VMware Fusion ProがBroadcomから無償公開されたので使ってみた

EMCに買収されたりDELLの参加になったり、最終的に2023年11月22日にBroadcomに買収されてきたVMwareだったわけですが、2024年5月13日にBroadcomからVMware Workstation Pro 17およびVMware Fusion Pro 13が無償公開されました。アカウントはBroadcomに移管されていますが、VMware時代の資料がぼんぼん消えていたりするのでちょっと困った状態ですが、無償公開されてるのであれば使ってみようと思い、ダウンロードしてみました。

アカウント移行されてますがパスワードは初回ログインはリセットが必要です。

図:Broadcomになっちゃった

今回利用するアプリケーション

2024年5月17日時点、大変つながりにくい状況になっています。ダウンロードする場合には、I agreeにチェックをいれないとダウンロードボタンが押せないので要注意です。また住所情報入力が必須となっているので入力直後だとダウンロードが出来ないので、時間を空ける必要があります。

いつまで経っても「Account verification is Pending. Please try after some time.」というメッセージが出るだけということであれば、新しいアカウントを作成してならば直ぐにダウンロードが可能のようです。新規アカウント作成はこちらから。確かに新規アカウントだと即時にダウンロード出来ました。

問題のインストーラの在り処ですが、こちらのページがダウンロードページになっています。上記のアカウントログインが出来ていて、住所登録が終わってるならばダウンロード可能になります。

利用は個人利用に限って無償で利用可ということなので、お仕事の現場で利用する場合はライセンスが必要になります。

※なお、ARM向けOS対応ですが、macOSをゲストにインストールして利用することが出来ません。

図:ダウンロードはここ

図:アカウント移行作業してないとこうなる

VMware Desktop Hypervisors

インストールしてみる

インストール作業

親近ストールならば通常通り、dmgファイルをマウントしてインストーラを叩くだけでオッケーなのですが、今回よりBroadcomとなっている関係でアップデートインストールの場合は既存のものが入ってる状態では不具合が出ます。よって、一度インストール済みのVMware FusionをApp Cleanerなどを使ってアンインストールしておきます

インストーラが起動したら指示に従って進めて、途中「VMware Fusion 13 Proに個人使用のライセンスを付与する」にチェックをいれて進める必要があります。完了をクリックしたら終了です。

別途ライセンスキー取得等は不要になっています。

なお、ライセンスキーだけ削除する場合はターミナルから以下のコマンドを実行すればオッケー

図:古いVMwareは削除しておく

図:ライセンスは個人を指定

図:フリーライセンスが適用された

PlayerとProの差

今回よりmacOSユーザは全員Proとなるわけなのですが、何か大きな違いがあるのか?といったところですが、ページがどんどん消えてるのでWebarchiveからサルベージしました。Proバージョンは一般ユーザにとってメリットのある機能といったら、仮想ネットワークのカスタマイズ程度(ネットワーク名の指定や帯域を絞ったシミュレーション機能など)。vSphere接続であったりクローン作成は縁が無いでしょう。

Workstation PlayerとWorkstation Proは結構いろいろ差があったのでお得かもしれない(スナップショット機能や暗号化仮想マシンが使えなかったので)。

図:ちょっと前の比較図

図:ここくらいしか利点はなさそう

Windows11 ARM版を動かしてみる

前のバージョンでWindows11 InsiderのARMバージョンを構築してあったので、起動してみたら仮想マシンは古い暗号化スキームで暗号化されていますというダイアログが出てアップデートを促してきたので、アップグレードをクリック。再暗号化に失敗しましたと出て終ました。ではアップグレードしないで起動できるのか?といったら、問題なく起動しました。

VMware Toolsの再インストールはどうなのか?バッチリインストールも完了するのですが、前の設定がクリアされてるからなのか、Retina Display最適化でやたらと解像度があがり小さな表示に。

一旦シャットダウンしてから、Retina最適化を解除してから再起動してバッチリな表示になりました。

図:アップグレードは出来ない

図:仮想環境はバッチリ起動する

図:解像度上がりすぎて文字ちっさ

M1 Macで動くVMware Fusion 13にWindows11を入れてみた

Windows11 パーフェクトバイブル

その他の検証と懸念点

前回の課題

前回記事ではVMwareがしょぼかったのか、色々出来なかったこともあったのですが、検証してみました。

  • VMware Toolsがしっかりしていて、ドラッグアンドドロップでホストと共有が出来るようになっています。
  • PC正常性チェックではCPUのみが引っかかってる状態(これはUTMやParallelsでも同様)
  • 3Dアクセラレーションに於いてDirectX11に対応しました。
  • 当然ですが、x86, x64のOSは動かないのでそういった需要はUTMを利用しましょう。

動作も軽快でParallels17と比較しても遜色は無い。ただ手軽さはParallelsのほうが上ですね。またBroadcomに買収されたことで、一体この先どうなってしまうのか?という不安がつきまとう。また、vSphereの料金サブスク化などコストも跳ね上がる為、企業のサーバ側では必ずしも代わりになるものではないものの、アプリによってはOpenStackProxmoxへと移行する動きも出始めています。ハイエンド以外では使われなくなるのかも。

中小規模の企業ならばもはや、VMwareを使い続けるという選択肢はITコストの増大を招くだけなのではないかと。

図:CPUのみが要件を満たしていない状態

図:DX11対応

ParallelsからVMwareへの移住は出来ない?

無償ならば個人ユーザはParallesからVMwareに移れば、ライセンス料金分お得じゃないかと考えるでしょう。しかし、ここに懸念点があります。現在のこれらの仮想環境は「ARM」で動いてるアーキテクチャーであるため、基本動かせるOSがWindows11やUbuntuに限られる。UbuntuならばParallelsの仮想環境ファイルである「PVM形式」を「VMDK形式」に変換すればと考える。

この仮想HDD変換にはqemu-imgが利用でき、pvmの中にある「hddやhdsという拡張子のファイル」を「vmdk」へとコンバートすることでVMwareで利用することは可能。

問題はWindows11。現在のWindows11はTPM2.0での暗号化が必須なのだけれど、この解除が必要になる。また、全く別のマシンで動かすのと同義であるためプロダクトアクティベーションが通るのか?といった問題もある。

さらにVMware Fusionがこれからも開発が継続してアプデが続くならばともかく、消えるということを考えるとせっかくParallelsに移住したのにVMwareに移住して、また舞い戻ってくるなんて面倒はしたくない。という懸念点があります。

図:これが仮想HDDなのだけれど

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必ずしも過去の記事が役に立つか?といったらアーキテクチャー自体違っていたりするので利用できないテクもありますが、概ね以前のVMware Fusion 13と変わらず使えるので、ARM版としての利用であれば問題ないのではないでしょうか?また、他の仮想環境との比較でも優位か?といったら別にそうでもないので、ここはお好みになります。

個人的にはもうParallelsに移行してて快適なのと、ソレ以外のエミュレーションならばUTMが最強過ぎるので、正直以前のようにVMware Fusionに出番があるか?といったらあんまり無さそうな気がする。

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