加されます)
- VipRiser(Mac OS X版のみ。PDFプリンターが追加されます)
- 2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF/XPS 保存アドイン(Office2007を使ってる場合だけ)
他にもWindows版には、PDF Creatorがあります。VipRiserはちょっとインストールと使い方に癖があるので注意が必要です。
PDFを結合・分割するソフトウェア
PDFを結合する代表的なソフトウェアです。以下のうちどちらかを使ってみて下さい。また、2つ以上のPDFファイルを用意しましょう。後者は海外のソフトウェアですが、日本語対応しています。
pdf_asは、.Net Framework 3.5が必要になります。また、PDF Split and Merge BasicはJava Runtimeが必要です。
主な使い方
PDF化する
まずはファイルをPDF化しなければ意味がありません。いくつか手段がありますが、環境に応じて書類をPDF化しましょう。
PDF PrinterでPDF化
BullzipやPDF Creatorをインストールすると、プリンターの画面に新規にそれぞれのPDFプリンターが登録されます。各種書類印刷時に、それらのPDFプリンターを選び、保存するを実行するとPDF化したファイルが作成されます。Bullzipの場合、印刷を実行すると...
- PDF保存先を指定すればそこにPDFが作成されます。
- 既存のPDFファイルに対して今作ったPDFを直接結合させる事も可能です(これ便利)
- パスワード付きPDFファイルを作る事も可能です。
- また、パスワード不可時に印刷許可を不許可にする事も可能です。
図:PDF化する画面。ここで保存を実行する
Windows10標準機能でPDF化
Windows10からは、OS標準でPDFプリンター機能が搭載されています。なので、別途追加のPDFプリンターはインストールが不要です。様々な書類を印刷時に、印刷先プリンターとして「Microsoft Print to PDF」を選択すればOKです。名前を付けて保存画面が出るので保存先を選べば、ファイルがPDF化されます。
図:印刷先としてPrint to PDFを選んでる画面
Microsoft Officeの標準機能でPDF化
Microsoft Office 2010からは、OS標準でPDF化する機能が備わっています。但し、標準でリボンにそのボタンが出てきていません(Accessはレポート印刷画面のリボンにボタンが表示されています)。なので、まずはその機能を使えるようにリボンにボタンを追加しておくと良いでしょう。
- 「ファイル」⇒「オプション」を開く
- リボンのユーザ設定を開く
- コマンドの選択にて「すべてのコマンド」を選択する
- 「PDFまたはXPS形式で発行」を選択
- 右の画面にてメインタブの適当な位置に「新しいグループ」ボタンをクリック。自分はページレイアウトタブに新しいグループを作りました。
- 適当にグループ名を付ける。
- 4.を選択状態で真ん中の「追加」ボタンをクリック
- これで指定のタブの新しいグループ内にPDF保存用のボタンが登場します。
- あとはPDF化したい時にこのボタンを押せば一発でPDF化してくれます。
図:PDF化機能を表示設定中の画面
Google ChromeでPDF化
Google Chromeはブラウザ自体がPDF化して保存する為の機能が搭載されています。その為、PDFプリンター自体利用せずとも、ブラウザで表示されてる内容をそのまま、PDFとして保存が出来ます。普通に印刷を実行した時に、送信先の変更ボタンを押し、印刷先として「PDFに保存」を実行すれば、PDF化されます。その後保存先を選べばOKです。
図:PDFに保存はとっても便利
PDFを結合する
さて、ここまでで会議資料あれこれが全て、PDF化が出来てると思います。これら複数のPDFファイルを1枚にして、印刷をすればミッション完了ですよ。PDFを1枚に結合する作業はとても簡単。今回はpdf_asを使用してみたいと思います。今回試しに、WikipediaにていくつかのページをPDFで保存したものを、1枚に結合してみます。
試しに4つのPDFを結合して、パスワードをtomato2000, 編集パスワードをkinoko3000を設定、印刷不可、コピペ不可にしたPDFを作ってみました。こちらからダウンロード可能です。
- pdf_asを起動して、そこにPDFファイルを掴んでドロップします。
- ファイルの並び順にて、各PDFファイルの並びを変更する事が可能です。
- しおりを追加にて、各ページのしおりをこの段階で追加も可能です。
- ファイルメニューから「操作」⇒「結合」を実行
- 保存先を指定すれば、1個のPDFになって保存されます。
- これを印刷すれば、無駄な作業がなく会議書類は用意できてしまいます。
- 配布用にパスワード付きにしたい場合、改めてpdf_asを起動して、5.の完成品PDFを入れて、ファイルメニューから「ファイル」⇒「セキュリティ」を開く
- 印刷不可などのオプションやパスワードをここで設定して実行すると、パスワード付きPDFが完成します。
図:PDF結合画面とパスワード設定画面
PDFを分割する
あまり使うシーンはないですが、いくつかの会議資料にて用意されたPDFの内、いくつかのページを省きたかったり、また既存の完成品を一度バラバラしたい事があります。pdf_asでは分割も実行可能で、割りと簡単に分割可能です。自分はよく1枚ずつにバラバラにして、もう一度必要なページだけで、PDFを結合し直したりで使ったりしています。
- 完成品PDFをpdf_asにドラッグ&ドロップする
- ファイルメニューから「操作」⇒「分割」を実行する
- すると、元のPDFがあったフォルダに、1個ずつのファイルに分割されます。
パスワード付きにしてるとそれぞれのファイルの解除パスワードを聞かれますので、何度もパスワードを入れる必要がありますので注意!!
PDFにしおりを付ける
pdf_asでは、しおり付きPDFファイルも作成可能です。しおりがついていないPDFの場合、Adobe Readerで見た時にページのサムネイルだけで、何ページ目に何の項目があるのか?さっぱりわかりません。ページ数の多い資料などで印刷物ではない場合、しおりを付けておけば、目的のページにサクっと飛べるので便利です。
今回テストで作ったしおり付きPDFと、その時使用したしおりテキストは以下の通りです。
しおりを付ける手順は以下の通りです。
- 一度まずは資料をPDF化してpdf_asで結合して完成品を作っておく
- notepadを起動する
- ページのタイトルを適当に決めて、最後にスラッシュ(/)を付けて、ページ番号を入れます。5ページ目ならば、「/5」と言った具合に。
- ページをネスト(一個下げたい時。例えば1章の第一項みたいに)したい場合は、行の頭をタブで下げます。
- しおりをただのtxtで保存する。この時文字コードはANSIとしておく。UTF8だと文字化けします。
- pdf_asで完成品をドラッグ&ドロップする
- メニューより「ファイル」⇒「しおりを追加」⇒「TXTファイル」をクリック
- 5.で作成したしおりのtxtを指定する
- ナビゲーションでしおりを開いたままにするか?聞いてくるので、目次表示したままにしたいならば、「はい」を選択
- しおり付ける前のPDFは「元ファイル」として残され、しおり付き完成品が新たに生成されます。
図:しおりのテキストを作ってる様子
図:しおりテキストの文字コードは保存時にANSIにしておく事!!
図:しおりが左サイドに表示されたPDF