macOSは、正直なところ世界シェア1割程度のマイナーなOSではあるので、どうしても絶対的なデスクトップアプリケーションの数は、Windowsのソレと比較して少ないです。UNIX系のアプリケーションも使えますが、その多くはコンソールアプリケーションで、開発やサーバー系、サービス系になってくるので、一般的なアプリケーションは必ずしも満足の行く環境であるとは言えません。

そんな中、ここ数年でLinuxに於けるWindowsアプリケーション実行環境であるWineが怒涛の進化を遂げており(2019年3月現在、Version4.0)、macOSでもその恩恵を受けられます。Windows用のアプリケーションの多くがその環境を利用する事でmacOS上で動かせるわけです。ということで、今回はmacOS用のWineについてちょっとまとめてみたいと思います。

概要

そもそも、Wineとは何か?Wineとは、Windows用のAPIをLinuxやmacOSのネイティブ環境に実装して、アプリケーションを動かせるようにするプログラムという定義になっています。LinuxやmacOSには当たり前ですが、WindowsのAPIは存在しないわけで、これらをLinuxやmacOS上に用意し、ネイティブOSへと渡して上げてるので、エミュレータとはちょっと違います。また、不足してるAPI類は、Windows用のライブラリをそのままインストールする事で利用出来るようになっているので、特殊なアプリケーションやハードウェアよりのアプリケーションでなければ、相当な数のアプリケーションが普通に動作します。

また、macOS用のWineでは、パッケージ化する事によって、macOS上の単体のアプリケーションとしてappファイルを作成する事も可能になっています。よって、Wineがインストールされていない環境であっても、そのまま実行することが出来るわけです。ちょっとファイルサイズ大きくなりますが。

動作検証アプリケーションリストを見てみると、.NetアプリケーションやOfficeといった大規模なソフトウェア、多くのフリーソフト類やシェアウェアといった小粒なソフトウェア、一部のDirectXを利用したゲーム、古い16bitアプリケーション〜64bitアプリケーションまで多種多様です。過去の資産を直接的に活用する上では、VMware Fusionのような仮想環境といった大規模な仕組みを使わずとも、ネイティブアプリケーションの1つとして動作させられるのは、非常に魅力的です。

ちなみに自分がよく使うNotepad++動作検証結果はSilverやGoldとなっており概ね良好です。以下にメリット・デメリットをまとめます。

  • 16bitアプリケーション〜64bitアプリケーションまで幅広く対応しています。
  • Retina Displayに対応
  • Microsoft Office 2013まで対応しています。
  • DirectX(4.0では12に対応)を利用したアプリケーションを実行できます
  • .NETアプリケーションを実行できます。
  • ライブラリを追加する事で動かなかったアプリケーションも動かせるようになります(VB6アプリ等のランタイム等は代表例)
  • appパッケージ化して、他のMacでも単体で動かせるようになります。
  • ネット接続CD-ROMアクセスUSBドライブなども扱う事が可能です。
  • ISOディスクイメージをマウントしておけば、CD-ROMドライブとして利用する事が可能です。
  • ちゃんと音がでますよ。
  • 一部でフォントが文字化けするケースがあります(対応策有り)
  • 一部のライブラリは環境によってインストールが続行できない事があります。
  • 必ずしも全部のアプリケーションが実行できるわけではありません。
  • 仮想のCドライブ以外にも、ホストのMacのドライブにもアクセスする事が可能です。
  • 互換モードはWindows95〜Windows10まで幅広く対応しています。
  • macOSネイティブアプリであるかのように扱えます。Exposeや仮想デスクトップ間での移動など、ファイルのドラッグ&ドロップにも対応。
  • app化したパッケージはそのまま配布する事が可能です。
  • OfficeやInternet Explorerなどの大きなアプリケーションも結構動作します。
  • パッケージ化したアプリケーションはドックにもアプリケーションとして登録出来ます。
  • VMware Fusionのような仮想環境ではないのですぐ起動して使え、動作も高速・軽量。OSを用意したり環境構築が必要ない

オリジナルのWineについて

WineはもともとLinux上でWindows用のexeファイルを実行できるようにする目的で作られたものです。その後、UNIXであるmacOS用にも移植されて、現在は簡単にpkgファイルからインストールが可能です。2019年3月時点での最新版は、4.3となっています。

Wine 1.6からはXQuartzは必要ないとのことですが、一応、XQuartzを入れておくと良いでしょう。また、XCodeも必要となるので入れておきます。

Wineインストール中は、64bit Supportのチェックが外れているのでチェックを入れておくことで、64bitアプリケーションを動かすことが可能になります。アプリケーションフォルダにappがインストールされます。

アプリを起動する時は、exeファイルを右クリック -> このアプリケーションで開く -> Wine Stable.appで開けます。prefixの編集などは手動になりますが、

でWineTricksを入れておくと編集しやすくなります。起動中、wine-monoとgeckoをインストールするか?聞かれるが、別にインストールは必要ないです。また、以下のコマンドで~/.wine/dosdevices/c:/windows/Fonts/にたくさんのフォントがインストールされます。80書体くらいインストールされるので、結構時間がかかりました。

図:macOS用pkgのインストール画面

図:Windows95伝説のゲームHoverを動かしてみた

図:WinetrticksでWindows DLLをインストール

主なmacOS用のWine環境

macOS用Wineは基本コマンドラインで操作するツールで、例えばアプリケーション環境の管理する機能がありません。そこで管理機能をもたせたWine環境を使うのが通常です。おすすめは有償ならばCrossOver Mac一択。無償のツールはMikuInstaller-Kaiです。しかし、有償のCrossOver Macと比較すると動くものが少ない印象。

CrossOver Mac

自分が現在好んで使用してる有償のWine実行環境がこのCrossOver Mac。購入は現在は、CodeweaverかStackSocialなどのネットショップで、およそ6000円ほどの価格ですが、十分その価値はあるソフトウェアです。非常に扱いやすく、アプリケーションのインストールやWine設定のしやすさ等、他のWineアプリケーションより圧倒的に上です。時々、Stacksocialで他のアプリケーションとのバンドルで格安の600円くらいで売ってることもあります。(以前は、AmazonやVectorでもダウンロード販売されていたのですが)。

また、最新のCrossOver MacではWine3.14ベースとなり、Office2013のサポートや64bitアプリケーションのサポートなどが含まれており、macOS Sierraでも普通に動作しています。日本語インターフェースですのでご安心を。あのAccessも動くらしい・・・

ちなみに、レジストリエディタを起動して編集したい場合には、コマンドを実行にて「regedit」と入れれば、Windows同様にレジストリを操作する事が可能です。更に、CrossOver Macは、ドラッグアンドドロップでファイルを開くことも可能。

図:ボトルの管理画面

図:16bitアプリケーション動く。流石。

図:Windows版しかない便利なMySQL管理ソフトも動く

PlayOnMac

どちらかというと、ゲームでの利用を目的とした日本語インターフェース(不完全ですが)も備えているLinuxでも有名なPlayOnMac。無償で使用できる上に、GUI上で用意されてるアプリケーションをそのまま簡単にインストールが出来る。また、ゲームでの利用を目的としてるというだけあって、Skyrimなどのアプリケーションも動くようだ。軽量な3Dアプリケーションであれば、もっと行けるんじゃないでしょうか?動くアプリケーションリストを閲覧してみると、やはりゲーム系が多いですね。GOGSteamなどのアプリケーションも乗ってますね。

図:Wine 4.0がインストール可能になっています。

XQuartzのインストールが必要になります。XCodeも入れておいたほうがいいです。16bitアプリケーションは動きませんでした。CD-ROMからのアプリケーションのインストールやフォントの文字化け問題などちょっと癖がある。試しにA列車で行こう4 for Windows95をインストールしてみました。Wine設定での表示フォントの設定と、macOSのフォントフォルダにMS P ゴシックやUIゴシックを入れる事で全体的に文字化け問題が解消出来ました。

また、大きな特徴として使用するWineのバージョンを変更できるという利点があります。また、インストール用スクリプトがPlayOnMacのサイトに設置されており、クリックするだけで簡単にインストールが始められるようになってたりします。

  • フォントのインストール先は、Macintosh HD⇒システム⇒ライブラリ⇒Fontsフォルダです。
  • CD-ROMといっても、ISO化してマウントすればCD-ROMとして使えますので実際のドライブである必要性はありません。
  • オプションライブラリを同時にインストールできます。dosboxオプションまであるという事は、DOSゲームも行けるかも!?
  • アプリケーションのインストール先は/Users/ユーザ名/Library/PlayOnMac/wineprefix以下です。
  • CD-ROMからのインストールは、Read a CR-ROMでマウントしないとインストール自体できないです。ちょっとややこしい。

図:ここにインストールされる

図:A列車で行こう4を動かせた(感激)

WineSkin

WineSkinもmacOSでは割りとメジャーに利用されている実行環境です。他のアプリケーションと違って、単独のappパッケージを作成する事が出来、macOSの世界では、PS2エミュレータであるPCSX2をこれでパッケージ化して、PCSX2を動かせるようにしたものが配布されていたりします(オリジナルのMac版が開発停止になっている為、Windows版をこれで動かしてるわけです)。利用にはXquarzが必要となります。

非常にシンプルなGUIでパッケージを作る事を主体としています。またインターフェースが英語なので、ちょっと抵抗がある人はいるかもしれませんね。Windows版のアプリをmacOS向けに配布したい人や、ちょっとだけ使いたいという人には最適な選択肢です。

また、Windows版Steamでしか配信していないゲームを、MacでやるためにこのツールでWindows版Steamクライアントをパッケージしてプレイしてる方もいるようです。パワーのあるMacであればこういった使い方もあるんだなという良い事例ですね。

EasyWine

簡単にmacOS上でWindowsのexeを実行できるようにというシンプルな目的の為に作られたのがEasyWineです。但し、他のWine環境と異なり、Wine設定の編集機能やボトル作成機能などは存在しません。よって、動かないアプリケーションも結構あります。ということもあって、自分は殆ど使っていません。

初回起動だけ、MonoのインストールとGeckoパッケージのインストールがありますので適当に進めます。実行してみた感想ですが、フォント関係でのトラブルもなく、また、Wineで動いてるアプリケーションもmacOSネイティブアプリケーションと同じくExposeで移動出来たりもしますが、起動がちょっと遅いです。16bitアプリケーションは動きませんでした。

Mikuinstaller-Kai-kit

嘗て、macOSでのWine実行環境として名を馳せたのが、MikuInstaller。しかし、大分前に開発がストップしており、もともとがボーカロイド for Windowsを動かすことを主目的として作られたWine実行環境ということもあって、現在はあまり使われていません。しかし、他のWine環境が伸びてくるまでの間、かなり長い間、Wine部分の入れ替え等方法を利用して、延命されてきました。

そのMikuInstallerの中身を入れ替えるのを簡単に行い、最新版のWine環境をMikuInstallerに作るのが、このMikuInstaller-Kai-Kitです。但し、macOS本体に入れたWineを使うタイプの改造ではなく、旧来のMikuInstaller内部にあるWineを入れ替えるものであり、色々手動で作業もしなければならないので、そこそこ上級者向けのパッケージです。XQuartzは必須ではないですが、入れておいたほうが良いです。

入れ替え作業完了後の新MikuInstallerのディスクイメージは/var/folders以下の場所に生成され、具体的なパスはターミナル画面に表示されています。Wineは3.0ベースにアップデートされます。

ちなみにMikuInstaller上でインストールしたアプリのインストール先は、/Users/ユーザー名/Library/Application Support/MikuInstaller/prefix/default/drive_c/となっています。

図:中身入れ替え中

図:バージョン表記が変わってる

図:昔のお楽しみゲームパックのゲーム起動してみた

Porting Kit

WineSkinベースで作られてる新しいmacOS用のWineアプリケーションです。Porting Kitの名の通りすでにWineSkinで移植されてるゲーム類などをダウンロードして遊べるようになっています。また、自分でアプリケーションをインストールして、ボトルを作ることができるようなのです。主にゲームの移植を目的としてるアプリケーションのようで、インストール後のセッティング関係は、WineSkinそのものです。

しかし、インストール画面は日本語アプリケーションでは文字化けし、また、Wintricksでフォントを入れれば文字化けは解消しますが、自分の場合手持ちのアプリケーションは1つも動作しませんでした。Wineは使用するバージョンを変える事が可能ではあります。

WineBottler

WineBottlerはmacOSでは割りとメジャーなWine実行環境です。単体のappパッケージを作成する事も可能です。パッケージ化するだけでなく、デフォルトで用意してあるテンプレートを使ってパッケージを作る事も可能。追加のライブラリをインストールする事で、DirectXやFlash、日本語フォントなどを含める事が出来る。しかし、英語インターフェースであるのと、追加ライブラリの選択画面が狭いので使いにくい。利用にはXquarzが必要になります。

しかし、日本語文字化けの問題や、追加ライブラリは何を入れれば良いのかが非常にわかりにくい上に、パッケージ化失敗も頻発するので、正直オススメ出来ない。

図:細かいカスタマイズが難しい

WinOnX 64

後発のmacOS向けのWine実行環境で、Mac App Storeで入手が可能です。アプリ内課金制度になっています。NETもサポートしており良さそうな感じなのですが、自分は試していません。ウェブの評判を見てみると、やはり日本語の扱いに難があり、インストールどころかインストーラが日本語環境ではクラッシュするという報告もあります。同じ有償ならCrossOver Mac買うのが無難です。

使い方

使い方は難しくありません。仮想環境と違ってOSは必要ないので、基本直接インストーラを叩いてインストールしたり、exeを直接叩くだけで実行できます。それぞれボトルと呼ばれるディレクトリが用意され、そこへインストールする事になります。ライブラリを追加する事で動作するアプリケーションも増えますので同じボトルにインストールしておきましょう。また、動作想定してるOSの設定は、Wineprefixを弄って指定しますが、GUIが用意されているので、初心者でも扱えます。

CrossOver Macを使ってみる

インストーラでインストール

そのままインストーラファイル(exeやmsiファイル)を叩くだけで実行出来ます。予め想定OS毎にボトルを用意しておくと良いですが、インストーラ実行時に作成も可能です。自分の場合、XP用ボトルの他に一時利用目的のボトルを別途用意して使い分けしています。インストールが完了するとアプリケーションフォルダ以下のCrossOverフォルダ以下にアプリケーションのメニューが登録されるので、これをドックに登録しておくと便利でしょう。

今回は古いですが、Microsoft Office2003をインストールしてみたいと思います。

  1. インストーラを実行する
  2. インストールするボトルの新規作成もしくは、インストールするボトルを選択する
  3. インストール実行をする
  4. 普通にインストーラが立ち上がるので、そのままインストール作業を続行する
  5. インストールが完了すると、プログラムメニューおよびCrossOverフォルダ以下にappとして登録される。
  6. 普通に起動します。
  7. アクティベーションもきちんと出来ました。

実行してみた感想ですが、仮想環境ではないので、非常に高速で動作します。VBA関係もバッチリ動作します。WSH辺りのライブラリを追加すれば、VBAの利用範囲も広がるでしょう。キー操作もMacのそれと変わりませんので、非常に扱いやすいですし、もちろん、Macのディレクトリも見えるので、ファイルを開く事も可能です。自分はNotepad++がお気に入りなので、ドックにはそれを登録してあります。

Macで実行できるappは、ユーザのホームフォルダ直下のApplicationsフォルダ内のCrossOverフォルダ内に格納されています(パスとしては、~/Applications/CrossOver

図:Excel 2003を起動してみた

exeを直接叩く

exeを直接叩いて実行できます。インストーラではないので、そのままではインストールが出来ませんし、メニュー登録もされませんが、ちょっとしたプログラムを実行するだけであるならば、これもまた便利です。しかし、ずっと使いたい事もあるでしょう。また、VB6アプリなどはランタイムが必要なので、exe単体では起動しないので、それでは困ります。ということで、ここでは、exeのみのファイルのインストールとメニュー登録をやってみたいと思います。

今回はカイロソフトのゲーム発展途上国 II DXを入れてみたいと思います。

  1. ボトルの管理画面より、あらかじめインストールしたいボトルを用意しておく
  2. ボトルの管理画面より、そのボトルのCドライブを開くボタンを押す
  3. Program Filesを開き、そのフォルダ内にダウンロードしてきたファイルを解凍して、フォルダ毎入れる。
  4. メニューより、【プログラム】の中の「コマンドを実行」を開く
  5. ダイアログで、先ほどのボトルを選択し、その後、参照ボタンを押す
  6. 実行したいファイルのexeをProgram Filesから探しだして選択する
  7. 【プログラムメニューよりコマンドを追加】ボタンを押す。
  8. 暫く待つと、インストーラの時と同じくプログラムメニューとCrossOverフォルダ以下にそのexe実行用のappが登録される

実はこのアプリケーション。そのままだと実行出来ません。Visual Basic 6.0ランタイムが必要ですので次の項目の「ライブラリを追加する」を実行する必要があります。

図:無事に起動しました。

ライブラリを追加する

Visual Basic6.0時代のアプリケーションや、その他追加ライブラリが必要な場合、そのままではインストールしても、動作しません。インストーラがVisual Basic6.0ライブラリもインストールしてくれているならば問題はないのですが、単発のファイルの場合手動でインストールしておかなければなりません。今回はその作業をしてみようと思います。

今回は、Visual Basic 6.0 ランタイムをインストールしてみたいと思います。

  1. ボトルの管理画面より、対象のボトルを選択して、アプリケーションタブを開く
  2. アプリケーションのインストールボタンを押す
  3. サポートアプリケーションに対象のインストーラが用意されているので、検索でvisualと入れれば探しやすい
  4. そのままインストールを実行する
  5. ボトルのアプリケーション一覧にVisual Basic 6.0のランタイムが登録される。
  6. これで動かなかったアプリケーションを実行してみる

図:Visual Basic 6.0ランタイムインストール

ボトルの設定を行う

ボトルの管理画面では、そのボトルに対する様々な設定を施します。これまで紹介したライブラリの追加やそのボトルのCドライブを開く画面もここから開くわけです。さらにボトル自身の設定としてWineprefixの設定やコントロールパネルも用意されています。デフォルトURLやデフォルトボトルの指定などが出来ますが、ここではWineprefixの設定を紹介します。

今回は、想定するOSの指定を変えてみたいと思います。

  1. ボトルの管理画面の下のほうにあるコントロールパネルタブを見る
  2. Wine構成を選択して、選択したツールを起動ボタンを押す。
  3. 早速開いたWine設定画面のアプリケーションタブの下に「Windowsのバージョン」があるので選択する
  4. OKボタンを押す

これでそのボトルは指定のWindowsとして振る舞うようになります。他にもこのWine設定には、アプリケーションが使用するGUIフォントの指定やドライブの指定などが行えるようになっています。特にこの2点は重要なので、ポイントに別途利用方法を記述しておきます。

図:Windows10で動作を指定してみた

PlayOnMacを使ってみる

CrossOver Macは有償プロダクトなので買わないと行けません。どうしてもお金がなくフリーソフトでなんとかならないだろうか?と言った場合の選択肢はPlayOnMacになります。他のWine環境もいいのですが、どうしても一長一短で扱いにくいのですが、PlayOnMacは結構手厚くサポートされているのでオススメです。若干変な場所が無いわけじゃないのですが、フリーでは間違いなくオススメです。ただし、インストールにまつわる操作はかなりややこしいです。

基本的な扱い方そのものは、CrossOver Macと対して変わりません。exeを直接叩くという基本、Wine設定を行う点は同じです。

ゲームをインストールしてみる

CDからゲームをインストールしてみようと思います。若干癖があるので注意が必要です。また、古いソフトの場合、インストール後にフォントの設定を弄ったりする必要がありますので、それについてはポイントに記述しておきます。参照してみて下さい。

今回はちょっと古いですが、A列車で行こう4 for Windowsをインストールしてみたいと思います。

  1. UIからインストールボタンを押します。
  2. 左下のリストにないプログラムをインストールをクリックする(なぜかリストは表示されないが)
  3. Wizardが始まりますのでちゃっちゃと次へ進みます。
  4. 手動インストールが始まるので、Install a Program is a new virtual driveを選んで次へ進みます。
  5. ボトル名を付けて次へ進みます。
  6. 次の画面では、ここでWine設定も出来ますが、後でもできるので取り敢えず今回は進めます。
  7. CD-ROMが認識されていれば、CD-ROMというものが出てきます。HDD上のインストーラなら他のファイルを選択を実行します。
  8. インストーラが立ち上がるので普通にインストールします。
  9. ここからが癖があるので注意。インストールが終わると、A4のプログラムが起動しますが、一旦閉じます。但し、ここは文字化けしてると思います。
  10. ショートカット作成画面があります。ここでは必要なショートカットを作っておきましょう。作らないと次回移行の起動が面倒です。
  11. macOSのデスクトップとPlayOnMacの画面にプログラムが登録されます。
  12. もう必要なければ、I don’t want to make another shortcutを選択してオシマイです。
  13. macOS側デスクトップ上のファイルのショートカットは削除してしまって問題ありません。
  14. PlayOnMac上でA4を起動させる。CDが必要なゲームはあらかじめCDを入れておく必要性があります。

以上です。CrossOver Macと違って、ひとつのボトルに複数というよりもアプリケーション単位でボトルを用意するといったタイプです。それぞれに設定があるので注意が必要です。また、中には動かないものも当然ありますので、その場合は他のWine環境か仮想環境を利用する事になるでしょう。Simcity2000は動きませんでした。GOG版のほうは動くかもしれませんが。

設定を弄ってみる

CrossOverと同じくボトルの設定をWine設定でいじることが可能です。また、PlayOnMacの場合には更にレジストリも直接いじる事が出来るようになっています。対象のアプリケーションを右クリックして「configure wine」でWine設定が開きます。「レジストリエディタ」でレジストリ編集が可能です。

既存のアプリにライブラリを追加

ちょっとだけこれ、面倒です。手順は新規にプログラムのインストールと同じなのですが、途中から手順が変わります。以下にその手順を記します。

  1. 普通に新規インストールを開始する
  2. 手動インストール画面では、Edit or Update an Existing applicationを選んで次へ進む
  3. インストール済みプログラムを選択します。
  4. この画面で使用するWineのバージョン変更、Wine設定変更、ライブラリの追加が出来ます。
  5. install some librariesを選択して進みます。
  6. 用意されてるライブラリしか追加できませんが、そこそこ揃ってます。DirectX類やffdshow等選べます
  7. 選んだらそのまま次へ進みます。
  8. あとはインストールに従って進めるだけです。

Wineskinを使ってみる

CrossOver MacとPlayOnMacで大抵の用途は足ります。しかしこの2つのWine環境は配布可能なappパッケージを作る機能は持っていません。そこでパッケージを作って配布したい場合には、WineskinやWineBottlerを利用する事になります。但し、ちょっとだけ難しいです。また、パッケージが2015年からメンテされていないので、使い続けるのは難しいと思います。WineBottlerはまだメンテナンスが継続しています。

現時点で対応してるWineのバージョンは2.2と古めです。

Wineskin側の準備

Wineskinを起動して、まずは空っぽのappを作成します。Install EngineWrapper Versionを確認してください。ここが空っぽの場合には、それぞれ追加とupdateを実行してください。その後以下の手順で作成します。

今回は比較的単純なNotepad++のパッケージを作ってみたいと思います。

  1. Create New Blank Wrapperをクリックする
  2. アプリケーション名を入れます。
  3. MonoとGeckoのインストールが必要であるならば、インストールを実行する。
  4. 完了したら、View Wrapper in Finderをクリックする

Wineskin app側の設定

引き続き、Finderに表示された作ったばかりのWineskinアプリを実行します。小さなダイアログが出てきます。以下の手順でアプリケーションのインストールとパッケージ化を完了しましょう。

  1. Install Softwareを実行する
  2. Installer画面に於いて、今回はインストーラを使うので、Choose Setup Exectableをクリックします。下のオプションは手動でフォルダごとぶっこむ時のオプションです。
  3. Notepad++のインストーラを選択する。
  4. Notepad++のインストーラが実行されるので、そのままインストールを進めて完了させる。
  5. 完了したら暫く待ちます。
  6. Choose Exectable画面が出たら、どのexeを実行するかを選択します。通常はもう選択された状態になっていますので、そのままOKボタンを押します。
  7. 元の画面に戻ってきます。
  8. Screen Optionは画面表示上のオプションです。必要な人だけ設定すれば結構です。今回のアプリケーションには不要なので、飛ばします。
  9. Advancedは高度な設定です。作ったappのアイコンを変更したり、Optionsで実行時の特別なオプション指定、Toolsタブにてレジストリ操作、Wine設定を追加したり出来ます。
  10. 更にライブラリが必要であるならば、継続してInstall Softwareでライブラリをインストールすれば良い。
  11. 一度この画面で、Test Runを実行し、問題がなければOK
  12. 全部無事に設定を終えて最終的にOKであるならば、そのまま閉じます。

作成したappはMacintosh HD⇒ユーザ⇒(ユーザのフォルダ)⇒ Applications ⇒Wineskinの中に作られています。全部完了したらこのappを実行するとNotepad++が起動するようになります。一度設定を完了してしまうと、変更できませんので注意。そしてこのappはそのまま他の環境に配布して動かすことが出来ます。macOSアプリは作れないけれどWindowsアプリが作れるし、使って欲しいという人はこの手法でmacOS用アプリを作って配布しても良いかもしれませんね。

  • 但し、二次配布する場合にはライブラリ等のライセンス類には気をつけてくださいね。
  • ファイルサイズはWine実行環境込みになるのでかなり大きいです。Notepad++で190MB程度になりました。

図:設定は作った空のappから行うのがポイント

ポイント

Wineを使う上で避けられないのがフォントの文字化け。Wineは仕様上システムフォントはMacのソレを使うようになっているので、古いインストーラやプログラムで一部文字化けするケースがあります。この文字化け対策は2点あり、両方共実行しておくと良いでしょう。

Wine設定からシステムフォントを変更

概ねのアプリケーションはこの設定のみで行けるでしょう。Wine設定を開いたら、以下の設定を実行してみましょう。予め、VL GothicなどをmacOSにインストールしておくと良いでしょう。

  1. Wine設定の「デスクトップ統合」タブをクリックする。
  2. アクティブタイトルのテキスト、ヒントのテキスト、メッセージボックスのテキスト、メニューのテキストの4種類のフォントを日本語フォントに変更しておく。サイズは10ポイントが最適。選んでOKを押したら、都度「適用ボタン」を押すこと。これをしないと反映しない事がある。
  3. OKボタンを押して完了

以上です。これでメニュー等の文字化けが解消するはずです。デフォルトだと変なフォントが指定されているケースが多いので、必須のカスタマイズ設定だと言えます。一番のベストはMS UI GothicをWindowsから持ってきて、fontディレクトリに入れてしまうことです。

MS Gothicフォントをインストール

プログラムによっては、デフォルトでMS UI Gothicが指定されてしまってるケースがあります。その場合、当然macOSにはインストールされていないので、似たようなフォントが割り当てられてしまうので、文字化けを起こす事があります。これに対処するためには、macOSのFontsフォルダにこのフォントをインストールするしかありません。

  1. Mactintosh HD⇒システム⇒ライブラリ⇒Fontsを開く
  2. 自分が所持してるmsgothic.ttc, msgoth04.tccなどダブルクリック。
  3. フォントをインストールをクリック
  4. 再起動する

これでWineの中のアプリケーションがそのフォントを読みに行ってくれるので文字化けが解消するはずです。また、このフォントを使った場合、妙に滲んだ表示が解消されます。必須のテクニックと言えますね。自分はMac側ではなく、CrossOver MacのボトルのCドライブ⇒Windows⇒Fontsディレクトリに格納しています。

レジストリを修正する

レジストリが原因で文字化けするケースがあります。Wineのボトルに入ってるレジストリに登録されたアプリケーションが読みに行ってるフォントがMS UI Gothic等に固定されてるケースがソレです。自分の場合、VL P Gothicをここに指定しています。これらに関しては、こちらのサイトが詳しいのでこちらを参照すべきでしょう。フォントリンクでtahomaやverdana指定されてる設定を別のフォントにつなげて解消する方法についても記載されています。

尚、PlayOnMacは簡単にボトルのレジストリエディタを起動できますが、CrossOver Macはタスクを実行からregeditとして実行しないと起動する事はできませんので注意。

図:レジストリエディタを起動してみた

ISOファイルを使いたい

Wineはホスト側でCD-ROMとして認識されているものであるならば、Wine内でもCD-ROMとして利用する事ができます。故にISOファイルであってもCD-ROMとして認識させることが出来ます。ホスト側でISOファイルをマウントするだけです。プログラムをインストールする場合には、予めマウントしておいてそれからWine側でインストールの設定を開始しましょう。Wine設定を見てみると、ドライブにきちんとマウントされたISOファイルが見て取れます。

関連リンク

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