MBOX形式のメールをThunderbirdを使ってOutlookにお引っ越し
なんだかよくわからない過去に使っていたメーラーからメールデータを現在使ってるMicrosoft365のOutlookに移行したいとしても、直接的にOutlookでそのメールデータをインポートする事は出来ません。特に昔から利用されていたmbox形式(Mailboxと呼ばれる形式)のものであれば、エクスポートは出来るけれど、Outlook自体にmbox形式でのインポートが備わっていない点と、Outlookで標準的にサポートされてるのが、pst形式のメールデータであるため、なんらかの工夫が必要です。
そこで、Mozilla Thunderbirdとアドオンを利用して中継し、Outlookにデータを変換してインポートする手順をまとめました。
目次
今回利用するツール
現在使ってるメーラーがOutlookと繋がってるわけでもなく、他のISPのメールなどを受信しているもので、事前準備としてそのメーラーからMBOX形式で現在の全メールをエクスポートしておきましょう。各メーラーによって手順が異なるとは言え、おおよそのメーラーはmbox形式でエクスポートが可能なはずです。また、Gmailの場合は、Google Takeoutからメールデータをmbox形式でエクスポート可能です。
現在最新版は、Version 115.0.1なのですが、このバージョンは上記のアドオンが互換性が無いため、Version102のものをダウンロードしてインストールする必要があります。
※怪しいmbox=>pst変換系の中華製アプリなどを購入する必要性は全くアリません
MBOX形式でエクスポート
とりあえず、Gmailからテスト用に適当なメールデータがある状態のmbox形式をエクスポートし、これをThunderbird経由でOutlookにインポートしてみようと思います。Google Takeoutを使って以下の手順でエクスポートします。他のメーラーの場合はそれぞれのメーラーでmboxもしくはMailbox形式としてエクスポートする手順を参考にファイル出力をしておいてください。
- Google Takeoutへアクセスする
- 選択をすべて解除するをクリック
- 下の方にあるGmailにチェックを入れる
- メールのすべてのデータが含まれますをクリックして、メールのすべてのメッセージを含めるのチェックを外し、それ以外のチェックに全部入れる
- 次のステップへクリック
- そのままエクスポートを作成をクリック
- メールでエクスポートの準備が完了したら連絡が来るので待つ
- メールが来たらファイルをダウンロードをクリック
- さらにダウンロードが表示されるのでクリックするとZIPで手に入る
- 解凍するとtakeoutの中にメールがあり、その中に「すべてのメール(迷惑メール、ゴミ箱のメールを含む).mbox」というファイルがあるのでこれで準備完了
図:mbox形式で取得可能
インストールとセットアップ
注意点
Umbrellaのようなセキュリティツールで、証明書の書換えを行うような、クラウド型DNSセキュリティを導入してる企業の場合、除外設定をしていない場合にはThunderbirdでのOutlookアカウントの追加や、アドオンの検索でエラーが出て処理ができないケースが確認されています。
これは情シス側などでThunderbird等のURLについて除外設定を入れない限りエラーが出るので、情シス側で対処が必要です。
Thunderbirdのセットアップ
Mozilla Thunderbirdをインストールします。続けてアカウントではMicrosoft365のOutlookアカウントへの接続設定を行います。
- Thunderbirdをダウンロード(msiでもexeでもどちらでも可)
- 標準インストールで問題ない
- デフォルトのメーラーにするかどうか聞かれるので、好きに選択する
- セットアップが終わる「古いバージョンを起動してる」と聞かれるので新しいプロファイルを作成するをクリック
図:とりあえずここまでは簡単に来れる
Outlookアカウントと接続
つづけてMicrosoft365のアカウントのセットアップをします。使用するのは自身のMicrosoft365アカウントのIDとパスワード。IDはもちろんメアドです。
- 名前、メアド、パスワードを入れて、続けるをクリック
- アカウントがMozilla ISPデータベースから見つかりましたとなった場合にはIMAPを選んで完了をクリック
- そうでない場合には、以下の設定を手動で入れる
1234567891011//IMAPホスト:outlook.office365.comポート:995接続の保護:SSL/TLS認証方式:OAuth2//SMTPホスト:smtp.office365.comポート:587接続の保護:STARTTLS認証方式:OAuth2 - ログインを求められるので普通にID/PWでログイン
- 二段階認証を設定してる場合はここでその処理を行う
- 要求されているアクセス許可が出たら、組織の代理として同意するにチェックを入れて承諾をクリック
- 何故か一発で行かない場合はそのままもう一回完了をクリックすると連結される
図:IMAPで接続させる
図:OAuth認証を行う
図:無事アカウントが接続できた
アドオンのインストール
次に、アドオンを追加する。
- こちらのページにブラウザでアクセスする
- 今すぐダウンロードをクリックすると拡張子がxpiのアドオンがダウンロードされる
- Thunderbirdのタイトルバーにある「≡」をクリックして、アドオンとテーマをクリック
- 歯車をクリックしてファイルからアドオンをインストールをクリック
- ダウンロードしたxpiファイルを選択
- 追加をクリックする
- 追加されましたと表示されたら成功です
図:古いバージョンじゃないと使えない
アドオンの使い方
さて、ここまで来たら殆どの準備は完了です。以下の手順でmboxをインポートします
- メーラーの左側のローカルフォルダペインで右クリック=>新しいフォルダーをクリック
- フォルダ名は適当にインポートとでも名前を付ける
- インポートフォルダを右クリック=>ImportExportTool NGをクリック
- 単一または複数のmboxファイルを直接インポートをクリック
- ダウンロードしておいたmboxファイルを指定する
- インポートされたら、ローカルのメールを掴んでMicrosoft365の受信トレイにドラッグアンドドロップする
- 他のメールも所定のフォルダに同様に掴んで移動させる。Ctrl+Aでまとめて選択して一括で移動すると良いでしょう(無理に送信トレイにmbox側の送信トレイのメールを移動せずとも、microsoft365のアカウント部分にフォルダを作って移動させるだけでも十分です
- 移動してしばらく待つと、WebのOutlookでも表示されるようになります。これでローカルのmboxからクラウドのOutlookへの引っ越しが完了です。
※ローカルのままだとそのマシンにしかメールが無い状態ですが、上記の最後のように掴んで移動すると、Microsoft365のOutlook側に入るようになるので、クラウド側にメールが保存されます。この作業を忘れずに行いましょう。
※IMAPなので直接的にmboxメールをそのままインポートできないので一旦、ローカルを経由させてからだと移行が出来るので、この手順を使っています。
図:ローカルにまずインポートする
図:ローカルから掴んで受信トレイに移動させる
図:ウェブでも表示されるようになった
関連リンク
- POP、IMAP、SMTP の設定
- MBOXファイルをThunderbirdに読み込む方法!
- Googleデータエクスポート
- Shurikenの使い方 - Mail Export Tool
- Shurikenのメールデータのインポートとエクスポート
- [2022] JUSTのShurikenが販売終了していた件 thunderbird OUTLOOK に自動データ移行
- Syuriken(シュリケン)2016からThunderbird(サンダーバード)へのデータ移行方法 Ver1.0
- Shuriken 2018 から Thunderbird へ乗り換え