M1 Macで動くVMware Fusion 13にWindows11を入れてみた

随分前に、M1 Mac用のVMware FusionのTech Previewが出たきり音沙汰がなく、会社も別企業に売却されたこともあって自分は諦めて、Parallelsに移行し使っていました。所が先日、VMware Fusion 13が無償で正式リリースと言う情報を得て、検証してみることにしました。今回は、M1 Macbook 2020で検証しています。

現在、M1 MacでWindows11の仮想化となると、UTM、Parallelsに続いてこれで正式に3つ目の手段となります。過去記事は以下のエントリーになります。(VirtualBoxはM1 Mac対応版はx86エミュレータとして再登場したので、Windows11 ARMは動かせません)

※2024年5月、Broadcomに買収されてVMware Fusion Pro 13が無償公開されました。

図:起動はするけれども・・・・

macOS用VMware Fusionの無償版を利用する

VMware Fusion ProがBroadcomから無償公開されたので使ってみた

 

今回利用するアプリ

UTMやParallelsを使った仮想化については過去記事を参考にしてみてください。今回のバージョンは、Intel / ARMの両対応となっており、Windows11に対応するために、仮想TPMをサポートしています。

M1 MacやiOSでも動く高機能な仮想環境UTMを使ってみた

M1 MacでParallels Desktopを検証してみた

VMware Fusion 13 Playerについて

今回正式に登場したVMware Fusion 13ですが、個人利用に限って引き続き無償で利用が可能になっています。現在は自分はParallelsやUTMでもWindows11を利用してるので比較もしてみたいと思いますが、今回のアップデートによる内容は

  • M1 Macに正式に対応しました。
  • Windows11 ARMバージョンのインストールに対応しました。
  • vTPM 2.0に対応しました(ネイティブ対応なのでRosetta2は不要)
  • 仮想HDDの一部分だけを暗号化するFast Encryption対応
  • OpenGL 4.3およびDirectX11, Intel版のみeGPUに対応

Intel版はx86, x64をサポートし、ARM版はARM64に対応なので、M1 Macで使う場合はParallelsと同じようにARM版のWindowsとLinuxにだけ対応することになります。

First look at Fusion 13!

図:VMware Fusion 13レビュー動画

インストール

無償ライセンスキーの取得

前回の12の時は、なぜか正しい手順なのにライセンスキーの入手がややこしく、困った人も多いでしょう。今回も某掲示板を見てみるとややこしい事が起きてるようなので、無償ライセンスキー入手手段を検証してみました。

  1. Chromeを起動する
  2. myvmareにアカウントを作ってログインしておく(ログインしておかないとこの先で真っ白画面になる)
  3. こちらのリンクをクリックするとPersonal Use Licenseのページに行ける
  4. 右下にRegisterというボタンが表示されてるのでクリックする(もしくはこちらのリンク
  5. ページが真っ白の場合、Safariを起動して同じページにアクセスしてみる。また、AdblockやuBlock Originが有効でも真っ白になる。海外でも同様の事例が報告
  6. Licenseキーが表示されたら控えておく
  7. このページを開くとVMware Fusion 13本体をダウンロード可能

しかし、現状この該当のページから無償のライセンスキーがトラブルで発行されずといった状態が続いていましたが、2022/11/21 19:30現在解消したようで、エラーになってもリロードすればきちんと出てくるようになりまいた。

図:ここをクリックするのだけれど・・・

図:ライセンスキーが表示された

図:無事にライセンス登録出来た

インストール手順

前項でファイルのダウロードをしたらいつもどおりの感じでインストールする

  1. DMGファイルをマウントする
  2. 中に入ってるアイコンをダブルクリックでインストール開始
  3. 同意するをクリックする
  4. ライセンスキーを入れずに2つ目の選択肢の30day Trialを選択してインストールを進める

後から、buy now or enter licenseからライセンスキー登録等は出来るので、ここはスルーで問題なし。

図:Intel/ARM両対応インストーラです

図:同意してすすめる

図:後からでもライセンス登録は出来る

ゲストOSをインストールする

Windows11 ARM版

インストール準備

ParallelsやUTMではすでに実現し、運用レベルに至ってるのですが、VMware FusionはTech Previewでは一応サポートというレベルでした。今回の13より正式対応しましたが、前者2アプリと違って、ちょっとインストール手順が異なります。以下のような手順でのインストールが必要です(要qemu-img)。また、Windows11 Insiderへの参加が必要です。

  1. Homebrewを予めインストールしておく
  2. ターミナルを起動する
  3. 以下のコマンドを実行して、qemu-imgを使えるようにする

    qemuがインストールされますが、これで付属のqemu-imgが使えるようになります。
  4. Windows11 ARM64 Insiderのページに行き、Mirosoftアカウントでログインする
  5. 現時点でBuild22589のBetaビルドがあるのでこれを選択。次の項目は1個しかないので選択してConfirmをクリック
  6. Download Nowをクリックすると、VHDX形式のディスクイメージがダウンロードされます(ファイル名はWindows11_InsiderPreview_Client_ARM64_en-us_22598.VHDXとなる)
  7. 3.でインストールしたqemu-imgを使って、VMDK形式へ変換するコマンドを実行する

    デスクトップにダウンロードして、そこで変換を実行しています。
  8. 変換されたら、Windows11.vmdkが出来る
  9. VMware Fusionを起動して左上の+ボタンをクリックする
  10. インストール方法を選択というダイアログに8.のファイルをドラッグ・アンド・ドロップする
  11. Choose Operation SystemでWindows11 64-bit Armを選択して続けるをクリック
  12. UEFIセキュアブートにチェックを入れて続けるをクリック
  13. Partial Encryptionのままにして、ディスク暗号化の為のパスワードを入力して、続けるをクリック
  14. 既存の仮想ディスクを使用で8.のディスクを指定する
  15. 設定のカスタマイズをクリック(ここで仮想マシンが保存される)
  16. Trusted Moduleがすでに追加されてるのを確認
  17. メモリを8GBほどに指定し直し、CPUは4コアを指定し直す
  18. ディスクがコピーされて設定完了

すると、仮想マシンが起動してGetting Readyの文字が出るハズです。暫く待つと「プンポン」って音がして、Windows11のセットアップが開始されるハズです。

図:VHDXのディスクイメージが必要

図:Windows11 armを選択する

図:セットアップまでたどり着けた

VMware Fusionへキーボードショートカット追加

2022年11月現在、Windows11のセットアップ途中に於いてどうやら以前使えたShift+F10でコマンドプロンプトを出してOOBE\BYPASSを入力して、ネットワーク接続のセットアップをスキップする方法が封じられた場合の手段です。

しかし、Windows+Rのタスクを指定して実行の画面は使えるようなので、以下の手順でWindows+Rキーを実現するショートカットをVMware Fusionのプロファイルに追加しておきます。

  1. VMware Fusionを起動する
  2. メニューから環境設定を開く
  3. Keyboard & Mouseを開く
  4. Profile - Defaultのままで、下の画面の左下の+キーをクリック
  5. 変更前を⌘ + Tとし、変更後をWindows + Rとしてセットする
  6. OKをクリックして設定画面もすべて閉じる

これで、Windows+Rのキーが使えるようになったので、いよいよ起動してセットアップします

図:ここでキーをセットアップしておく

図:このキーを追加しておく

Windows11のセットアップ

基本的には、UTMの時と同じような感じでセットアップを続けます。しかししらべてみたあ

  1. Country RegionではJapaneseを選択してYesをクリック
  2. Keyboard Layout Input Methodでは、Japaneseを選択
  3. キーボードレイアウトでは、Add Layoutを選び、Japaneseを選んだ後に、MSIMEを選択。この画面ではSKIPを選択
  4. ネットワークセットアップで詰むので、暫く待つ。ここで前項でセットアップしておいたWindows+Rキーである「⌘+Tキー」を連打する
  5. すると左下にファイル名を指定して実行のようなものが出てくるので、oobeといれて実行
  6. エクスプローラが開かれるので、bypassnroを見つけて右クリック→run as administratorで実行
  7. 自動で再起動するので、続けて1.〜3.までを繰り返す
  8. Continue with limited setupをクリックする
  9. ローカルアカウントでのセットアップが始まるので後は、指示に従って進める
  10. 最後まで進めると、Windows11が英語版で起動する

あとは、日本語化する為の一連の手順を実行するだけです。

図:タスクの実行でBYPASSさせる

図:ネットなしでセットアップ継続

VMware Toolsのインストール

実は現状まだ、VMware Toolsが不完全で、手動でドライバを割り当てる必要がある上に、全部のデバイスドライバが用意されていません。添付されてるスクリプトをダブルクリックしても、エラーで動作しません。インストール手順は以下の通り

  1. タスクバーの虫眼鏡のアイコンをクリックして、PowerShellを検索
  2. 右クリックして、run as Administratorにて管理者権限で起動する
  3. 以下のコマンドを実行する

    途中で問い合わせがあったら、Yと入力してEnterを実行する
  4. VMware Fusionのメニューバーから、仮想マシン→Reinstall VMware Toolsを実行する
  5. エクスプローラを起動してディスクの中に入る
  6. setup.ps1ファイルを右クリック、Run with PowerShellを実行する
  7. デバイスドライバインストールされて完了する

現状ドライバのインストール状況は以下の通り

  • ネットワークドライバは手動でインストールしてネット接続は可能(vmxnet3というのがそれになる)
  • SVGAドライバは用意されてるので解像度変更は可能
  • 他クリップボード共有、フォルダ共有などは動かない
  • USBドライバ等いくつかないため、未対応の状態
  • サウンド出力は標準ドライバで対応されてる

といった状況。故に、正式リリースとは言え、コレまでのように使えるというわけじゃ有りません。

図:デバイスドライバ対応がまだまだ

図:PowerShellのポリシー変更が必要

図:スクリプトでVMware Toolsをインストールする

図:SVGA3Dドライバが入った

Insider Buildをアップデート

現在、Insider ProgramのWindows11 ARMで配布されてるBuild22598のVHDXファイルはすでにexpireしてるものです。2022年9月16日にexpireしてるので、このままだとアップデートが出来ません。そこで、UUP Dumpから最新の22621.1 ARM64版をダウンロードしてISO化したものを使って、アップデートを実行してみました。

ISOファイルを読み込ませて、中にあるsetup.exeを実行。一応、レジストリのいくつかの対策は入れておいた結果、普通にアップデートが実行されて、制限に掛からずに通過。色々終わって再起動したら、日本語版でアップデートしたので、日本語化も一気に完了しました。英数で日本語入力オン&かなでオフも実現出来ていました。

図:無事にアプデが実行された

図:Build番号がアップしました。

バックグラウンド項目が追加されましたが毎回出る

VMware Fusion 13を起動すると毎回、「バックグラウンド項目が追加されました」という通知が出て鬱陶しいです。この項目ですが、以下の手順で消す事が可能です。

  1. 設定アプリを開く
  2. 一般→ログイン項目→バックグラウンドでの実行許可を開く
  3. VMwarem inc.という項目のスイッチをオフにする。
  4. 再度オンにする
  5. VMware Fusionを起動して通知がでなければOK

図:この通知が毎回出る

図:この項目をオンオフすると出なくなる

Microsoft Storeを使えるようにする

インストール直後のWindows11 ARMはMicrosoft Storeが使える状態になっていません。そこで、これを使えるようにします。アイコンはタスクバーにあるのですが、クリックしても失敗したりします。

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. 以下のコマンドを実行する
  3. タスクバーのMicrosoft Storeのアイコンをクリックする
  4. 色々ダウンロードが進行して、終了するとすぐに使えるようになる

図:実行すると通知内でダウンロード開始

図:使えるようになりました

他のアプリとの比較

アプリ別比較表

現時点では全然完成度が低く、正直言ってこれまでのVMware Fusionからしたら、Tech Previewよりもマシになった程度であるため、かなりパフォーマンスが低いです。しかし、いくつかの面で比較が出来る優位点もあるため、UTMとParallels17と比較してみようと思います。

項目名 UTM Parallels VMware Fusion
TPM 2.0対応 未対応 対応済み 対応済み
ファイル共有 ホスト共有のみ D&Dもホスト共有もOK 未対応
手軽さ 割と面倒 手軽 非常に面倒
起動速度 早い 早い 早い
システム要件 一部満たしていない(CPU) 一部満たしていない(CPU) 一部満たしていない(CPU)
GPUアクセラレート 対応してる 対応してる 一部対応(3Dは未対応)
セキュアブート 対応してる 対応してる 対応してる
日本語入力キー(英数/かな) 自分で設定 対応してる 対応してる

現状まともに利用としようと思うならば、Parallels一択です。UTMはTPM2.0、セキュアブート未対応に最近対応したのでCPU以外ほとんど満たしてきています。VMware Fusionは逆にそこは対応していて、3Dアクセラレーションが未対応の状態なので、将来的には逆転して2番手になる可能性はあります。何故かParallelsはCPUが正常性チェックで満たしていないのに、アプデはしっかり問題なくできてる。よってシステム要件的にはVMware Fusion 13は同じ立ち位置にある。

Ubuntu Desktop ARM64などはまた試していませんが、いずれもToolsがしっかり対応するまでは、実運用は難しいでしょう。

※まだメニューの一部が英語のままという感じなので、ベータ版みたいな位置づけです

図:要件未達なのでアプデが出来ない

図:PC正常性チェックではCPUだけがNG

図:英語メニューのまま

Intel版もテストしてみた

Macbook Pro 2016にもVMware Fusion 13をインストールして、すでにインストール済みのWindows10/11を試してみました。特に問題もなく動作しますし、VMware Toolsも自動的にアップデートが実行されてインストールされました。

もともと、Intel版はTPM2.0対応していたので、Windows11のインストールもアプデもOKで、自分の場合古いMacbook ProなのでCPU以外については特に問題もなく。

Intel macにインストールした場合は、x86/x64のOSが動作しますので、これまで通り利用が可能です(当たり前ですが、ARM版は動きません)。しかし、Intel対応もそろそろ終わりが近いと思いますので、現在Intelで運用してるケースでは次を見据えて準備をしておいたほうが良いかと思います。

図:x64のOSも問題なく動作する

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