macOS Venturaをインストールしてみた
2022年10月25日、最新のmacOS 13.0 Venturaがリリースされました。メジャーバージョンが変わってるので、大幅な変更が加えられてるので、通常の一般ユーザは暫くはアップデートを実行せず様子見をしたほうが良いでしょう。今回はこのVenturaをM1 Macbook Airにインストールしてみて、様々な動作検証や情報をまとめてみました。
正直な所、自分にとっては特に目新しい機能もなく、利便性が向上したか?といったら否です。セキュリティフィックス以外の理由でMontereyから今移行させるメリットは皆無かと(Windows11等でも同じことが言える)
目次
- 1 今回利用するアプリ等
- 2 Venturaの新機能と廃止された機能
- 3 動作検証
- 4 トラブルシューティング
- 4.1 アクセス権限がリセットされる
- 4.2 特定のアプリがエラーで起動しなくなる
- 4.3 SSHでアクセス拒否
- 4.4 QuickTime Playerで再生できない
- 4.5 アプリが壊れてると言われるケース
- 4.6 Google日本語入力が壊れてる
- 4.7 外部ディスプレイの解像度がオカシクなる
- 4.8 外部ディスプレイが認識されない
- 4.9 Chromeが起動時に毎回自動起動する
- 4.10 exFATの実装に変更が発生
- 4.11 スリープ中のバッテリードレイン問題
- 4.12 Bluetoothデバイスでスリープが解除されてしまう
- 4.13 DisplayLinkを使ったマルチモニタ出力が出来ない
- 4.14 外付けUSBデバイスの転送速度が遅い
- 4.15 保存したファイルが見えない
- 4.16 Wi-Fi速度が異常に遅くなる問題
- 4.17 外部モニタにもメニューバーを表示させる
- 4.18 Microsoft Mouseのペアリング時の問題
- 5 関連リンク
今回利用するアプリ等
Monterayはまだ配布されているので、今のうちに入手しておくべきでしょう。Monteray(12.6.1)のインストールアシスタントの最終版はこちらからダウンロード可能で、USBメモリが必要です。(Mistというアプリからもダウンロードが可能)
Venturaのインストーラサイズは12GBもあるので、ダウンロードの時間はそこそこ掛かります。また、App Storeからダウンロードを行うとApplicationフォルダに格納されるので、NASなどにインストーラはコピーを取っておくと良いでしょう。
Venturaの新機能と廃止された機能
※フリーボードと呼ばれる他人と共有して利用できるホワイトボード的な機能は年内に登場予定とのこと(まだリリースされていない)
システム要件
適用できるマシンのシステム要件ですが、ざっくり言えば2017年以降のMacという事になるかと思います。こちらに詳細が掲載されていますが、主なマシンの最低ラインは
- Macbook Pro 13inch, 2017
- Macbook Air Retina 13inch, 2018
- Macbook Retina, 12inch, 2017
- iMac Pro 2017
- iMac 21.5inch, 2017
- Mac Mini 2018
- Mac Studio 2022
- Mac Pro 2019
一部の機種が2018や2019からになっていますので、だいぶ足切りされてしまうマシンが出てくるのではないかと思います。
インストール用のUSBメモリを作っておく
App Storeからダウンロードをすると、インストーラがApplicationフォルダに格納されてるはずなので、このインストーラを元にUSBメモリを用意して、バックアップ用に取っておくことが可能です。昔のMacと異なりインターネット復元が出来ないので、作成は必須になります。何かあったときはこのディスクから復元を試みることになります。
ターミナルを起動して以下のコマンドを実行する事で作成することが可能です。事前にUSBメモリに付けた名前を把握しておきましょう。
※こちらから最新版のインストーラpkgが手に入ります。実行するとインストーラがアプリケーションフォルダに生成されます。
1 |
sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/USBメモリの名称 |
使用するUSBメモリは16GB以上が必要になります。
新機能と変更点について
システム環境設定の大幅変更
長年親しまれてきたあのシステム環境設定が大幅に変更されて、iOS寄りの新設定アプリに変更されました。Windowsでもコントロールパネルが廃止されつつあり設定アプリに変わりましたが、同じような形ですが、かなり使いにくいです。寄せる必要ないと思いますが・・・
まず、この画面縦に伸ばすことは出来ても横に伸ばす事は出来ず、画面が小さい。トグル関係にまとめられていますが、全体的に縮小されたような印象。iOSのインターフェースに寄せてるのはわかりますが、PCでスマフォ風の設定画面というのは使いにくい。ましてや自分はiPhoneユーザではないので、わざわざ変える必要のないものを変えるという、IT業界の悪癖が出ています。
画面遷移が多い上に、こういった変更をする一番の問題点は過去のノウハウを記述したページの殆どが使えなくなってしまうという点。こういう場合こうやって変更すると、スクショ付きで説明してる資料の全てがパーになります。変更した所でやることはまるで変わってないので、無益以外の何物でもありません。
※また新設定アプリに未対応に非対応のパネルは開けない不具合が発生してます。
図:かなり使いにくい上に小さい
パスキーでパスワードレス
ブラウザにウェブサイトのパスワード等を保存しておき、自動ログインなどは既にもう当たり前のように使っていますが、VenturaからはFaceIDやTouchIDを利用したKeychain保存のパスワードを再入力手間を減らす機能をパスキーとしてウェブサイトにも使えるようになったとのこと。
ただしウェブサイト側がこの機能に対応している必要があるのと、結局は2段階認証等が必須の時代なので、そこまで有用とは思えない。ただ登録時にパスワード自体が存在せずなので、ハッキングに対する耐性は高いとは言えますが、どこまで対応サイトが増えるのか?といった点が問題点になります(あくまでも独自の機能であるため)。
一般的なパスワードレス認証はFIDO認証で物理キーを使ったものや、Windowsで言えばWindows Hello、WebAuthnなどが有名ですが、イマイチ活用されてるとは言い難い状況。また、パスキー等の場合、ウェブサイトのアカウント作成時にパスワードではなくFaceIDやTouchIDのデジタルデータを元にiCloudに対して保存されるものであるため、ユーザもパスワードを知らない。
さて、今後どうなるかが期待の機能とは言えます(企業ユースだとActive Directory連携のシングルサインオンなども絡む為、設定してくれるのかどうか)
※この機能はSafariオンリーとなっています。
ステージマネージャー
これまでのmacOSは仮想デスクトップとMission Controlの2つでウィンドウのコントロールを行ってきました。しかし、多数の仮想デスクトップと多数のウィンドウを表示しっぱなしで作業をするような場合、どの仮想デスクトップのどのあたりに目的のウィンドウがあるのか、たんだんわからなくなり、カオスになるといことは確かにしばしばありました。
そこで、ウィンドウ一覧を左側にちょっとした形で表示しておくといったような機能がこのステージマネージャー。デフォルトではオフになっており、メニューバーの日付の隣のアイコンをクリックすると、画面ミラーリングの隣に存在しオンにすると、ウィンドウ一覧が左側に表示されるようになります。
このステージマネージャですが
- 仮想デスクトップ毎に作動する
- ウィンドウがステージマネージャにかぶるとステージマネージャは非表示になる
- デスクトップアイコンが非表示になる
- 常に1個ずつウィンドウ表示になる(マルチタッチのMission Controlは使える)
- アプリをグループ化して一纏めにできる
- 外部ディスプレイは未サポート
確かにウィンドウがごっちゃになってる時に、一覧があると助かるといえば助かるかもしれませんが、ミッションコントロールの動作になれきってるのと、目的別に仮想デスクトップ切ってるので、自分は使わないと思う。デスクトップのアイコン非表示になる点も正直頂けない。
コマンドライン作業のものだとウィンドウだけ見てもわからんので、ほぼ意味がない。iOSデバイスの場合は有用かもしれませんが、macOSでは正直使う機会は無いのではないかと。マルチディスプレイもあるんで。
図:個人的には結構微妙
USB機器接続にユーザ許可が必要になる
これまでは、USBメモリやドック、ハブなどを接続した場合、そのまま利用が可能であったのですが、Venturaからは接続すると確認メッセージが出るようになり、ユーザが許可を与えないと利用できないようになりました。
なぜこの仕様が出たのかというと、悪意のあるUSBメモリやケーブルデバイスなどにマルウェアやルートキットが仕込まれていて、過去に何度も被害が発生していた為(BadUSB問題)。Windowsでもautorun.infを用いた自動再生を悪用したウイルス感染等過去にありましたね。最近はハードウェアレベルでこれが仕込まれていたりするため。
許可しないと選択すると電源供給だけはされているものの、再度つなぎ直しをしないと利用は出来ないので要注意。
この確認要件を緩和するには以下の手順で緩和可能です
- 設定アプリを開く
- 左サイドバーよりプライバシーとセキュリティを開く
- 下の方にある「アクセサリの接続許可」の項目を見つける
- プルダウンから常に許可とした場合には、コレまでどおりの設定となり、デフォルトは新しいアクセサリの場合となっています(よって、1度許可を与えると再度要求してくることはない)。
図:面倒だけれどこれもセキュリティ向上の為
図:アクセサリの接続許可から変更する
ヘルパーアプリのバックグラウンド動作の許可
アプリそのものへのアクセス許可はこれまでもありましたが、バックグラウンドで動作するデーモンやヘルパーアプリに対しても、個別にアクセス許可をする必要性があります。
バックグラウンドでアップグレードやライセンス認証、外部デバイスへの接続などで使うケースで発生します。予め許可を与えておくようにしましょう。設定方法は以下の通り
- 設定アプリを開く
- 左サイドバーより一般を開く
- さらに、ログイン項目を開く
- 下の方に、バックグラウンドでの実行を許可の項目でトグルをオンにしておく
図:非常に細かな要求をするようになった
iPhoneをMacのWebcamとして使える
今回のVenturaの目玉機能として取り上げられてるiPhoneのカメラをVenturaのWebカメラとして利用可能になる機能が搭載されています。iPhoneカメラ側の背景ぼかしやら光量調整機能を利用して使えるとのこと。マイクも同様にiPhone側のものが利用可能になるようです(マイクを別に購入する必要が無いので、有用と言えるのはこれくらいかな。でも配信やる人は専用マイク買うのでライトユーザしか使わないと思われる)。
ただ当方はAndroidユーザなので検証していません。
仕様を観ると事前に同じApple IDでMacとiPhoneを連携させておく必要性と、広角レンズであるので、事前に適正な位置にiPhoneを配置しておく必要性がある。また、アプリ側(Teams等)でもデバイスとして選択しておく必要性があると思われます。実際に使う場合には有線ケーブル/ワイヤレスにて、iPhoneとMacを接続が必要となり、サウンド設定等で切替をしておかないと、声が聞こえない/伝わらないという、Web会議あるあるが発生すると思います。
対応してるiPhoneは2018年以降に発売されたiPhoneとなっていて、通常はiPhone11あたりからになるかと。じゃぁ、使うかといったら、そもそも背景ぼかしやらの機能はWeb会議アプリで搭載されてるものですし、標準搭載のFacetime Cameraで必要十分である点、正直Web会議でも演者の顔などどうでもいい存在なので、わざわざiPhoneを使う必要性があるかといったら、皆無だと思います。資料使わない会話だけなら、それこそiPhone単体で十分でしょ。
GoProやDroidCamなどを使う手法もありますし、OBSでのマルチ画像配信位で使えるかなといった点。DroidCamの場合もWirelessで使えるので、正直なところ、この機能増強は面白みがまるでありません。ただの後追い。
また、広角レンズのiPhoneを使って机の上も表示させるデスクビューで共有という機能も追加されていますが、机見てどうするんでしょうか・・・単体起動する事もでき、システム⇒ライブラリ⇒CoreServices⇒Applications⇒デスクビューで起動させることも可能です。
※Mac Mini等のカメラ無しデバイスでは、別途ウェブカムを買わずとも使えるという点は利点の1つと言えます。
Metal3対応
DirectXやらOpenGLやら、更にはMetalにVulkanと最近はGPUネイティブなゲーム向けのAPIが続々と出てきており、ゲーマーにとっては面白くなっては来てるのですが、VenturaからはMetal3対応がなされています。まだそこまでゲームが出てるわけではないのですが、有名所ですとバイオハザード ヴィレッジMac版がM1/M2対応にもなってリリースされており、MetalFX Upscaling対応ということで
こちらのサイトでプレイレビューが投稿されています。価格は5000円でMac App Storeで販売される。
TimeMachineのバックアップ頻度設定変更
これまで、TimeMachineのバックアップ頻度は「過去24時間に1時間毎」という設定のみでした。今回のアップデートにて、1時間毎、1日毎、1週間毎という項目が増えたことで、自動バックアップの頻度を若干柔軟に行えるようになっています。
このTimeMachine設定、面倒な事に設定アプリのトップではなく以下の位置に変更されてしまってるので、要注意です
- 設定アプリを開く
- 左サイドバーから一般を開く
- TimeMachineを見つけて開く
バックアップ頻度はオプションをクリックして、バックアップ頻度のプルダウンから選択します。
※自分はそもそも、ローカルにファイルを殆ど置かないようにしているので、TimeMachine自体使っていません。NASに殆どを置いてあるのと、自動バックアップやNASのミラーリングはSync!Sync!Syncを使ってるので、OSのイメージバックアップの場合のみ使っているので、あまり今回のアプデで恩恵を感じません。
正直この手のOS標準機能の痒い所に手の届かなさって、Windowsもそうなんですが、標準じゃないアプリのほうが好まれるのはこういう所なんだと思います。
図:2ターン必要になった
Safariで被写体をコピー
iOS16では装備済みの画像の被写体をコピー機能。背景を削除して対象の人物や物体だけをきれいに切り抜く機能がSafariに搭載されています。この機能は他にもプレビューアプリやメール、メッセージアプリにも搭載されているようで、そちらはツール⇒背景を削除で実行する事で実現可能です。
実際にコピーをしてみて、プレビューにてクリップボードから新規作成にて貼り付けてみましたが、かなりキレイに切り抜くことが出来ました。これは結構個人的には好みの機能。これまではGIMPを使ってファジー選択機能を使って切り抜いていましたが、結構荒いので。しかし、この機能でも手修正が必要なケースはあるので、そのまま流用ということはないと思います。
愛車を切り抜いてみましたが、下のほうに妙なギザギザがありますが、境界線がきっぱりしてるようなアスファルトの道路の場合ならばかなりキレイに切り抜きができるのではないかと思います。また、写真の真ん中に被写体を置いたものを切り抜くようなので、手動で被写体対象を選ぶといったことは出来ないようです。
※またファイルを右クリック⇒クイックアクション⇒背景を削除でも実行可能(設定のプライバシーとセキュリティ⇒機能拡張⇒Finderに登録されています)
図:対象物の真ん中でメニューで選択する
図:切り抜いてみた事例
図:切り抜くには被写体を真ん中に
フリーボード
Ventura 13.1のアップデート後に追加された機能であるホワイトボード機能がこのフリーボード。図形や文字・写真などを自由に貼り付けて、他のmacOSやiOSデバイスと共有することが可能。しかし、共有はiCloud経由だけとなるため、正直ビジネスでの使い所があるかといったら、Microsoft365のWhiteboardのようなウェブサービスから比較すると、あまりにも貧弱。
ビジネス分野で使うにはちょっと無いかな。かといって個人レベルでホワイトボードで共有なんて利用するシーンがほぼ無い。
図:ホワイトボード機能だけれども
図:M365のウェブサービスWhiteboard
その他のアップデート
プレビューでフォーム入力
プレビューアプリに新機能として、PDFフォーム入力が追加。PDFを開いてから、右上のフォームの入力ツールバーアイコンをクリックし、ツールバーのテキストを選択し範囲を指定すると、テキスト入力欄が出てくる。
ただし正直言って、専用のツールからしたらえらく使い難い上に、墨消し機能なども付いてるのですが、自分は多分使わない。LibreOfficeでこのあたりは既に実現済みなのと、WindowsでFoxit Phantom PDFやJUST PDFを使ってるので・・・
図:機能としてはかなり微妙です
時計とお天気アプリの追加
小さな更新として、純正時計アプリとお天気アプリが追加。時計はともかくとして、お天気アプリは正直使うかな・・・というのも、そもそもこの手の情報は、ほぼほぼもはやスマートフォンで見るのが常識になってきてるのと、そちらのほうが自分にあったアプリがたくさんリリースされている点、さらに現在はmacOSでもiOSアプリが導入できるので、公式アプリが出た所で、利便性アップということにはならない。
自分の場合は、Android/iOSでもリリースされてるAccu Weatherアプリを使っているので、使うことはないでしょう(理由は天気の精度。Accu Weatherの短時間に於けるお天気予報精度は非常に高く、予報の難しい霰や雹といった予報を当てた時には感動した)
もう、PCであれこれやる時代じゃないので、スマフォに渡した役割をmacで実現されても、使う機会無いだろうな。
図:手前が公式アプリ、奥がAccu Weather
バックグラウンドサウンド
iOSではすでに装備済みの機能をmacOSにも搭載してみましたという機能。バックグラウンドで環境音を流して・・・というのですが、7種類の音から選択というのですが、これいる?という謎のアップデートです。この手のものってOSに標準搭載する必要全く無いのではないかと。それこそ、自宅ならばFire TV StickでYoutubeの環境音垂れ流しのほうがよっぽど好きな曲を流せますし、スマフォで音楽聴きながら作業でも良いわけですし。半端な機能です。
個人的にはYoutubeの焚き火の環境音をFire TV Stickでよく流していますので、この機能ははっきり言って要らないです。仕事してる時には、スマフォのTunein RadioでSoma FMなどもう大昔から皆が確立仕切ってる分野ですので無用。
図:半端な機能はダサさを増やすだけ
FaceTime通話の引き継ぎ
FaceTimeのhands off機能が強化されて、iOSデバイスでのFacetime通話をmac側で引き継ぐことができるようになりました。Facetimeを使ってる&使ってる友人が多いという場合には有効かもしれませんが
これ使ってる人いるのかな?そもそも、iPhoneでもFacetimeで通話してる人って殆ど知らない・・・(殆どの人が今はLINEを使ってのやり取りになってしまってるので)。
iCloudの写真家族共有
iCloud上の写真と動画を最大5人まで家族で共有することができるようになった。個々のライブラリに表示されるようになると・・自分はAmazon PhotoおよびGoogle Photosを使ってるので、まず使うことはないし、共有に制限なんてものも無いので、この機能は本当に狭いユーザしか使い勝手の面からも無いのではないかと。
Appleってこの手のクラウド系のサービスって非常に弱い印象。
Spotlight機能強化
Spotlight検索機能が強化されて、大きく2つ
- Spotlight検索結果からQuick Lookでチラ見ができる
- タイマーを開始機能
- オブジェクト検索(画像内のオブジェクトを検出して、キーワード検索できる)
いずれも、設定アプリのSiriとSpotlightから検索結果で色々オンにしておかないと使えません。Quick LookではSafariのブックマークと履歴に於いて、選択したあとスペースキーを押すことでQuick Lookになりますが、Safariでだけ可能な機能です。
自分の場合ローカル検索をほぼ使わない(ローカルにファイルを置いておかない)ので、Spotlight自体ほぼ使う機会が無いのと、チラ見に価値を見出していないので、今回のこの機能はそこまで便利とは思えない。Windows11でもWindows Searchを完全オフにしてるくらいでインデックス作成でパワー使われるのが嫌なので・・・
タイマーを開始と入れて検索するとタイマー機能が表示されます。
図:使うシーンが思いつかない・・・
画像内テキストのコピー
写真をプレビューで表示して、範囲指定後に「ツール」⇒テキスト選択を選び、画像内にあるテキストエリアを範囲指定すると、内部のテキストを認識してコピーすることができるようになっています。Safariでも直接画像のテキストと思われる部分にカーソルを持っていくと、テキスト選択のカーソルに変更されて、選ぶことができるようになっています。
これは地味に便利かもしれません。
参考にしたサイトはこちら。元画像のテキストは当たり前ですがこれも画像です。しかし、文字を範囲選択して切り出せます。ちなみにこの機能、Youtubeの動画をストップした場合、その動画内にテキストがあると切り抜くことも可能です。
Yotubeで切り抜く場合、
- 動画を停止させて、カーソルを上に移動させてちょっと待つ。
- するとテキスト選択状態になり、範囲指定する
- 右クリックだとYoutubeの右クリックメニューが出てしまうし、もう一回右クリックしても範囲が変わってしまうのでこれは行わない
- 範囲していしたら、ツールバーのメニューから編集⇒コピーをすると切り抜ける
Safari以外でも使えたら良いのにとは思います。
図:普通に意識なくコピーできる
図:Youtubeの動画から切り抜き
SafariでAVIF画像をサポート
そもそも、JPEG, PNG, BMP, GIF, WebPの他にまだ画像形式あるの?というと、世の中にはドマイナーな画像形式というのは山程あって、WebPもGoogleが生み出した大幅に画像のサイズを縮小しつつ、大きな画像を扱える新形式だったのがようやく今は広まってきた感じです。AVIF形式というものも、WebPよりも軽量という触れ込みで、登場してる次世代画像形式です。
もともとは、HEIFという有料ライセンスフォーマットが嫌われて(かつてのユニシスのGIFパテント問題を彷彿とする)、動画で先行していたAV1コーデックを静止画にも応用したのがAVIF形式です。
この画像形式をSafariがVenturaからサポートされました。サンプル画像はこちらにあります。Chromeでは既にサポートされています。試しにここにもアップしてみました。
図:上の画像が表示されていれば、AVIF対応
iOS16と同じ音声入力サポート
M1 MacではiOS16と同じ音声入力サポートが搭載されました。絵文字の入力(例:ハートマーク)や、文章を解析して句読点を入れるなどができるようになっています。試しに、CotEditorで編集⇒音声入力を開始をスタートさせて、入力をしてみました。
ICレコーダ等使わず、直接テキストエディタに会話しながらテキストの入力は非常にスムーズでなかなか正確。Intel Macの場合は一部使えない機能がM1では利用可能です。これは業務でも使える!!
また、同じ絵文字でもUnicode16の絵文字を入れたい場合は、例えば「雨」と喋ってわずかな間の次に「絵文字」と語ると入力可能です(☔)。
図:喋りながらキーボード使える利点
ユニバーサルコントロールでiPadをマウススクロール
すでに搭載済みのmacOSとiPadとの間で1つのキーボード・マウスを共有してコントロールする「ユニバーサルコントロール」機能に於いて、Venturaからは、画面スクロールをマウスで行えるようになったようです。
地味なアップデートですが、iPadをお持ちの方は試してみては。
PDFKitがテキスト認識サポート
前述にもあった画像や動画のテキストコピーのように、ビットマップなPDF等に於いてもテキスト処理といった機能をPDFKitがサポートしました。macOSが持っているこのライブラリは、他のアプリケーションからPDFの読み書きなどを行う為のもので、ライブラリに対してもVenturaでサポートされた数々の機能が盛り込まれてるようです。
AirPods ファームアップデート
Montereyでも出来たと勘違いしていたのですが、VenturaからAirPodsのFirmwareアップデートができるようになったようです(12.3から出来たような気がしていたのですが)。これまでは、iPhoneが無いとアップデート出来なかったものが、アップデートをmacOS側から行うことができるようです(配信はペアリング時に自動で行われるようで)。以下の手順はファームの確認方法
- ケーブルでmacOSとAirPodsをBluetoothで接続しておく
- Optionキーを押しながら、メニューの🍎をクリックして、システム情報を開く
- Bluetoothをクリックする
- AirPodsの項目が出てくるのでバージョンを確認する
2022年11月時点での最新の版は5B58になります。
廃止された機能
プレビューアプリでPS/EPS対応が廃止
これまでプレビューアプリでは、PostScriptのファイルであるpsやepsのファイルを開くことが可能でしたが、Venturaからはサポート除外されてしまいました。これは地味に影響範囲が大きのではないかと。プレビューアプリで廃止されただけで、プリンターキューにドラッグして印刷すること自体は可能なので、
- 設定アプリを起動
- 左サイドバーの一番下にあるプリンタとスキャナを開く
- 表示されたプリンタを開く
- プリンターキューボタンをクリック
- ドラックアンドドロップでファイルを投げ込むと印刷可能
psやepsファイルをプレビューする代替アプリとしては、GIMPが対応しているので、インストールしておくと良いでしょう。
ダイヤルアップ接続の廃止
外部接続のモデムを使っての古の技術であるダイヤルアップ接続ですが、Montereyまでは対応していました。しかし、Venturaからはついに削除されてしまったようです。そもそも、ダイヤルアップ接続サービス自体が消滅してきてるので、もはや不要というか利用そのものができなくなって来てるので、削除されてしまっても致し方なし。
1つの時代の終わりと言えるかもしれません。さよならテレホマン・・・
ネットワーク環境設定が削除される
個人ユーザの場合殆ど使われていなかったであろうシステム環境設定の中のネットワークに於ける、上部にあった「ネットワーク環境設定」という項目が削除されました。これ、何に使うための機能だったのかというと、WiFiや有線などに於いて設定してあるDNSやプロキシの設定等を複数持つ為のもので、利用するネットワーク環境に応じてそれらを切替する為のもの。
例えば個人の設定と会社の設定の2つを持たせて、BYOD的な運用であったり、自宅WiFiとホテルWiFiとで使い分けといったような事を想定して用意されていたものでした。
コマンドラインからこれを使うscselectコマンドはまだ生きてるので、コマンドラインを利用する事で現状使えている状態です。
確かに多くの一般ユーザは使っていなかったと言えるし、意識して切り替えるビジネスユーザって殆どいないというか、そもそも昨今のセキュリティ意識向上によって、BYOD的運用って許されなくなってきてるので、持ち込みで切替とかそもそもアウトでしょ?っていう社会情勢からすると、さもありなんとは思う次第。
※また、詳細な個別のネットワークロケーションを作成や切替等を行う「networksetupコマンド」も使えるので、以下のような感じで切替が可能です。Redditでもこの話題が挙げられています。
1 2 3 4 5 |
//ネットワークロケーションのリストを出力 networksetup -listlocations //ネットワークロケーションを変更 networksetup -switchtolocation 設定名 |
自動接続するネットワーク優先度設定が削除される
上記のネットワーク環境設定の削除に伴い、複数あるWiFi等のネットワーク接続の優先度設定も削除されています。削除されて優先度設定どうすんの?ということですが、iOS同様に接続頻度やセキュリティレベルに応じて自動判定で接続するようになるとのこと。
自宅で使う分には通常、2個も3個もWiFi設定が存在するということはないだろうし、セキュリティレベルも今ではWEPといったような古い環境はとっくに淘汰されているだろうし、とうことで、この件で不具合に合うということはないと思いますが、テザリング等を頻繁に併用してる人は警戒しておいたほうが良いかもしれません。
ネットワークを手動で切り替えることはこれまで通り出来、その内容が優先度に評価される仕組みになったようです。
起動関係のスケジュール機能
前述のscselectコマンドのように、これまでMontereyの省エネルギー項目に存在していたmacOSの起動・終了・スリープ・再起動をスケジュール指定で行うGUI機能が廃止されました。GUIで行えなくなっただけで、pmsetコマンドはまだ生きているので、コマンドラインを利用する事で現状使えている状態です。
Automatorなどを使って制御は可能だと思いますが、どれくらいの人がこのスケジューラ機能を使っていたのでしょうか?
公式ドキュメントにて、ターミナルからpmsetコマンドでスケジュール設定する事になるので、使っていた人はシェルスクリプトやAutomator等で構築する必要性があります。Automatorで構築する場合、指定時刻にシャットダウンであれば
- Automatorを起動する
- アプリケーションを選択する
- 検索から、シェルスクリプトの実行を検索
- catを消して、例えば「sudo pmset schedule shutdown "11/30/22 20:00:00"」を入力する
- メニューから保存するとアプリ化される
- これをドックに登録したり、そこからログイン時に開くやログイン項目でセットする
これで、自動シャットダウンの時刻が予約されるようになります。
図:Automatorでシェルスクリプトを実行ファイルにする
図:ログイン時に実行に登録
図:消えたのはこの項目
Pythonが同梱されなくなった
Montereyでphpが同梱されなくなったのに引き続き、VenturaではPython2.7が同梱されなくなったようです。結果としてこのランタイムに依存していた、様々なアプリが起動しなくなっている模様。自分も後述のCrossOver Macで同様のトラブルに遭遇しています。
Python3の利用には前述のxcodeのインストールにて使えるようになります。
主に影響を受けているアプリは、Alfredのスクリプト、VMwareのスクリプト、またファイナルファンタジーXIV Mac版がインストーラが起動しない等の障害が報告されています。FF14については公式から対応中のメッセージが出ています。
動作検証
macOS Montereyで使っていたアプリで、そのままVenturaにアプデをした後、アプリの動作をいくつか検証しました。
仮想環境
Parallels Desktop 17およびUTM 4.0.1をテストしてみました。前者の場合通常は最新のParallels18を使う必要性があり、いくつかの不具合が報告されてはいますが、普通に利用することは可能です。
UTMは今の所問題なく動作しています。また、最新のHypervisor Frameworkに対応してるので、VM上のLinuxにてRosetta2経由でx86のコードを実行できるようになってる検証も行われ公開されています。
図:Parallels17上のWindows11も問題なし
図:UTM上のWindowsXPも順調に動作
Premiere Element 2023
Adobe製品については、現在Ventura互換性についての情報が提供されており、一部で不具合が出ている模様。ただし、Premiere Element 2023を使っていますがこちらは問題なく動作しています。
Twitterでもポツポツ不具合報告が出ていますので、これらを使ってる方々は安易にアップデートをしないことをオススメします。
図:Elementはバッチリ動作してくれた
DiscordとTeams
Twitter上でDiscordがVenturaが動かないといった情報があったので検証してみましたが、特に大きな不具合らしきものは見つからず。ただし、アプデによって、なぜかLanguageが日本語からデフォルトの英語表記に戻るといったような現象はあるようです。これは直せば問題なし。
システム環境設定にて、入力監視に於いてDiscordに対して有効化は必要
Teamsについては一部で背景変更機能がおかしいという人がいましたが、当方で確認してみたところ特に問題なく動作しています。ただし前述のiPhoneをWebcamの設定がなされていたりして、これが原因でオカシイという指摘がありましたが、デバイスから変更しておけばよいでしょう。
図:大きな不具合はなく動く
Excel for Mac 2021
Excel 2021を起動して一通りテスト。特に問題なし。Microsoft公式でも、Venturaサポートは2022年10月24日になされており心配なく利用可能だと思われます。
図:Excelも特に問題なく動作しています
Voidol
無償配布版を使ってみましたが、起動した直後からものすごいノイズ音で即時ミュート。ミュートを外すと今度は喋っても、アウトプットからは音がでないという様子。もともと、Intel macにしか対応していない製品であるので、動作保証も何もないのですが、M1 MacでのVenturaではうまく動作しませんでした。
そこで、Bluetoothイヤホンをペアリングして出力先をそちらに、マイクはMacbook Airにしたところ、一部は正常に動作しました。一部の声キャラにするとブツブツ切れたり、アプリ自体が落ちたり。ちょっと不安定だなと思う次第。
図:うまくサウンドデバイスから音がでない
CrossOver Mac 21
WineをmacOSで動作させる自分もよく使ってるアプリですが、起動しなくなりました。Pythonのエラーが出たことから、今回VenturaからPython2.7が同梱されなくなったことが要因のようです。xcodeでpython3はインストール済みです。
Redditに解消法が記載されています。
- CrossOverのアプリを右クリック⇒パッケージの内容を表示
- Content⇒Resourcesを開く
- libcxsetupbase.pyを見つけて、テキストエディタで開く
- 6行目のコードを以下のように変更して保存する
12345//変更前from Foundation import *//変更後from Foundation import NSObject - 再度開くと無事に起動するようになる。
ただ、実際に動かしてみたものの、まだはっきりしていないのですが、動かせるアプリが妙に減ってる気がする。古いアプリのインストーラでエラーが多く、起動しないものも多い。Wine自体になんらかの問題が生じているかもしれない。
公式ではCrossOver Mac 22でVenturaをサポートしてるようなので、アップデートしたほうが良いかと思います。
※AviUtil + L-SMASH WorksでMP4ファイル読み込みはしっかり動作しました。
※カイロソフトのザ・古本屋弐もVB4.0ランタイムを別途インストールしたらきちんと動作しました。
図:動くけれども・・・
図:AviUtilは動いた
図:VB4.0のザ・古本屋弐も動かせた
図:Pythonのエラーが出て終了
Android連携
Androidスマフォとケーブルで接続して、MTP接続にてmacOSからデータの送受信を送る手段はいくつかありますが、3種類試してみました。もっとも基本的なOpenMTPおよびAndroid File Transferいずれも全く問題なく動作。
無線でやり取りが可能な、AirMoreを使って接続してみましたが、こちらも問題なく通信出来ました。
図:有線ファイル送受信はOK
図:無線ファイル送受信もOK
解像度の詳細な変更をする
macOSの解像度変更はVenturaでは基本的には4つしかなく、解像度を下げてDPIを上げるといったようなケースの場合、なかなか思ったような結果にならない。そんな解像度をかなり細かく自在に変更できるようにするツールとして、BetterDisplayがあります。このツールをインストールすることで、標準では出来ないような解像度変更をVenturaでも行うことが可能です。
メニューバーに常駐しますので、そこで選ぶだけ。HiDPIの設定にしてみたり、輝度の変更なども可能。ドネーションウェアとなっています。支払うことで更に標準では出来ないような細かなモニタ設定が可能となり、モニタの実力を引き出してくれるでしょう。
図:メニューから選択するだけ。
OBSで内部音声をキャプチャーする
これまでも配信用アプリであるOBSにて、Youtubeへの動画配信は可能でしたが、ゲーム実況等に於けるmac内部の音声をキャプチャする為には、BlackholeやBackground Musicといったツールを使って迂回させなければ音声が取得出来ませんでした(昔あったSoundFlowerと同じようなアプリケーション)
しかし、OBS 28以降のバージョンでは、Montereyから装備されたAppleのScreenCaptureKitライブラリに対応し、これらの音声迂回のツールを使わずともダイレクトに音声を取得できるようになりました。こちらにアナウンスがあります。キャプチャの方法ですが
- OBSを起動する
- ソースの追加に於いて、macOSスクリーンキャプチャを選択
- 例えばChromeの特定のウィンドウなら方式を「ウィンドウキャプチャ」にし、ウィンドウにて「対象のChromeウィンドウ」を選択する
- OKをクリックして撮影開始する
単一ウィンドウでの録音、デスクトップすべての録音に対応しており、細かく指定できるのと、デスクトップキャプチャの縦横のサイズを0にすれば音声のみの取得も可能になっています。
図:簡単にキャプチャできるようになった
図:ちゃんと認識してる様子
その他のアプリ
その他小粒ないくつかのアプリも検証
- ShiftIt - 問題なく動作。Twitterで動作しないという方がいましたが、基本再インストールで治ります。
- Inkscape - 問題なく動作。
- Kodi - フルスクリーンだと一度画面移動しないとマウス操作が出来ない不具合アリ
- LibreOffice - こちらも特に目立つような不具合は無し(ARM版で確認)
- sync!sync!sync! LE - 実際にNASを差分バックアップ実行してみましたが、きっちり完了しました。
- Background Music - ヘルパーを必要とするもので、再インストールが必要。BGMXPCHelperがエラーを出すため。
- stuffit expander - 問題なく動作。LZHも解凍可能
- Visual Studio Code - 問題なく動作。拡張機能も機能している。
- HandBrake - 問題なく動作
トラブルシューティング
アクセス権限がリセットされる
この問題以前からあり、またWindowsでもよく報告されてる件なのですが、Montereyで正常に動作していたものが、動かなくなったり、フルディスクアクセスを繰り返し要求される件(NortonやESETなどのセキュリティソフトで発生中)が報告されています。これ、アップデートに伴って以前はきちんと許可がされていた権限がなぜかリセットされて、オフになっているがために発生する
自分もSkitchというアプリでスクショを取っているのですが、アプデ後はなぜか取得できず、画面収録の権限で再度オンにしたらきちんと取れるようになりました。変更方法は以下の通り
- 設定アプリを開く
- 左サイドバーからプライバシーとセキュリティを開く
- フルディスクアクセスや画面収録など問題の発生してる項目を選択
- 対象アプリのトグルをオンにする
図:トグルをオンにし直す必要性がある
特定のアプリがエラーで起動しなくなる
前述のアクセス権限が引き継がれないでリセットされるだけでなく、問題として報告されているのが特定のアプリで起動しない、エラーで落ちるなどの現象。この問題は2つ抱えていて
- パスを通していたハズが通らなくなってる(zshやgitといったコマンドで発生中)
- Google日本語入力が動かない
前述のパスの設定の問題は以前から報告されていて、今回も発生してるといった感じ。いずれのケースに於いてもアプリならば一旦アンインストールして、再インストールし直す事で治ります。zshやgitといったコマンド系であれば、brewやxcodeをインストールし直す事で治ります。Google日本語入力は、開発版を使えば解決するという報告もあります。
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//xcode再インストール xcode-select --install |
コマンドラインツールも最新のもの(Command Line Tools for Xcode 14.1 Release Candidate 2)にアップデートしておきましょう。brew updateでエラーが出るケースはこれが該当します。
※自分の場合、特に問題が出ていないのでケースによるようです。
SSHでアクセス拒否
macOSにてアプデ後にSSHを利用しようとするとPermission Deniedと出てSSHログインできないケースが発生しています。これは、macOS Ventura標準のOpenSSHが9.0が同梱されており、このバージョンより変更が行われている為、こちらのエントリーの解決策によると、より安全なハッシュアルゴリズムによるキーを再生成することで動作するようになるとのこと。
Redditでも同様の質問が出ているので、開発者の人はハマりがちかもしれません。
1 |
ssh-keygen -t ed25519 -C "comment" |
QuickTime Playerで再生できない
iMovieで書き出した動画をQuickTime Playerで再生しようとしたら「検証中・・・」のまま動作せず、再生が出来ないという事例が確認されています。OS標準で装備されてるアプリなので、他のサードパーティのアプリと違って、起動時に何か問われるという事は本来無いはずなのですが・・・
メッセージ的には「このアプリケーションにマルウェアが含まれていないことを検証できません。」であったり、「xxxx.mp4は開発元が未確認のため開けません。」であったり。
解決手法ですが、
- 対象のmp4ファイルを右クリックして、情報をクリック
- このアプリケーションで開くにて、一度別の再生アプリ(VLC等)に変更して、全てを変更をクリック
- 再生できたら、もう一度同じ作業でQuickTimeに変更してあげる
いちおう情報ウィンドウの下にあるアクセス権限も確認しておきましょう。自分自身がアクセス不可とかになっていたりしないか。
図:ややこしい事例のようです
アプリが壊れてると言われるケース
Montereyからアップデートをした結果、Venturaに未対応のアプリの一部に於いて、「アプリは壊れているため開けません。ゴミ箱に入れる必要があります。」と出てしまい、ゴミ箱に捨ててからもう一度出して実行するとやはり同じエラー表示が出るというループに嵌るケースが出ているようです。
ゴミ箱に捨てないと通知が止まらないので、捨てざるを得ない。
この場合の対処法は以下の通り
- 対象のアプリをControlキーを押しながら右クリック(もしくは2本指タップで)メニューを出す
- 開くをクリック
- 次回以降はきちんと起動するようになる
図:CrossOverがこれになってしまった
Google日本語入力が壊れてる
前述のアプリが壊れてる関連で、Google日本語入力が壊れていて動かないという報告も結構多くあります。こちらの解決方法なのですが、アンインストールしてインストールするにあたっては以下の手順で実施する事で修復する事が可能です。
- アクティビティモニタを起動して、GoogleJapaneseInput.appを探して、強制停止
- 「MacintoshHD/ライブラリ/InputMethods」に存在する「GoogleJapaneseInput.app」を削除
- 再インストールする
- 途中システム環境設定で許可を求めてくるので許可する(システム環境設定⇒キーボード⇒テキスト入力に登録がされる)
- 再起動する
ただし1.の後、数秒でGoogle日本語入力が自動的に起動してしまうので、すぐにゴミ箱に突っ込む必要があります。実際にやってみましたが、特に問題なく開発版でもないものでも今動作しています。
図:googlejapaneseinputを止める
図:インストール最後の許可画面
図:システム環境設定に登録される
外部ディスプレイの解像度がオカシクなる
USB Type-CにHDMI出力のケーブルをつなげて、外部ディスプレイを繋げて、デュアルディスプレイ表示にした場合に、外部ディスプレイ側の解像度がオカシクなりぼやけるという症状が発生するケースがあります。
自分はBenQとASUSのディスプレイを使っていますが今の所このような問題にぶつかっていませんが、LGでは発生が確認されてる模様。
解決策は以下の手順
- ディスプレイは、拡張ディスプレイではなく内蔵ディスプレイをミラーリングにする
- 解像度がモニタに合わしてくれるようになるので、ミラーリングを停止をしここで再度ミラーリングを解除する
図:自分の方はこういう症状出ていない
外部ディスプレイが認識されない
そもそも、HDMIケーブルを繋げても、外部ディスプレイが認識されないという問題も報告されてるようです。Macbook Pro 13inch 2017で発生してるようで、Apple Thunderbold Displayが認識されないというお話。Apple Studio Displayの場合は表示がオカシクなる症状がでてる。という点から、Appleのディスプレイ製品特有の現象なのではないかと。
また他にも、スリープから復帰後にウィンドウの位置がずれて表示される、1枚めに表示していたアプリがなぜか2枚めのほうに飛んで表示されるなど、Windows11でも同様の事例があったので、やっかいなOSのバグなのではないかと思われます。自分はこのようなトラブルには合っていませんので検証しようがないのですが、この問題の回避法は現在もありません。
Chromeが起動時に毎回自動起動する
Ventura起動時にインストールしたChromeが何故か毎回自動起動する症状が報告されています。MontereyからVenturaへアップデートした場合には出ない症状のようですが、クリーンインストールすると発生することがあるようです。
同期を有効にするという項目もオンになってしまっていて、ログイン項目から除外しても何故か復活してきてしまうようです。
対症療法としてはログインをして同期について無効化しておくことで、ログイン時に開くに登録されなくなるようなので、同様の症状が出た人はシステム設定アプリを開いて、ログイン項目にないか?調べてみましょう。
exFATの実装に変更が発生
Venturaから、ファイルフォーマットのmsdosおよびexFATの実装に変更が生じており、外付けHDD等に於いて、exFATでフォーマットされてるディスクの場合いくつかの不具合が発生する可能性があります。redditやtwitterの報告事例によると
- 外付けHDDに動画ファイルを書き出したら、データが見つからないことがある
- LightroomのカタログをexFATのディスクに書き出しが出来ない
- macOS側でフォーマットしてると、Windows側で修復を促される
- ディスクのボリュームラベルがおかしな表記になる
- exFATのドライブのマウントにやたら時間が掛かる
- 写真のライブラリを外部HDD(exFAT)に置いてたら、Venturaで写真.appで読み込めなくなった(容量計算でもずっと計算中のままグルグルの状態が続く)
- 名称未設定やボリュームといった名前のディスク名にしてexFATでフォーマットしようとすると失敗する(未だに2バイト文字の不具合があるようで)。アルファベットではこの不具合がない。
などなど。exFATを常用してる方はなかなか鬼門かもしれません。ただし写真については、もともとexFATはサポートしていないので、本体のストレージを少なめでミニマム運用してる人は要注意です。
※2023/3/27リリースのVentura 13.3で改善してる模様。ただ依然としてM1 MacでexFATは安心して使えるか?といったら疑問。
スリープ中のバッテリードレイン問題
macをスリープさせているにも関わらず、復帰するとバッテリーが相当消耗してるといったことが、Reddit等で報告されています。この問題点は2つの要因があるようで
- 外部ディスプレイを接続したままだと、本体がスリープでも1晩で20〜40%もバッテリーが消耗する
- 何らかのアプリがスリープに入ることを阻害してる
前者は外部ディスプレイをオフにすることで回避可能です。後者は以下の手順で非スリープの項目を見つけることです
- アクティビティモニタを開く
- メニューバーから表示⇒表示項目⇒非スリープをクリックしてオンにする
- windowserverを除いて、非スリープで「はい」になってる項目を見つける
図:何かおかしなアプリが常駐してるのが原因
Bluetoothデバイスでスリープが解除されてしまう
macOS BigSurまでは存在していた「Bluetoothでコンピュータのスリープを解除する」という機能がMontereyで削除されてから、この機能が強制的にオンとなってしまった為、Venturaに於いても継続してこの状態が続いています。(英語ではWake on Bluetoothと呼ばれています)
この問題を解決する手段としてFluToothというアプリを入れて代替させることが可能です。閉じるとスリープに入りBluetoothをオフにし、開くとスリープ解除とともにBluetoothをオンにするというシンプルなものです。無償でも使えますが、ドネーションウェアとなっています。右上の€欄に金額を入れて、これが欲しいですボタンを押す。メアドを入れると送られてくる仕組みです。
コマンドラインではこちらのサイトで提示されてる内容をターミナルで実行することでオフにすることが可能です。
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/usr/bin/defaults write /Users/`whoami`/Library/Preferences/ByHost/com.apple.Bluetooth.`/usr/sbin/system_profiler SPHardwareDataType | /usr/bin/grep "Hardware UUID" | /usr/bin/cut -c22-57`.plist RemoteWakeEnabled 0 |
最後の0で無効化、1で有効化となります。また、こちらのサイトではhomebrewのsleepwatcherというアプリを利用してのBluetoothのオンオフの自動化でこの問題を解決しています。
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brew install sleepwatcher blueutil echo "$(which blueutil) -p 0" > ~/.sleep echo "$(which blueutil) -p 1" > ~/.wakeup chmod 755 ~/.sleep ~/.wakeup brew services restart sleepwatcher |
ただしBluetoothをオフにするのでMacを探す機能が影響を受ける事になります。
※実はこのbluetoothデバイスでスリープ解除もバッテリードレインの大きな原因の1つになっています。ので、使っていない場合は手動でオフにしておくのが望ましいでしょう。
図:ターミナルでオフにしてみた
DisplayLinkを使ったマルチモニタ出力が出来ない
M1 Macは基本外部ディスプレイはThunderboltからの1個のみで、2つ以上のマルチモニタ出力が出来ません。例外がDisplayLinkを使った手法で、こちらは2枚以上の外部モニタ出力が可能です。よって、DisplayLink対応のドックを足せばオッケーでした。
しかし未検証の情報ですが、このDisplayLinkを使った二枚以上の外部モニタ出力がVenturaにしてしまうと出来なくなるという情報が。
この問題に対する解決法は現時点ではありませんので、マルチモニタで運用してる人はVenturaは対応するまでアップデートしないほうが良いでしょう。今回から搭載されたUSBポートの接続許可に関するバグではないかと言われています(実際にThunderboltからHDMI出力時もダイアログが出ますが、2枚目は出てこないようで)。β版の頃から治っていないようです。
外付けUSBデバイスの転送速度が遅い
いくつかの掲示板にて、USB2.0の外付けHDDのデータ転送速度が、Montereyの頃よりも劇的に遅くなってるという報告が上がっています。USB3.0では問題無いようなのですが、その詳細は不明。こちらの掲示板でも同様の報告が上がっています。NVMeストレージに於いて44%もの低下するという報告となっています。
前述のexFATの問題と関連しているのではないか?と自分は思うのですが。もしくはアップデート直後のSpotlightがインデックスを作成中が故に遅くなっているケースなど。一概にVenturaになったから遅くなったと言えるにはちょっと材料が足らないですが、日本の掲示板でも同様の報告が上がってる事から、なにがしかの不具合があるのではないかと。
いかんせんVentura自身のバグや未対応アプリの問題など色々存在するので、検証するにはもう少し材料が欲しいところ。
保存したファイルが見えない
ちびちびと報告が上がっていて実際に自分も経験したのが「デスクトップにファイルを保存したハズなのに、ファイルが見えない」という現象。別にもう一度同一ファイル名で保存しようとすると上書き確認が出てくることから、たしかにそこにファイルがいるらしいのだが、見えない。不可視ファイルになってるわけじゃなさそう。
再起動すると出てきたりするというこの謎現象。Windowsでも時々更新しないと出てこないといったような現象は大昔からあるけれど、Venturaでも発生してる。
但し再現しようと思ってやってみても、中々再現しない。何がトリガーでそうなってるのかが不明。
Wi-Fi速度が異常に遅くなる問題
Venturaにしてから妙にWi-Fiが遅い。というこの問題にぶつかった場合には、以下の設定を変更することで一時的に解消するようです。13.1以降で解消するという話ですが・・・他にもChromeでDNSエラーやチャットが固まるなど様々な症状を引き起こしてるようです。この問題は、M1/M2のmacOSにて発生するようです。
問題の根源は、Apple Wireless Direct Linkと呼ばれる機能。AirDrop等で周辺に多数の端末があると引き起こされるのが要因のようです。
- Bluetoothをオンにする
- Finderを開き、メニューから「移動」→「AirDrop」を開く
- このMacを検出可能な相手をクリックして、「なし」にする
- 設定から、AirDropを検索し、「なし」にしておくと良いでしょう。
公式ページでのこの問題点に関する文書はこちらから。また、この機能を停止する為のスクリプトも公開されており、ターミナルから以下のコマンドを実行することで修正が可能です。
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//実行 bash <(curl -sL https://www.meter.com/awdl.sh) //起動時に自動的に起動 curl -sL https://www.meter.com/awdl-daemon.sh | bash //機能を復活させて元に戻す curl -s https://raw.githubusercontent.com/meterup/awdl_wifi_scripts/main/cleanup-and-renenable-awdl.sh | bash &> /dev/null |
Anybody else got WiFi issues ever since upgrading an M1 MacBook to macOS Ventura? It starts by my Mac randomly dropping packets & things slow down.
Then I disable/enable WiFi at which there seems to be a 50/50 chance of my Mac freezing, and I need to kill it. pic.twitter.com/k7FQzOsgTN— Felix Krause (@KrauseFx) November 28, 2022
図:AirDropが犯人だったようです
図:設定からも機能を止めることは可能
外部モニタにもメニューバーを表示させる
現在のコントロールパネルになってから、外部のモニタに対して拡張モニタとして表示してる場合、デフォルトでは外部モニタ側の上部に「メニューバーが表示されない」設定になっています。自分の場合表示させたい派なので、以下の設定変更を行います。
- システム設定を開く
- デスクトップとDockを開く
- 一番下のMission Controlの中にある「ディスプレイ毎に個別の操作スペース」のチェックをオンにする
- 再起動もしくは一旦ログアウトして入り直す
これで、外部ディスプレイにもメニューバーが表示されるようになります。ミラーリングの場合はこの作業は必要ありません。
図:ここのチェックをオンにする必要がある
Microsoft Mouseのペアリング時の問題
他のマシンで使っていたMicrosoftのBluetooth マウスをペアリングしてみた所、以下の問題が発生しました。
- 接続をクリックしても、いつまで経ってもLoadingの状態で、ペアリングされない
- ペアリングされたと思ったら、キーボード認識の画面が何故か出てくる
前者の場合は、一度Bluetoothをオフにして、再度ペアリングの接続作業を行うと、2回目は認識されて接続可能です。後者の場合、設定しないと使えるようにならないと称して「キーボードの設定ウィザード」が何故か出てきますが、キャンセルすればOK。別に設定せずともマウスは使えます。このようにBluetooth関係ではちょっとオカシナ所が、Venturaには問題点として残っています。
※ちなみに、接続解除をクリックすると1秒後に勝手に再度ペアリングされて解除されない問題も出ています。接続解除ではなく右クリックでペアリング解除を実行しましょう。
図:マウスなのにこの画面が何故か出てくる
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