2025年アップデート Google Workspaceの新機能
2025年に入っても怒涛のアップデートが続いてるようで、後からまとめるのが大変になってしまうので、今年からは先行してちょっとまとまった段階でブログをリリースし、1年掛けて随時追記していくスタイルにしようかなと思います。
さっそく、Gemini BusinessとGoogle Workspace統合と言うお話が出てきたりしたので、仕事のスタイルが変わりそうな2025年です。
目次
ベース機能
Chromeウェブストアカスタマイズ
2025年1月29日、Google Workspaceユーザに於いてこれまではChrome Enterpriseで規制していたChromeウェブストアのカスタマイズがより強化された形になります。
今回のアップデートにより以下のことが実現出来るようになりました。公式ドキュメントはこちらになります。企業向けカスタマイズされたWebstoreに関するドキュメントはこちら。
- 自社カスタムロゴ画像を表示できるようになりました。
- 特定カテゴリの拡張機能を非表示にすることが出来るようになりました。
設定方法は以下の手順になります。
企業ロゴを試しにいじってみました。184x44ピクセルと小さい画像しかアップできないので注意。
図:設定箇所はこちら
図:企業ロゴをいじってみる
図:変更結果
Chromeを長期アプデしていないと同期されなくなる
2025年1月27日、Google Chromeの新しいポリシーとして「4年以上前のChromeを使ってる場合、Chrome同期が無効になる」という機能を発表しました。ブックマークやパスワード、拡張機能などChrome同期は非常に便利で他のデバイスであってもログインするだけで同期される為、今や必須の機能と言えます。
デフォルトでChromeは自動アップデートが有効化されているので通常は意識する必要性は無いのですが、組織でChrome Enterpriseを利用しChromeのアップデートについて制限を設けている場合、誤ってバージョンが古いままになってると遭遇しかねないので、Chrome Enterprise導入時にはきちんと機能しているかどうか?再確認しましょう。
開発者向け機能
Google Apps ScriptのOAuth認証が細分化
2025年1月8日、GASの初回起動時に出てくるOAuth認証について、これまでは全部の要求されてくるスコープに対して一括で許可をしてあげる必要性がありましたが、細かなスコープ単位でチェックを入れて部分同意で実行できるようになった模様です。
スプシ利用は許可してもフォームは許可しないといったことが出来るようになります。但し該当コード内でそれらが使われてる場合、許可しないといっても含まれていれば許可しないと実行完了できないので要注意。あくまで該当コード内で使われてないケースならば有効です。
この機能は全Google Workspaceユーザに展開済みで、今後はいつもどおりで良いのであれば、「すべてを選択」でチェックを入れてから承認をする事になります。
図:これからの承認要求ダイアログ
CardServiceのフォーム入力チェックが装備
Google WorkspaceのアドオンやGoogle Chatなどで利用する「入力フォーム欄」。これらはGoogle Apps ScriptなどでCardServiceを使って開発して利用することが出来ますが、2025年2月3日にこの入力欄に於いてValidation機能が装備されました。
Validation機能とは、入力欄がメアドなのにメアドの形式に従っていないか?のチェックであったり、空っぽかどうか?の判定をしたり、最大文字数を超えていないか?といったチェック機能で割と皆おなじみの機能だったりするのですが、これまでのCardServiceのフォームでは装備されていませんでした。
すでに全テナント全Google Workspaceユーザおよび個人のGoogleアカウントにもリリース済みです。こちらに作成方法に関してのドキュメントがあるのでアプリに組み込みたい場合には積極的にValidation機能は利用しましょう。
図:Validationの事例
個別機能
Gmail
機密方法漏洩防止機能が提供
これまでGoogle DriveにはDLP機能と呼ばれる機密情報漏えい防止のための機能が提供されてきました。そして、2025年2月18日、Gmailに対してもDLP機能が一般提供となりました(2024年10月3日にベータリリースされていました)。
メール送信時に機密情報に該当する内容をキャッチすると送信を阻止し編集画面に戻されるといったことが可能になります。このDLPのルールとメッセージを予め管理者がセットしておくことで、作動しますのでまずは公式ドキュメントを参照し、社内に対してDLPのルールを策定することから必要になりますので要注意。
これらの機能はエンタープライズ向けであるため、Google Workspace Enterprise Standard以上で利用することが可能です。
図:DLPに引っかかって編集画面に戻されてる様子
Google Drive
差分アップロード機能
これまでのGoogle DriveのPC版は、ある程度の塊のファイルを送った後に同一ファイルの異なる版を上書きした場合には、「フルアップロード」で同期を行っていました。よって、10MBあるファイルならば10MBまた同期に掛かっていたということです。
しかし、2025年1月10日からは、大きなファイルを編集してもフルアップロードではなく差分アップロードとなり同期スピードがアップする事になりました。この機能は全Google Workspaceユーザに適用されてるようです。既に展開完了済みのようです。
OneDriveからの移行ツールアプデ
2024年末にリリースされたMicrosoft365のOneDriveからGoogle Driveへの移行ツール。2025年2月4日にこのツールがアップデートされて、以下の事が実現できるようになりました。
- 日付の範囲指定で移行するファイル類をフィルタすることが可能
- 特定のファイル形式やファイルサイズのものを除外する設定
- IDマッピングをスルーして、自動的にソースとターゲットのユーザをマッピング(アクセス権限に関わる)
また今回よりβ版が取れて一般公開となっています。公式ドキュメントはこちら。以下のエントリーで詳しい使い方を解説しています。
共有ドライブの限定アクセス機能が公開
2024年9月16日にベータ版としてリリースされていた「共有ドライブ内に於いて特定のフォルダに対して限定アクセス権限を付けられる機能」が、2025年2月18日に一般公開されて、すべてのGoogle Workspaceおよび個人のGoogleアカウントで利用可能になったとのこと。
この内容についてはアイテムのみ、フォルダ単位の2つに対して設定が可能ではありますが、ファイルサーバのように細かなアクセス制御を個別に付ける運用をしてしまうと、無秩序になり組織で管理しきれなくなるので要注意の機能です。この機能については以下のエントリーで使い方を詳しく解説しています。
Googleスプレッドシート
日常操作が最大50%スピードアップ
Googleスプレッドシートは定期的にアルゴリズムの最適化が行われており、計算速度が向上したりしています。昨年も6月にもWasmGCを利用した高速化が図られております。2025年2月3日にはコピペやフィルター操作といった速度がこれまでよりも50%高速化される改善がリリースされました。既存データの読み込みに関しても30%速度が向上してるようです。
例えばガッツリLibreOfficeでコピーしたデータをGoogleスプレッドシートに貼り付けみたいなケースでも効果がありそうです。すでに全ユーザ全テナントリリース済みで、通常のGoogleアカウントでも利用できるようになっています。
データを人のスマートチップに変換
2025年2月6日、スプレッドシート上でメールアドレスのリストを範囲指定するとConvert to People chipsという提案が出てきて、実行するとユーザのスマートチップに変換するという機能が登場しました。
チップではメアドだけじゃなく姓、名の表示を行うことができ、挿入でスマートチップとして利用することが可能です。この機能はGoogle Workspaceおよび個人のGoogleアカウントでも利用が可能になっています。
ただ利用シーンとなると、リスト化しておいてスプシでプロジェクト管理してる場合に利用するであったりくらいかなぁと。その場合プルダウンでも十分事足りるのであえて、スマートチップを使うか?となると・・・・
図:変換している様子
Google Meet
ライブ字幕で過去30分の内容が残る
2025年2月18日、Meetのライブ字幕機能に於いて文字起こしされた内容についてこれまでは、パッパと消えていたのが過去30分の内容はチャット欄のようにスクロールして辿れる機能が装備されました。聞き逃してしまったり直前の内容がわからなくなってしまったりといった時にマウススクロールで戻れます。
また最新の状態に戻る時にはジャンプボタンを押せば一番最新までスクロールするので、戻るのも楽です。この機能は全Google Workspaceユーザと個人のGoogleアカウントで利用することが可能です。
図:過去の字幕はスクロールで辿れる
Googleカレンダー
Outlookなどのカレンダーとの同期機能
これまでは2024年リリース時にβ版としていたOutlookカレンダーなどのサードパーティカレンダーとGoogleカレンダーの内容の同期に関する機能が、2025年2月3日一般提供開始されました。
ベータリリース時のフィードバックとしてGoogleカレンダー側の更新時などでいちいち通知メールが来て鬱陶しいといったような内容について、Microsoft365側でPowerShellを使ってのメールフィルタ設定が可能になり受信トレイが通知メールで汚染されるのを防げるようになった模様。
管理者によるPowerShellを使った設定方法についてのドキュメントはこちら。この機能はGoogle Workspaceユーザすべてに順次展開される予定とのこと。
※一般ユーザ側はOutlook側で「noreply-calendar-sync@google.com」に対するフィルタリングルールをセットすることで同期時の通知メールを別のフォルダにフィルタすることが出来るので、管理者側でセットしない場合はこの方法を周知する必要があります。
共有カレンダーの共有者を知る機能
Googleカレンダーでは予備カレンダーとしてメインのカレンダー以外にも自分で予備カレンダーを追加することが可能です。これは自分のアカウント直のカレンダーとは別に持つことが可能で、プロジェクト単位やチーム単位などで共同で運用するカレンダーになります。通常外部メンバーを入れる場合には、予備カレンダーを一個追加してその中だけで運用するのが定石です。
このカレンダーに対してイベントを「予定の変更権限」を持つ誰かが作成したのちに、そのイベントを誰か別の人と共有してる場合、これまでは他のメンバーはカレンダー共有者を知ることが出来ませんでした。
これでは何者かしらない人との共有イベントが混在することになりちょっと不安です。そこで2025年2月4日、共有カレンダーに於いて「予定の変更権限」を持つ人は、共有カレンダーの設定と共有からカレンダーの共有者が見えるようになります。
予定の変更権限はデフォルトでは管理コンソールにて外部メンバーの場合、予定の変更権限を与えない設定となってるため、外部メンバーを追加し予定の変更権限を与えたい場合には設定変更が必要です。
共有された側はメールで「共有された通知とカレンダーに追加」が飛んでくるので、カレンダーに追加すると他のカレンダーに登録されます。このカレンダーの「⋮」をクリック→設定と共有を開くと、特定のユーザまたはグループと共有するの欄に他に誰とカレンダーが共有されてるのか見えるようになります。
これが予定の表示のみのユーザはここに他の共有者は見えない状態のままです。ここが大きな違いです。
この機能はGoogle Workspace全プランおよび個人のGoogleアカウントを持つユーザが対象になります。
図:予定の変更権限設定場所
図:予定の変更権限を持つ人はこれが見える
図:予定の変更権限が無い人は共有者は見えない
Google Chat
スラッシュコマンドを簡単に
Google Chatに於いてインストール済みのアプリのスラッシュコマンドを本来は人間が手打ちで打って、続けてメッセージを入れたり、スラッシュコマンドを実行するとダイアログが出て・・・といったよくあるチャットの手順を行っていました。慣れてる人はコレで良いのですが、慣れていない人はスラッシュコマンドって抵抗感あるんですよね。
2025年2月7日、このスラッシュコマンドをマウス操作のみで選択的に選んで実行することが出来るようになりました。チャット欄の右の+アイコンをクリックし、インストール済みのアプリのスラッシュコマンドを順を追って選ぶだけです。アプリはGASなどで作成することが可能です。
この機能はすべてのGoogle Workspaceプラン、個人のGoogleアカウントで利用が可能です。
図:マウスで選択するだけでオッケー
Chat上でアンケート投票が可能に
Google Chatがアプデ・・というわけじゃないのですが、2025年2月11日Google公式のChat用アドオンとして「Poll」がリリースされ、Google Chat上で簡便なアンケートを投稿できるようになりました。公式ドキュメントはこちら。
組織で利用する場合、管理コンソール上でユーザ個別インストールを許可しておくか?管理者アカウントで管理者によるインストールで組織全体に展開しておく必要があります。
ユーザ側でも作業があり以下の手順で追加が可能です。これは初回だけでOK。
- 追加したいスペースで「@poll」を入力実行。Pollがリストに出てくるのでクリックする
- Pollを追加するか?というメッセージが出てくるのでアプリを追加して送信をクリック。
次にアンケートを作る場合には
- スペースにて「/poll」を入力実行。create pollが出てくるのでクリックする。
- ダイアログが出てくるのでアンケのテーマと選択肢を入れ、下の方にある複数選択のオプションなどを弄って作成をクリック
- Voteをクリックすると投票になります。
- show resultsをクリックすると投票結果がわかります。
Card Serviceを使ってのアドオンですが、もうちょっと凝ったものを作りたい場合には、自分で作る必要があります(例えばスプシに記録を残すであったり)。この機能は全Google Workspaceおよび個人のGoogleアカウントで利用が可能です。
※スマフォ上でも作成が可能で、Google Formはスマフォ上で作るのは大変な上に宛先をしっかり入れる必要がある。これならば、スペースにアンケ作ってポンと送信して終わりなので大変手軽です。Formの隙間を埋めてくれる存在になります。
図:Pollのインストール
図:スペースにPollを追加
図:アンケートの作成
図:スマフォ上でも作って送れる
Chatに掲示板機能が追加
今の若い人たちにBBSと言っても通用しませんが、ウェブではRedditや某巨大掲示板など掲示板サイトというのは今でも重要なコミュニケーションツールとして活用されています。
そんな掲示板機能が2025年2月13日、Google Chatに「Board」という名称で追加されました。重要なメッセージや添付ファイル、リンクをピン留めしておけたり、Chatがどうにも使いにくい部分はあるのでそれを補う質疑応答集としてここに蓄えておくなど「掲示板」としての機能が活用できます。
まだ自分のテナントにリリースされていないので、リリースされたら設定して追記しようと思います。ネストしたスレッド式ではなく、古のBBSスタイルですね。
この機能は全Google Workspaceおよび個人のGoogleアカウントでも利用が可能になっています。全スペースに右側にBoardとして表示されるようになります。
図:チャットとBoardの使い分けが肝
グループチャット部屋に名前をつける機能
現在のGoogle Chatにはスペースと呼ばれるチャンネル機能とは別に、3人程度の人間を参加させたDMのグループチャットの2つがあります。後者の場合作成すると左サイドバーのダイレクトメッセージの場所に部屋が作られます。
しかし、この部屋には現在名前をつけることが出来ず、参加した人の数名の名前が列挙されたお部屋になっています。
2025年2月13日、このグループチャットに対して部屋の名前をつけられる機能がリリースされました。スペースを作るまでもないけれど必要なグループチャットに名前がつけられる事でスペースの乱立を防ぐなどが出来ます。
まだ自分のテナントにリリースされていないので、リリースされたら設定して追記しようと思います。
この機能は全Google Workspaceおよび個人のGoogleアカウントでも利用が可能になっています。全スペースに右側にBoardとして表示されるようになります。
図:グループチャットに名前をつけてる様子
Google AppSheet
Gmailがイベントトリガーに追加
2025年2月7日、AppSheetのAutomationのEvent SourceとしてGmailがBeta版として新規に加わりました。以前、フォームについてはデータソースおよび送信時に、AppSheet側がそれをトリガーにして自動送信という機能が追加されたことがありましたが、今回はそのGmail版です。
特定のメールアカウントを選択し、特定のラベル(inboxが受信トレイ)を選択してから、Stepを追加して自動化を実現可能です。
これにより例えば、自動で特定のラベルが付与されたメールがGmailに届くとAppSheetがタスクランナーのようにトリガーされて、それを元にメールの内容に基づいてデータソースに自動的に追加や、CRMに対して自動処理を連携などが可能になります。顧客の問い合わせメールが主にターゲットになると思いますが、問い合わせフォーム側もデータ加工しやすいようにメール送信内容は調整しておくと良いでしょう。
どんな動きをするのか?何ができるのか?を以下に詳細な使い方・作り方のエントリーへ別に用意しましたので参照してみてください。
図:Gmailをトリガーに出来る
Androidで注釈やハイライトを付ける機能
2025年2月10日、それまで限定プレビュー提供だった、AndroidのAppSheet上でImage型のフィールドの写真に対して、注釈やハイライトを付ける機能が一般公開されました。
一応デスクトップモードおよびiOSでも動作しますがそちらはフリーハンドで書くだけで、◯図形や文字の入力はAndroidからのみサポートしてるようです。
Image型の列のオプションにて、Allow Drawing on Imagesのチェックをオンにするだけで動作するようになりますので非常に簡単です。リリースノートはこちらになります。
図:ここをオンにするだけでオッケー
図:編集ボタンをタップする
図:文字の入力と◯をつけてみた
Localizationコピペ機能
2025年2月19日、片方のLocalizationの言語をまるごと別のPJのLocalizationへとコピペできる機能が装備されました。例えば、このサイトで用意してる日本語化済みテンプレートをテナントにコピーしておいて以下の手順で簡単に既存のアプリの英語表記を日本語表記にすることが可能です。
- 日本語化テンプレートのLocalizationを開いて、Customize System Textの横にある「copy localizations」をクリックする
- 続いて日本語化したいプロジェクトのLocalizationを開いて、Customize System Textの横にある「paste localizations」をクリックする
- この時Chrome側から「許可しますか?」のダイアログが出るので「許可」をクリックする
- 日本語の文字列がまるっとコピーされる
- 右上のSAVEボタンをクリックして保存する
すでに作ってしまったプロジェクトであってもこれで日本語化テンプレートから数秒で日本語文章をまるごとコピペできるので、日本語化が億劫だったのが非常に楽になりました。
図:コピペで日本語化出来た
Google Vault
Gemini対応
Google Workspace Enterprise Standardなどのハイエンドプランでは標準で利用することの出来るGoogle Vault。自分も退職者が出た場合などに利用していました。
このVaultに於いてこれまではGoogle DriveやGmailなどがサポートされていましたが、2025年2月7日にGeminiもデータ保持の対象に加わりました。Gemini Advancedなどのやり取りの内容に対してもVaultが効くようになり、法的保持などの場合でもこれでエンタープライズ環境向けに整ったと言えます。
VaultとなるのでBusiness Plus以上のプランおよび単品でVaultを契約してるプラン、Enterprise Essential以上のEssentialプランで利用することが可能です。こちらからログインして利用しましょう。
※但しこの内容にGemini for Google Workspaceのやり取りは現在含まれていないようです。
図:新しいターゲットにGeminiが加わった
Youtube
自動吹き替えが使えるように
2024年12月にYoutubeに対して一部のパートナークリエイター向けにだけ「音声の自動吹き替え機能」が提供開始されました(公式ブログでのアナウンス)。この機能があると、日本語でしかリリースされていないような動画であっても、海外の人に対してリーチすることが出来るようになり、より一層の視聴者獲得などにつなげることが出来るようになります。
この機能について、2025年2月12日、パートナークリエイター向けではなく多くの一般ユーザに対しても展開すると発表がありました。英語向けに別動画を用意するといったような作成負荷の大幅な低減も期待できますし、企業でYoutube展開してるところは日本国内だけじゃなく海外向けにPR出来るようになる非常に大きなアップデートです。
展開されるとYoutube Studioの設定→アップロード動画のデフォルト設定よりオンオフが出来るようになります。自動吹き替えのクオリティは英語→日本語の場合はまだまだのレベルですが、今後に期待ができます。
尚ユーザ側は、動画を再生したら
- プレイヤー下部の歯車をクリック
- 音声トラックをクリック
- 変換したい言語を選択する
すると自動吹き替え音声が流れ始めます。Mr.Beastが提供してるような独自の音声トラック(有名声優さん使ってるアレ)はまだ、一般提供はされる話は出ていません。
ショート動画にVeo2を追加
2025年2月13日、Youtube Shortの機能としてDream Screenと呼ばれる機能が搭載され、テキストから動画を生成するAI「Veo2」を利用した動画生成機能がオープンになりました。
これまでもRunway Gen-3やLuma Dream Machineなどのテキストから動画生成するAIサービスは他でもリリースされてきましたが、Youtube上でこうしたAIからの動画生成が可能になります。
ただし現状リリース対象範囲が米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのみで日本からはまだ利用が出来ないようです。以下はそのサンプル動画になります。これらの動画には電子透かしが入っており、生成AIで作られたことが判別出来るようになってる模様。
※現時点でAPIとしてのVeoは一部ユーザにだけ限定の提供となっています。
Gemini
2024年はGemini AdvancedおよびGemini for Google Workspaceが大躍進しつつも、大きな仕事への変化を与える?というレベルには至っていません。しかし前述にあるようにGeminiが標準搭載されたことにより今年度からは大きな変化がありそうです。
Gemini for Google Workspace
Gemini Businessの統合と値上げ
2025年1月16日、Google Workspaceについて、アドオン扱いであったGemini for Google WorkspaceのBusinessが標準搭載されることとなり、結果的に2025年3月17日より値上げが実施されるとのこと。ただしこれまでのような高額な金額がそのまま乗っかるのではなく、Business Standardであれば240円/月の負担増でGemini Businessが標準で利用できるようになります。
このような方針転換と価格設定の変更は大きなビジネス戦略があってこそなので、この値上げがどのような吉凶を招くか?
画像生成日本語機能
2025年1月29日、これまで日本語など一部環境では何故か利用できなかったサイドパネルからの画像生成機能が有効化されました。対応した言語は以下の7言語。Googleドキュメント、スプシ、ドライブ、Gmailで利用することが可能です。(スライドが何故入っていない?)
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- 日本語
- 韓国語
- ポルトガル語
- スペイン語
Business Standard以上およびGemini Education, Google One AI Premiumを利用してるユーザが使える。
図:ドキュメントで生成してみた
図:スライドでは何故か使えない・・・
画像生成で人物の生成が可能に
2025年2月7日、画像生成機能に於いてGeminiアプリ、Gemini Advanced、Gemini for Google Workspaceのサイドパネル(ドキュメント、スプレッドシート、ドライブ、スライド、Vids)に於いてこれまでサポートされていなかった「人物」の生成が出来るようになったようです。
Gemini Advancedでは出来るようになっていることを確認しました。前述の画像生成日本語サポート時点ではできなかったのですが、割と早く対応されましたね。Gemini for Google Workspaceのサイドパネルの場合、何故か日本語では「現時点では、表示される人物画像の結果は限定的です。他にお手伝いできることはありますか?」と出て生成されず、英語で問い合わせをすると、生成されました。
図:人物生成に対応しました
図:サイドパネルは英語なら生成可能
スプシ分析機能
スプシにおけるGemini for Google Workspaceについて、2025年1月29日、サイドパネルからの指示でグラフやデータの分析が出来る機能が搭載されました。ためしに地震の観測データを単純にグラフ化してと指示してみたところ、一部エラーがあったもののマグニチュードの推移グラフが生成されました。
生成されたグラフはそのまま下の矢印アイコンをクリックすることでスプシに挿入することが可能です。ただしデータにリンクされていないグラフ画像なので数値をいじっても反映されない模様・・・なんか半端だなぁ。
またこの機能はユーザーがスマート機能とパーソナライゼーションをオンにする必要があります。Business Standard以上およびGemini Education, Google One AI Premiumを利用してるユーザが使えます。
図:マグニチュード推移グラフが出来た
Notebook LMがコアサービス化
2025年2月5日、昨年の9月に早期アクセスサービスとして提供されていたNotebook LMおよびLM Plusが、Google Workspaceのコアサービスとして正式に追加されました。
昨年12月13日には、Gemini for Google Workspace導入企業はLM Plusが利用可能となっていたので、今年のGoogle Workspace統合によってGoogle Workspace利用者はNotebook LM Plusが利用可能になっています。Notebook LMとLM Plusの違いは以下のとおりです。公式のページはこちら。ノートを共有しても制限値に変わりはありません。
項目 | Notebook LM | LM Plus |
ノートの数 | 100 | 500 |
ノートに使うリソースの数 | 50 | 300 |
1日のチャット数 | 50 | 500 |
1日の音声生成 | 3 | 20 |
プレミアム機能 | 無し | 有り |
プレミアム機能とは、チャット専用ノートブックの共有機能や、チャットスタイルのカスタマイズ、ノートブックの利用状況分析の3つの機能です。
個人向けに特化した自分だけのAIチャットボットを、様々な資料を食わせてカスタムしていくものなので、Gemini Advancedみたいな汎用的なものとは少々毛色が異なるサービスなのですが、就業規則やら開発ガイドラインなどを食べさせてチームで共有すれば社内で簡単に専用のボットを用意出来るのが特徴です。
自分の場合だとGoogle Workspaceのアップデート情報をどんどん食わせて、あとから「そう言えば昔なんかこういうアプデがあったような・・・」という知識の再探索用として脳みその補完用で使っています。単一の目的ごとになるべく特化したものにしたほうが使い勝手が良いのではないかと思います。
コアサービスになったことで、昨年のその他のGoogleサービスではない場所に設定場所が異動してるのでオンオフしたい場合には注意が必要です。
※この機能はGoogle Workspace Business Standard以上で利用が可能です。
※また、Notebook LM Plusかどうかハッキリわかるようにロゴの変更も行われています。
※試しに厚労省の就業規則モデルのPDFをアップして、育児休業について聞いてみたところ、結果の要約および該当規定へのジャンプが出てきて、目的の情報にたどり着けました。
図:自作の専用AIチャットボット
図:設定場所が変わってる
図:Notebook LM Plusが標準で使える
図:就業規則を読み込ませてみた
モバイルGmailにやり取り結果を挿入
2025年2月7日、スマートフォンに於いてGeminiを利用し、やり取りした結果をGmailに挿入するという機能が装備されました。PC版ではなくスマフォなので手順としては
- スマフォのGmailアプリを開く
- 上部にある「Geminiアイコン」をタップして、やり取りをする
- やり取りした結果、Androidの場合は右下の斜め矢印のアイコンをタップする(iOSだと挿入ボタンになるようです)
- Gmailで新規メールが立ち上がり、内容が挿入される
- スレッド内での質問の場合は、そのスレッドの宛先やCCなども自動で挿入されるようです。
この機能はGoogle Workspace Business Standard以上で利用が可能です。
図:やり取り結果に基づいてメールを作る
Meetの自動メモ生成で次のステップ提案機能
2025年2月18日、Gemini Business以上に於いてGoogle Meet上でのTake me note(議事録を取る機能)に於いて、MTGが終了し作成が完了した後に、このMTG後のフォローアップや次のアクションが提案される機能が搭載されました。
ただ、日本の場合そもそも日本語でこの機能がまだ提供されていないので、提供開始となっても使うことは出来ません。Business Standard以上のプランで利用可能です。
図:ドキュメント上で提案がなされるようだ
Gemini Advanced
KeepとCalendarと連携機能
2025年1月30日、Google Japan Blogの方で発表がありましたがGemini AdvancedにてGoogle KeepおよびCalendarの連携機能が発表されました。これは以前2024年10月21日発表に於いて追加されるかも?とあった機能であると思われます。
ToDoリストについても追加済であり、チャット上からKeepのリストを作成したりカレンダーに予定を追加したりといったことが会話の流れで出来るようになったようです。
KeepについてはHelp me create listがアプリの側で英語版ですが一部のユーザに展開されているようです。
図:Gemini連携アプリが追加されました
Gemini 2.0 Flashが対応
2025年1月31日、Gemini Advancedに於いてこれまでは有料版で使えていたGemini 2.0 Flash対応が無料ユーザでも利用可能になったという発表がありました。
またこのアップデートによって100万トークン、1500ページのファイル読み込みに対応し、Deep Researchに対応、画像生成はImagen3に対応とのこと。
画像だけじゃなくVeoにて動画生成もおそらく近い将来提供されるようになるでしょう。以下のエントリーではImagen3 APIを使ってスライドに画像生成をする仕組みをGoogle Apps Scriptで実装しています。
※GeminiアプリについてもGemini 2.0 Flash対応になりました。
図:本人は知らないと言ってるけれど
Deep Researchが使えるようになる
2025年2月18日、これまで一部の人に実験モデルとして提供されていたDeep Researchの機能が、モバイルアプリおよびデスクトップで提供開始とのこと。ただし、現状ではGoogle Workspaceユーザではなく個人でGoogle One AI Premiumを契約しているユーザに対してだけ提供という形になっています。
Google Workspaceユーザに対しては2025年初頭リリースということなので今暫く我慢が必要のようです。
Deep ResearchとはChatGPTも出してきてる機能で、これまでのようなChatで1:1で質問にただ回答を返すというだけではなく、質問内容を深く分解し、資料を収集・調査し、レポートを生成するまでの流れを人間がPDCAを回すように作成してから返すAIエージェントと呼ばれるもので、本来追加料金で結構な金額を支払って使う機能になります。
Gemini Deep Research is now available:
✅ On desktop *and mobile*
✅ On Android and iOS
✅ In 150 countries
✅ In 45+ languagesGenerate comprehensive, easy-to-read reports on just about any topic – right from your phone → https://t.co/Yh38BPuStR pic.twitter.com/AUu21LfvsE
— Google Gemini App (@GeminiApp) February 18, 2025
廃止される機能
Google Apps ScriptのRhino Runtime廃止
2025年2月19日、メールで通知が来ましたが、5年前にGASのV8ランタイムがリリースされてより随時移行が進んでいましたが、旧GASの実行環境であるRhino環境が2026年1月31日に廃止が決定しました。
この日までに移行をさせていないスクリプトについては上記の日付で実行が停止することになるので、Rhino環境時代のスクリプトに関してはV8をオンにして移行が必要です。場合によってはV8で動くように書き換えが必要なケースがあります。公式サイトのドキュメントはこちら。
すでに新規作成のGASはV8ランタイムが標準でオンであり、すでに当時の多くのバグは修正済みであるため、以下のエントリーは少し古いですが、書き換え等で参考になるかと思うので、対応しましょう。