Google Workspace Administrator資格について調べてみた

AWSやAzureといったベンダーによる資格というものがあり、公的なものというより能力を証明するものとして広く取得が推奨されています。Azureで有名なのはAZ104などがそれに該当します。

GCPにもたくさんの認定資格が用意されていますが、Azureなどと比較すると書籍も少なく情報も少ない。今回、Google Workspaceの管理者資格に挑戦すべく、この資格に関する情報をまとめてみました。

今回取り組む対象

【Google Workspace】管理者の達人への道‼決意表明します‼

認定資格について

新しい試験に生まれ変わる

2024年10月22日、Associate Google Workspace Administratorという新しい試験がベータ版で公開されました。内容的にはProfessional Google Workspace Administratorよりも現場よりとなっていて試験内容もかなり異なるようです。このあたりについてはG-genブログにて詳細に語られています。

そしてこれはすなわち、これまであったProfessional Google Workspace Administrator資格が廃止されて置き換わるということ。よって自分も2年後の更新試験の時にはこちらになり、これまでの教材は役に立たなくなる。試験対策等については以下大して変わらないのですが、範囲については再度学習おいた方が良いでしょう(Gemini for Google Workspaceなども入ってきてるようだ)。

現在はまだ英語版のみの提供となっています(ベータ試験は2024/11/21まで試せる)。しかし、2024年12月31日をもってProfessionalのほうは受付終了となるようです。

要求される範囲

Google Workspaceの管理者としての能力を問われるというだけではなく、以下のような内容を求められる資格となっています。

  • Google Workspace管理者としての基本的な能力
  • 外部サービスと接続したりAPIを利用する能力
  • 一般的なIT全般の能力
  • エンドユーザ向け教育の能力

故に幅広い知識が求められるため、他のGCP資格と比較すると専門性よりも汎用性のほうが高いように感じます。また、問題が機械翻訳みたいな問題文なので、厳格な日本語を使う人には結構脳みそに負担が掛かります。

試験の概要

試験そのものの情報として以下のような形で受験することになります。

  • 試験時間:2時間
  • 問題数:50問
  • 解答法:選択式
  • 試験会場:オンライン or テストセンター
  • 受験費用:$200(1ドル150円 = 30,000円)
  • 言語:英語と日本語の2つに対応
  • 資格有効期限:2年間

試験費用が為替の影響を受けるので日本の場合変動しますが、なかなかいいお値段です。オンラインで受験する場合は各種要件があるので注意が必要です(後述)。

難易度

ウェブを見ていると、GCPの資格の中では「中〜高」の難易度という評価が多いです。要求される範囲が広いためそのような位置になっているようです。故に、どちらかというと情報システムのポジションでもユーザ寄りの位置にいる人が日々要求される仕事の内容で一般的に身につける内容に合わせてると思われます。

中には普段自社では使っていないような機能に関しても、問題文には含まれてくるので、その辺りが引っかかるポイントになるかもしれません(といっても、AZ104もなかなか範囲は広いですし、内容も多岐に渡るので似たようなものと言えるかもしれません)。

試験の申し込み方法

これがちょっとわかりにくいのですが、以下のような手順で受験申し込みを行います。

  1. Professional Google Workspace Administratorのページを開く
  2. 登録ボタンがあるのでクリックする
  3. Google Cloud Webassessorアカウントが必要となるので、下の方にある「アカウントをお持ちでない場合」に従ってアカウントを作成します。
  4. ID/PWやユーザの情報を入力し、保存をクリック(日本語でオッケー)。この時、先に国でJapanを選んでおくと、都道府県選択ができるので選択しておきましょう。生年月日の選択がわかりにくいので注意。
  5. メールが送られてくるのでログインする
  6. 右下にある言語を日本語に変更する
  7. 試験の申し込みをクリックして、次に進む
  8. 受験する試験(今回はGoogle Cloud Certified - Professional Google Workspace Administrator (Japanese))を選択する
  9. オンサイト監視がセンターに出向いて受験、遠隔監視がオンラインでの受験となります。テストセンターはこちらから近隣の場所を調べることが可能(今回はオンラインで進める)
  10. 今すぐ購入をクリックして次に進む
  11. センター受験の場合は受験会場を選択する
  12. 受験日程と時間を選択する
  13. 確認事項を確認したら、同意しますにチェックを入れて選択をクリックする
  14. 支払い画面において、もし手元にバウチャーコードがある場合、入力して適用すると無償や半額で受験が可能です。(ただ、バウチャーはパートナー企業所属でないと入手が難しい)
  15. 購入を続けるをクリック
  16. クレジットカード入力画面になるので入力して、Submitをクリック
  17. 完了をクリック。のちにメールで購入完了の通知メールが届きます。そこに「受験者承認コード」が記載されています(現地試験の人のみ)。これが受験当日必要です

図:受験用のアカウントが必要

図:購入で支払う

図:テストセンターは場所が限られる

図:バウチャー登録

受験方法

必要な持ち物

資格試験受験に必要なものがいくつかあります。忘れずに用意しましょう。

  1. 受験者承認コード(現地受験)
  2. 身分証2つ(1つは顔写真のあるもの、もう一つは健康保険証でも良い)
  3. 学生の場合は学生証とクレジットカードなどの2つを身分証として用意すればオッケー

試験会場は私物の持ち込みは不可となっています。私物はロッカーに格納しましょう。

事前準備

試験を受ける前にNewセキュアブラウザのインストールと生体認証(カメラで写真撮る)の2つを済ませておく必要があります。Webprocessorの自分のページにて上部の「私の評価」をクリックすると、その旨の内容が出てきます。

ブラウザは単独起動ではなく通常のWebブラウザから呼び出される形で動作するようです。普通のインストーラなのでインストールしておきましょう。

生体認証プロファイルはウェブカムを使ってカメラを撮ります。I agreeの同意に全部チェックを入れて次に進み、カメラの撮り方について全てチェックをしたのち、顔が中心になるようにしてCaptureをクリック(ブラウザからカメラ利用の許可問い合わせがあります)。

これで遠隔試験の準備はオッケーです。

図:事前準備で必要なもの

図:生体認証取得同意画面

図:専用ブラウザのインストール

オンライン受験をする

自宅のPCから受験するオンライン受験。こちらは受験する為の要件が別途設定されています。今時のPCであれば問題ないと思われますが注意すべき点は

  • ネットワークスピードのping値は200ms以下であること(ここが多分一番ネックになるかと。有線接続できるならばそのほうが望ましい)
  • ウェブカムやマイクが必要です。
  • 試験する家の机の周りに余計な電子機器(モニターや他のPC, タブレットなど)は見えない範囲に事前に除外しておきましょう。試験開始前の検査で指摘されます。
  • ネットワーク阻害要因となるウィルスチェッカーやファイアウォール、広告ブロッカー等はすべて無効化が必要です。変なアプリは常駐させないようにしましょう。ESETなどはデーモンを無効化するなどが必要なので、会社のPCよりも個人のPCで受験したほうが障害が少ない。
  • Windows / macOSにてChromeやFirefoxで受験が可能(但し、Chromebookでの受験は推奨されないと出ている。前述のアプリのインストールができない為)
  • 試験開始可能時刻は10分前から可能
  • トラブルで受験開始時刻が経過しても試験時間が削られるということはないので慎重に確実に進める
  • 飲食や途中トイレとか全部駄目なので、1時間以上前からカフェインは接種とか水分補給はやめておきましょう。事前にトイレ行っててもしたくなります。

当日受験に入ると、予約画面の内容が「受験する」に変わり、クリックするとLockdown Browser OEM」というアプリが起動します。このアプリなのですが、受験前にインストールするよう指示がある。

macOSの場合パーミッションなどの影響も考えられるので、ギリギリの時間に試験に入ると焦る原因となるので余裕をもって参加するべきでしょう。

またWindows DefenderやmacOSのファイアウォールがアプリの通信を阻害する可能性があるため、無効化しておくのが吉だと思われます。

試験開始前に身分証の確認があるので2つ用意しておき、試験官とやりとりをしながら通過する必要があります。また試験場所の周りの環境の撮影等についても問い合わせがあるので指示に従って進めます。故に、試験当日は、周りに何もないような環境を作って準備しておくとスムーズに進められるのではないかと思います。(他のモニターやPCなどがあると引っかかる可能性がある)

オンライン試験でトラブルに会う・・・

事前に準備していたのに、実際には初めての当日の試験は全然うまくいかずに試験開始時間を15分(実際には10分前から初めてたので30分近く)、超えてしまいました。M1 MacでSonomaを使ってましたが・・・・

何がトラブルだったのか?を列挙すると

  • LaunchをクリックしてもLockdown Browserが起動してくれず。これが一番焦ったかもしれない。
  • 再起動したりを繰り返してようやく起動したものの、指示の内容が基本英語なのでパニックになる
  • 誤ってブラウザを閉じてしまうと何も操作できない状態になるので、強制再起動が必要なのでChromeを閉じては駄目です。
  • 事前に生体認証を別のマシンでやっていたのだけれど、結局別のマシンでやり直しになりました(顔写真とかね)
  • ようやくLockdown Browserが起動してくれましたが、何か他のアプリが動いてるので停止しろというような指示が出るのでcloseのほうをクリックする。exitをクリックしてしまうとブラウザが閉じられてしまいます。
  • QRコードをスマフォで読み取って、周りの様子をカメラで写真を取れという画面指示が最初意味がよくわからず。front, back, left, rightなどを撮影してはNextボタンを押して次に進むをしていくとPC側でようやく先に進めた
  • 試験官(AIっぽい)が何か書いてるが英語です
  • 日本語でないとわからない」と返事をすると日本語になりました。
  • このチャットの指示にて身分証を提示したり、ノートPCを持ってぐるぐる部屋の中を回ったり(撮影者が写っては駄目)、天井にある煙検知器を謎の物体だから写せと言われたりとなかなか面倒でした。
  • スマフォと身分証をしまえ、しまった場所をノートPCで映しなさいという指示がくる。
  • そこから先は画面の指示に従ってボタンを押したりなどなどで試験がスタートします。ここまでですでに試験開始から30分以上経過しています。
  • 肝心のテストは確かに事前にやった模擬試験やUdemyで見たことあるようなテストは出るものの、5,6問くらいで殆どが見たこと無いような試験でした。
  • PCにまっさらな別のアカウントを用意して、何もアプリを入れていない状態を作ってからLockdown Browser等準備したほうが良いのかもしれない。
  • 会社のPCではクラウドプロキシのログイン画面が出てきてしまい(i-Filterが入ってるので)、ID/PWをテキストからコピペとか一切出来ないので詰みます。事前にメモでも取っておく必要がある。

正直言って、日本語の試験なのに英語読めないであったり相当量のITリテラシーが無いと詰みます

受験時の注意事項に関する動画

Online Proctored Certification Testing

注意事項

合否認定

受験日から5日前後に通知が来るようです(自分の場合当日オンライン受験、当日合格が来ました)。合否のみの判定で試験内容で何点取得したのか?といった内容は知ることができないようになっているみたい。自分も無事に合格しましたが、確認方法は以下の通り。

  1. 試験アカウントでログインする
  2. 登録済み試験のタブをクリックする
  3. 下の方にある完了した試験に通知が出ています。

合格の場合、Credlyという所からメールで来た通知の「認定証の入手」をクリックすると認定証やバッジを取得可能なのですが、Accredibleというサイトからも同じメアドでログインして確認することが可能なようです。

またパートナー企業所属の場合は、パートナー企業のメアドで受験してれば自動的にその企業に紐付きになるようです。

図:合格するとこれが飛んでくる

領収書の発行

領収書は自動発行されないので会社で指定されて受験したのちに、経費申請を行う場合には手動で領収書発行が必要です。

  1. 試験アカウントでログインする
  2. 領収書タブをクリックする
  3. 対象試験の領収書ボタンをクリックする
  4. 領収書に記載する住所等を入力。VATは空のままでオッケー
  5. Generate Receiptをクリックする
  6. PDF形式で領収書が発行されてダウンロードされます。

リスケとキャンセル

スケジュールの都合が合わないといった理由で、試験のリスケジュールやキャンセルを行いたい場合は以下の手順で変更や取り消しをすることが可能です。ただし、いずれも期限がありますので要注意。

  • オンラインは受験当日の24時間前までが期限
  • センター受験の場合は、受験当日の72時間前までが期限

変更方法は以下の通りです。

  1. 試験アカウントでログインする
  2. 登録済み試験のタブをクリックする
  3. 対象の試験の日程変更/キャンセルをクリックする
  4. 再スケジュールや申し込みをキャンセルをクリックする

資格の更新

GCPの資格には有効期限が設定されています。資格の有効期限は発行されてから2年間。2年後には再試験を受けて再認定を受ける必要があります。試験用アカウントのメールに有効期限が切れる90日、60日、30日前にリマインダーのメールが届き半額クーポンのコードが付与されてるようです。

再認定試験は有効期限の60日前から受験可能で、期限切れであった場合には30日以内に更新を受けることが可能になっています。

学習スタイル

書籍

AZ104とは違い、基本的にはGoogle提供の公式教材やUdemyの動画教材などを利用して学習していくスタイルになります。数少ない書籍スタイルとしてKindle版ですが、「Google Workspace 重要管理機能徹底解説本」というものもリリースされています。こちらの書籍を購入して読み解くというのも良いでしょうが、Udemyの動画や模擬試験等はやはり必要なのではないかなぁと思います。

こちらの書籍はAmazon Prime加入であれば読み放題の対象になっていたので、無償で自分の場合は利用できました。

図:Prime入っているとお得

Udemy

UdemyでいくつかGoogle Workspace Administratorの試験対策用の教材がリリースされています。1500円とそんなに高額なものではないので手が出しやすいのではないかと思います。

試験対策用ではない教材もリリースされていたりしますが参考にはなるかと思います。基本は公式教材を学んで、上記の模擬を受けつつ、最後に公式模擬を受けて受験にというスタイルがベターなのではないかと思います。

※スッキリわかる講座の作者さんは、前述の書籍の著者さんでもあります。合わせて利用すると良いかもしれません。

Google公式

学習教材

試験自体は日本語で受けられますが、公式教材の言語が英語他しかなく日本語がありません。これが結構ハードルになってる気はする。中の教材のスライドはPDFとなってるので、ダウンロードすることも可能です。

全くの素人の人が受ける資格ではないので、ここでまず学習を進めて、不足してるなぁと感じるのであれば、前述のUdemyなどで教材を購入して補完すると良いでしょう。

英語教材では厳しいという人は以下の手順で公式ドキュメントを翻訳したものを手にいれることが可能です。

  1. 各講習教材のページを開く
  2. PDFのスライドが出てくるので、ダウンロードボタンをクリックしてファイルを手にいれる(但し拡張子がpdf.enとなってるので拡張子部分の.enを削っておく)
  3. Google翻訳を開く
  4. ドキュメントがオンになってるので、2.のファイルを右パネルのファイルを見るで指定するか?ドラッグ&ドロップする
  5. 翻訳をクリックする
  6. 翻訳されたPDFが生成されるのでダウンロードして学習を進める

図:PDFまるごと翻訳してくれる

模擬試験

Google公式に模擬試験のページが用意されています。こちらのページを開いて、右サイドにある「模擬試験を受ける」がそれに該当しますので、クリックするとGoogle Form形式での模擬試験ページが開かれます。

無償で利用可能で、テスト後には正答の内容などが表示されますので、最後のトレーニングとして受けると良いでしょう。

図:何度も受けましょう

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