低価格なEaseUS PDF Editorの実力を探ってみた

以前、法人向けという事でJustsystemのJUST PDF 4を使ってみた記事を書いたことがありますが、2021年4月に、個人向けPDF編集ソフト界隈に新たに、EaseUS PDF Editorが登場しました。

個人利用や中小企業でAcrobatの導入は正直、価格面でも現実的ではないのと(Acrobatは年間利用料が18,000円〜となってる)、多機能すぎるのは使い手の抵抗を感じる所。今回は実務の現場で出会ったシーンを元にこの新しく出たばかりのPDF編集ソフトの実力を探ってみたいと思います。

ちなみに本体は公式サイトからダウンロードした後、購入するとキーが手に入るので登録することでフル機能が利用可能になっています。

今回使用するソフトウェアと資料

今回のPDF編集ソフトは、現時点ではAmazon等ではなくサイトからの直購入になります。買い切りならば10,549円(税込み)となってるので、Acrobatの年間利用料よりも遥かに安いです。

図:購入パターンは3パターンある

実際に使ってみた

PDF関連で実務で利用する機能に絞って、実際に使ってみました。今回使用する資料のPowerPoint形式のファイルからPDFを生成・編集を題材に使ってみています。本体のアプリ自体の起動はJUST PDF 4やFoxit Phantom PDFと比較して非常に高速でした。

複数のファイルを一括で変換・暗号化であったり、コマンドラインから操作して変換を自動化などがあれば尚いいなと思う所です。

編集をしてみる

PDF編集ソフトの最も基本的な機能。PDF Editorもありとあらゆる編集に対応しています。主な例を上げると

  1. テキストや注釈を新たに追加したり、既存のテキストを書き換える
  2. 既存のテキストの書式を変更する
  3. 画像を追加・編集する
  4. 既存のPDFのページの入れ替え、削除、追加(結合)

などなど。但し、保護の掛かっているPDFファイルはパスワード入力で保護を解除しなければ編集・追加・削除は行うことが出来ません。印刷保護さえされていなければ、Microsoft Print to PDFなどを利用して再度PDFとして印刷して別物を作れば、これらの保護は解除が可能です。

ダイレクトに編集してダイレクトに保存するので、PowerPointのようなスタイルで作ってゆくことが可能です。

図:基本的な動作は全く問題なし

変換をしてみる

PDFへと変換する

Microsoft Officeの場合、デフォルトでOfficeファイルをPDF化する機能がだいぶ前から装備されています。その他OS標準でもMicrosoft Print to PDFというPDFプリンターが装備されているので、どんなファイルであっても開けるソフトがあればPDFに変換する事自体は容易です。

今回は、PowerPointの入っていないPCでPDF変換を利用して変換してみます。ちなみに、Foxit Phantom PDFで同じ事をやってみたのですが、変換出来ませんでした(PowerPointが入っていないと変換出来ないみたい)。変換手順は以下の通り。

  1. EaseUS PDF Editorを起動する
  2. PDFを作成をクリック
  3. 変換したいファイルを選択する
  4. 変換中のようすが終了するまで待つ
  5. 変換が完了したら、「ファイル」→「名前をつけて保存」でPDF化は完了

今回のPowerPointファイルは画像も多く、ページ数も60枚あるのですが、およそ2分程度でPDF化が完了しました(PCのスペックで大きく変わります)。

変換してみた結果としては

  1. PowerPointがなくとも変換できました。
  2. PowerPointのパーツのリンクもバッチリ反映されていたので、クリックで外部URLを開くことができました。
  3. 大きなレイアウト崩れはありませんでした(一部のテキストボックスの幅が狭く調整が必要なケースがありました)
  4. 透過率を設定してるパーツなどは暗くなるといったケースがありました。

概ね良好かと。変換スピードも枚数の割にはかなり早く完了したと思います。

図:PDFへと変換中

Officeファイル等へ変換

EaseUS PDF Editorには機能の1つの特徴的なのが、PDFからOfficeファイル等への逆変換機能がついてることです。これはこれで通常は別個にソフトウェアを購入するのが普通なのですが、このソフトウェアは標準でそれが可能です。OfficeファイルだけでなくHTMLや画像ファイルへの変換も可能です。

試しに厚生労働省の人口動態統計速報のPDFの表部分を取り出して、Excel形式に変換が掛けられるのか?やってみました。

  1. 対象の表の入ってるPDFをEaseUS PDF Editorで開く
  2. メニューの「変換」をクリックし、「Excel」を選択
  3. 変換が完了するとExcelで開けるようになる。

実際に厚労省のファイルを変換してみましたが

  1. 図ではなくデータの形式のPDFなので変換自体は出来ました。
  2. 但し元のPDFの作りが悪いのか、たしかに表形式で取り込めましたが、セル結合されてるエリアがあったり、逆にそうではないところがあったり、結構ムラがありました

正直政府系のPDF資料はその作りが割と酷いものが多いので、今度は同サイトのxlsx資料をMicrosoft Print to PDFでPDF化し、このファイルをEaseUS PDF Editorで読み込んでみました。

その結果は、バッチリ取り込めたので、厚労省の当該PDFは作成者がオカシナ作り方をしているのではないかと推測出来ます。総務省公開のデータの統一ルールに従って作っていれば、PDF化されていても再度Excelで変換がオカシクなることは無いと思います。

図:逆変換機能が標準でついてるのは珍しい

図:変換は元のPDFの作り方に大きく影響を受ける

図:きちんとしたデータはバッチリ変換出来た

パスワード保護

PDFには、編集保護であったり印刷禁止であったり、また開くこと自体をパスワードで制限するといった機能があります。EaseUS PDF Editorでもこれらが設定出来るようになっていて、実務の世界でも頻繁に使う機能の1つです。

制限の掛け方ですが

  1. EaseUS PDF Editorにて対象のPDFファイルを読み込む
  2. メニューより「保護」をクリック
  3. サイドバーが出てくるので、パスワードで暗号化をクリック
  4. ダイアログが出てくる
  5. 開くこと自体を制限したい場合は、ドキュメントを開くでパスワードを設定する
  6. 印刷や編集を制限したい場合は、許可の中の印刷と変更の項目を「なし」にする。
  7. コピペを制限したい場合は、テキスト、画像および他のコンテンツのコピーを有効にするのチェックを外す
  8. 最後にOKをクリックして保存する

次回以降このファイルを開くにはパスワードが必要になります。またPDF Editor上で逆にセキュリティ解除を行えば、以前のプレーンなPDFに戻ります。

図:豊富な保護機能

図:開くにはパスワードが必要

ブックマークを作成

PDFを閲覧するときに左サイドバーにページのスクショではなく、タイトルなどが入ったものを見かけると思いますが、あれは各ページへのブックマーク(しおり)です。勝手に生成されてるのではなく、PDFに手動で作成するものになっています。アウトライン的にこのブックマーク一覧から該当のページにダイレクトにジャンプ出来るので、丁寧なPDF資料を作るならば必須の機能になります。

EaseUS PDF Editorでは以下の手順で作成します。

  1. EaseUS PDF Editorで対象のPDFを読み込ませる
  2. 左サイドバー真ん中のブックマークのタブを開く
  3. 現在見てる位置にブックマークを差し込むので、差し込みたいページの位置までスクロールさせる
  4. ブックマーク追加ボタンをクリックしてタイトルを入力
  5. 保存して完了

使ってみたのですが、単純なブックマークしか作れず、他のブックマーク項目にぶら下げるツリー状のブックマークは作れず(ツールチップにはブックマークツリーの名称があるのですが)。よって、現在は平坦なブックマークしか作れないようです。こちらのPDFのように親項目に子、孫項目としてブックマークがぶら下げられたら良いのですが。

図:簡単なブックマークだけならば作れる

気になる機能を検証してみる

フォーム入力PDF作成

最近多く見かけるようになった「入力可能なPDF」。テキストボックスやラジオボタンなどで選択したものをそのままファイルとして送ることが可能です。Excelなどと違って、入力者によってレイアウトを破壊される事もなく、また複雑なものだと入力内容に応じて、次の項目を変化させるなんて事も可能になっています。

このPDF Editorもフォーム入力可能なPDFが作成可能になっているので、早速使ってみました。ちなみに、JUST PDF 4でもいくつも業務でこの手のファイルを作ってるのですが、結構重たく入力項目が100を超えるとちょっとストレスでしたが、EaseUS PDF Editorは果たして・・・

  1. 対象のPDFをEaseUS PDF Editorに読み込ませる
  2. メニューよりフォームをクリックする
  3. 右サイドバーにパーツ類が出てくるので、選んでマウスでドラッグして大きさを決める
  4. パーツに名前をつけて、詳細設定を行う(かなり多彩に設定が可能)
  5. 設定を行ったら保存

これをノーマルなPDF Viewerで開くと設定した箇所に文字を入力したり、チェックボックスならばチェックを入れたりも可能。また、入力項目に対して値を流し込みたいようなケースでは、FDF形式にて手入力せずにファイルをインポートすれば入力が完了するような仕組みも持っている為、他のシステムからFDF形式でファイルを生成できれば、申請書作成の半自動化も可能になるのではないかと(テキストファイルなので、コントロール名と値をセットしたファイルを作れば自動入力できると思います)。

気になったのは、上記手順の3.。まとめると、

  • グリッドに合わせているからなのか、狙ったようなドラッグでテキストボックスを作れないその後枠の大きさを微調整が必要です
  • 一方で、自動で枠線を認識してピッタリのテキストボックスを作ってくれたりもする)
  • 複数パーツをコピペした時のパーツ名を自動的に重複しない名前に自動割付してくれるのはありがたい(JUST PDF 4はそれが出来ない)
  • また、JUST PDF 4よりもパーツ数が多くなっても重くなりにくいのは良いポイントだと思います。

完成したフォーム入力付きPDFはこちら。xlsxのシートからパーツ名と値を読み取って連続で入力して作ってくれるなんて機能があったら最高なんですけれどね・・・

図:基本パーツと詳細な設定

図:入力中の様子

OCR機能

PDFには2種類の大きな区別があり、テキストデータとして入ってるPDFとスキャナでアナログに画像化したものをPDF化したものがあります。後者の場合、テキストデータではなく単なる画像データであるため、このままだとPDFを開いても検索が出来ません。

そこで利用するのが、OCR機能で検索可能なPDFにしてあげる機能。今回太宰治の人間失格の一部分を画像化してみたものをPDF化。それに対してOCR機能を利用して検索可能になるか検証してみました。

  1. EaseUS PDF Editorで対象の画像化PDFを読み込ませる
  2. メニューよりOCRをクリックする
  3. 対象言語から今回は「日本語」を選択して、OKを押す
  4. するとOCR読み取りが作動し、完了したら名前をつけて保存する

出来上がったPDFをmacOSのプレビューで読み込ませて、特定ワードで検索したら無事に対象の文字が検索出来ました。このように画像化されていてもテキスト化して検索可能に出来る事で、単なるPDFよりも利用価値の高いファイルにする事が可能です。

図:画像から文字を認識して検索可能にしてくれる機能

図:元が画像なのにきっちり検索出来た

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