Google Apps ScriptでPDFを結合する方法【GAS】

以前紹介したStackOverFlowのmergePdfs関数がうまく動作しないという報告がありましたので、調べてみた所、一部だけ日本語文字化け等の問題が生じるケースがあることが判明。最近のGoogle系のサービスの更新によるものなのか?うまく動きませんでした。

ということで、前回PDFフォームを操作するで利用したライブラリで今度は結合を実現してみました。

今回利用するスプレッドシート等

以前、PDFフォームを操作するでも同様のライブラリを利用していますが、今回は同じライブラリで結合を実現してみようと思います。サンプルはPDF 1.7の規格のものを利用しています。

Google Apps ScriptでPDFフォームを操作する【GAS】

以前紹介したスクリプトについて

実は以前にStackOverFlowにて紹介されていた簡単なPDF結合用のコードを紹介したことがあります。しかし、こちらのコード現在では以下のような問題があります。

  • PDF 1.4以降のものを結合しようとすると一部で文字化けが生じる
  • 同様になぜか偶数ページに白紙のページが増えてオカシナ結合PDFが生成されるようになる

とりわけこの現象は最近になってから生じるようになったため、GoogleでのPDFの生成バージョンが変わったのが理由かもしれません。故に、日本語環境で使うにはちょっと問題がありました。

Google Apps ScriptでPDFを作成する【GAS】

Googleの生成するPDFについて

Google Apps ScriptでPDFを生成する手法は複数あります。しかし、どの手法で生成しても2024年4月時点ではすべてVersion1.4規格のものが出力されるようになっています。

今回のスクリプトはPDFLibにてこれらを結合する検証もしてみました。PDFLibは1.7規格のものでも結合ができますが、1.4規格のものを結合したらどうなるのか?

結論から言えば全く問題なく結合でき日本語で文字化け等もありませんでした。

図:v1.4規格のPDFが出力される

ソースコードと結果

2枚のPDFを単純結合コード

JS用ライブラリを利用するため、少々手順が必要なのと、その為に対策が必要です。

以下のようにJSライブラリを外部から直接ロードしています。JSライブラリをgsファイルとして貼り付けると毎回読み込みに時間が掛かるのと、セーブする度に時間が掛かるのでこのようにしています。またJSライブラリ内でsleepを使ってしまってるため、これをGASのUtilities.sleepに置き換えていま(でないとエラーが出てしまう)。

あとは、出力先フォルダおよび今回のサンプルファイル1と2のファイルIDを指定しています。mergePdfsを実行すると2つのPDFを読み取って結合し、1枚の結合PDFとして出力します。

※但しライブラリはgsに貼り付けておいたほうが初期のロード時間は短くなる

※結合とありますが、実際には空のPDFを作成し、複数のPDFのデータをそこへ順番に足していって実現しています。

※1行目のevalの内容はUrlfetchAppへのリクエストが含まれてるので、手動で初回認証をしないとonOpenなどのメニューが開かれないことがあります。その場合は、mergePdfsの関数内の1行目に記述するようにしましょう。

結合結果

今回のスクリプトはV8ランタイムが有効である場合に利用可能です。また、JS用ライブラリを使っていますが、今回は貼り付けるのではなく、コード内でロードして利用していますので事前準備も必要ありません。

実際にPDF 1.7規格のものを結合していますが、問題なく結合が出来ています。文字化けやオカシナ白いPDFなどが生じていません。

図:GCF無しでv1.7規格の結合に成功

指定フォルダ内のPDFをまとめて結合

mergePdfsが掲載されてるStackOverFlowのページにも、PDFLibsを利用したまとめてPDF化するスクリプトが掲示されており、実際にv1.4規格のGoogle出力のPDFで実験してみましたが、問題なく結合できました。

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