大解像度時代 - GoProで動画を作成する
最近のスマフォは普通に4K 60fpsで動画撮影出来る為、Youtubeでも4K動画や360°動画等も見られるようになってきています。しかしやはり実際に撮影するとなると、スマフォは撮影に特化しているわけではないので、撮影は出来るものの特化してるカメラと比較すると力不足を感じる点が多数あります(何でもスマフォにやらすと、スマフォの消耗が激しく、スマフォ自体の利便性やバッテリー運用に支障をきたす)
とはいえ、今更ハンディカムで4Kも利便性が低いです。そこで利用するのがこの領域では長い歴史のあるGoPro。Hero10がリリースされてなお健在です。今回は特にこの手のアクションカメラを活用できる「登山」や「車載動画」などにフォーカスを当てて活用してみるテクニックをまとめてみました。
今回利用する機材等
実際にアクションカメラを活用するには後述する様々なマウントキットやアプリが必要になります。
様々な撮影テクニック
microSDカードの選択
販売されてるGoProに初期から付属のmicroSDカードだと正直足りません。実際に4K 60fpsでの撮影をしてみましたが、20GB/1時間ほど消費します。またこれだけ大容量の録画となると、書き込みスピードも要求されるだけでなく、頻繁に利用するのであれば、通常のmicroSDカードでは耐久性も気になってきます。
現在自分は、Sandiskの256GBのClass10のmicroSDを利用していますが、スピードの面と容量の面では十分ですが、耐久性が通常販売されてるノーマルなTLCのmicroSDでは割と早く来てしまいます。
そこで利用するのが、MLCのmicroSDカード。熱や稼働時間など耐久性が要求され、書き込みスピードを要求されるドラレコ向けのmicroSDカードは割高ですが、その分耐久性があるので十分元が取れます。但しMLCのものは選択肢がすくなく、容量も低めなので要注意(自分はMLCはTrancendの64GBをドラレコでも使用中。現在も問題なく稼働中)。
アプリで遠隔操作
GoProは基本は単体で利用できますが、それだけでは利便性がちょっと低い(画面も小さいですから操作しにくいですし)。そこで合わせて必ず使うのがスマフォ用のアプリ「Quik」です。Google PlayやApple Appstoreからダウンロードしてインストールします。編集ソフトと書かれてるので一見すると、操作とは無関係に見えますが、これが操作するアプリになります。
スマフォとGoProをBluetoothでペアリングしてから利用することになりますので、事前にペアリングをしておきましょう。
起動したら
- 右上のカメラアイコンをタップする
- GoProをコントロールをタップする。電源が自動で入ります。
- プレビューを有効にする場合、GoPro側のWiFiに接続することになるので要注意。また撮影中はプレビュー表示は出来ません。
- 下の方に、Timewarp/タイムラプス/ナイトラプスの撮影モード、通常撮影モード、写真撮影モード、Live配信モードの4つが備わっています。
- 右上のスパナのアイコンをタップします。
- GoPro自体の詳細なセットアップ項目が並んでいますので、音声コントロールやGPSのオンオフ、SDカード内のファイルの消去、ビデオ圧縮モードなどをお好みで変更しておきましょう。
- この設定で「アンチフリッカー」を50Hzにしてしまうと、4K撮影などで50fpsとなってしまうので、通常は60fpsでOKです。
- 4.の下の方に現在の撮影モードがあり、ここで詳細な撮影のセットアップを行えます。自分の利用するシーン毎に作り込んでおくと良いでしょう。
なお、このアプリを介して最新のファームウェアの更新などを行ったりもするので、
※ナイトラプスなどの撮影時の撮影角度の確認等は実機でやるとやりづらいので、アプリにてスマフォから事前確認するなどをすると撮影がしやすくなります。
図:ビデオモードを作り込んでおきましょう
WiFi接続とペアリング
前述のアプリを遠隔操作でも触れられていますが、GoProはスマートフォンとペアリングする事が可能です。これはGoProの遠隔操作だけじゃなく、更新プログラム(ファームウェアアップデート)等でも必要な事なので、使い方を身に着けておく必要があります。
- GoProのメイン画面で下にスワイプ⇒設定画面で左にスワイプ⇒接続を開く
- デバイスを接続を選ぶ
- 接続はQuikを選択する
- スマフォ側のQuikアプリを開くGoProをコントロールをタップ
- 初回起動時のみ、GoProのWiFiを探索し、後に見つかったWiFiからBluetoothペアリングの実行が求められる
- 接続すると利用可能になる
GoProのWiFiやBluetoothはPC等からは見えないので、スマフォのQuikアプリを利用する必要があります。macOSの場合、WiFi Connect for GoProというツールが有償で売られていますが、動くのかどうか定かじゃありません。
給電しながら撮影する
車載動画を取る場合などは、シガーソケット給電のUSBアダプタからケーブルを引っ張ってきて、GoProに差せば給電しながら動画撮影が可能になります(バッテリー残量を気にせずmicroSDの容量限界まで撮影可能)。ただしノーマルなGoProの場合、USBポートがサイドカバーを開かなければアクセス出来ないので、空けたまま差して給電することになります。
しかし、これでは見た目も具合も悪い。ということで、給電に適したサイドカバーに交換可能です(但し交換することで防水性は失われる)。カバーは固くて取り外しが困難に思えて、実は開いて上に引き上げれば抜けるように作られています。慎重に上に引っ張ってあげるとスポッと取れますので、ここに給電用カバーを代わりにはめ込めば、車載向けのGoProになります。
ドライブレコーダーとして
GoProをドラレコ代わりに使うには対策が必要です。対策とは以下の通り
- 発熱がかなりあるので、夏日などの暑い日にはGoProがハングアップする事があるので、相当冷却に気を使います
- ドラレコの場合撮影し続ける為に給電しながら録画が必要になります。
- 連続で撮影しつづけるため、使用するmicroSDカードは耐久性のあるものが要求されます(常用する場合)
また、ドラレコとしてのGoProの設定としては以下のものになります。
- 解像度とフレームレートは1080p 30fpsもしくは60fpsを選ぶ(30fpsだとLED信号機がチラチラします)
- 広い視野が必要になるので、レンズの設定はSuperViewを選択します(さらにMaxレンズで超広角もアリです)
- 撮影間隔は5分を選択します。5分毎にファイルを作成します(5分サイズで常に上書きされます)
- 揺れに対応する為に、HyperSmoothはブーストを選択しておくと良いでしょう(特に足回り堅い車は)
- マウントポジションは本来は真ん中が望ましい。フロントガラスにマウンタを付けて固定する場合、保安基準に抵触してアウトの場合があるので要注意です。
この設定は+をタップしてモードは「ループ」を選択し、容量節約で撮影を選びます。撮影間隔を5分にしてるため、ファイルは常に5分の容量で撮影され続けます。
※レヴォーグの場合、ルームミラーの裏はアイサイトのカメラなので設置出来ません。保安基準上、フロントガラス上部20%もしくは、ダッシュボードの上などで「撮影で運転の死角にならないように」設置が必要になります。
※熱暴走対策としてシガレットソケットからの給電をしながら撮影にて、バッテリーを事前に抜いておくことで長時間撮影が可能ですが、自動車のイグニッションをオフにするといきなり撮影が終わってしまうので、要注意。
但し、通常のドラレコと違いデメリットがかなり強い。よって、ドラレコというよりもスポットの車載動画撮影で活躍します。主なデメリットは
- ドラレコ特有の常時撮影モードが無いのでmicroSDカードがいっぱいになったらオシマイ。但しループモード機能を使うことで
- Gセンサーに基づく撮影機能が無いので衝突のショック等に応じて自動撮影といったものがない
- イグニッションオンと連動してスイッチが入らないので、常に手動で電源オンと撮影オンの作業が必要。
- 高解像度撮影では発熱で勝手に止まる(回避方法は後述に有りますが、常時利用するとGoProの寿命が短くなると思います)
- バッテリー容量が少ないので外部給電が必須である(前述の給電しながらの方法を使う必要がある)
- セキュリティモードが無いので、イグニッションオフ後の低解像度での撮影で駐車監視は出来ない
アクションカムとドラレコでは全く方向性が違う為、上記のようなドラレコ特有の機能が無い為、GoProをドラレコの代わりに使うのが非常に不便だと思われます。
カメラとして使う
本来はアクションカメラなので動画撮影用なのですが、単体で通常の写真を取るカメラとしても非常に高性能です。しかも、広角と狭角どちらも撮影可能であるとともに、ISO感度の指定やシャッタースピードの指定が可能であるため、「星空の撮影」などが可能になっています。どちらかというとこの星空の撮影の為などでカメラとして使うシーンのほうが多いのではないかと思います(他のシーンはスマフォでも良いわけで)
オススメの設定は星空撮影の場合は
- ISO感度は3200
- ホワイトバランスは6000K
- シャッタースピードは20秒(1枚の画像に20秒間シャッターを開けたままにする)
- レンズは広角
- 解像度は1080
実際に-6℃の柳沢峠茶屋に深夜に撮影してみた要素が以下の画像。ISO感度を下げると暗くなっていくので、個人的には1600でも良いかなと思います。
図:星空がバッチリ撮影出来ました。
図:スマフォで撮影だとこんな感じ
タイムラプス
タイムラプスはタイムワープのような動画ではなく、いわゆる写真を指定の間隔で撮影して一つの動画形式にまとめたもので、基本的には三脚などに固定して撮影する為のものです。タイムワープのような動画撮影ではないので手ブレ補正がありません。
主に、定点観測的な自然の風景などを連続した写真を取り最後に動画形式にまとめて動きのあるものへ加工する為のもので、主に星空などでは有名。但し、GoProの場合さらに夜景撮影用のナイトラプスという機能が存在する。
- スマフォとGoProを接続して、Quikアプリを起動する
- GoProをコントロールをタップする
- 下の方にある撮影モードを右にスワイプしてタイムワープに変更する
- さらに撮影モードの文字をタップして、タイムラプス、タイムワープ、ナイトラプスがあるので、タイムラプスを選択する。
- 鉛筆アイコンをタップすれば詳細なモードの設定を変更可。特に撮影間隔がデフォルトだと0.5秒間隔となってるので、お好みに応じてここを変更する必要があります。
動画:タイムラプス動画の様子
ナイトラプス
タイムラプスの夜空版の機能。基本的にはタイムラプスと同じ。但し、夜空という光の薄い空間を撮影することになるので、それに加えてQuikアプリからは出来ないのですが、GoPro本体上での設定として、Protuneという項目があり、ここでホワイトバランス、ISO感度、EV補正など弄ることで幻想的な夜空を撮影することが可能になります。
かつては専門の機材と撮影テクニックが必要だったタイムラプスですが、ここまで手軽に撮影出来るようになってるのが凄い。また、ナイトラプスはカメラの高感度設定(前述のカメラ設定)を使って夜景を捉えるので、非常にキレイに星の動きを捉える事が可能です(但しシャッタースピードを20秒など開ける必要があるため、タイプラプスと比較して非常に時間が掛かります)
これで20秒に1枚写真を撮ってそれを動画として繋げます。なので1分の動画を作るのに、20分くらい掛かる計算になります。長時間稼働が必要になるので、ポータブルバッテリーなど給電手段も必要になるでしょう。
タイムワープ
いわゆる早送りのような動画を撮影する機能。普通に撮影して動画編集ソフトでタイムストレッチなどを行えば同じことは実現できるわけですが、実際に車載動画でタイムストレッチの作業手間は結構なもので、撮ってはおきたいけれどガッチリ残しておきたいほどではないようなパーシャル区間な撮影の場合は、このタイムワープを使うと作業手間や、無編集で間延びした動画を見させられてうんざりがなくなると思います。
撮影方法は、以下の手順でモード変更を行います。
- スマフォとGoProを接続して、Quikアプリを起動する
- GoProをコントロールをタップする
- 下の方にある撮影モードを右にスワイプしてタイムワープに変更する
- さらに撮影モードの文字をタップして、タイムラプス、タイムワープ、ナイトラプスがあるので、タイムワープを選択する。
- 鉛筆アイコンをタップすれば詳細なモードの設定を変更可。特に速度は何倍速で撮影するかの重要な項目です。
ライブ配信
GoProは本体にライブストリーミング機能が搭載されており、Youtubeライブ(但しチャンネル登録者1000名以上が必要)、Twitchなどに対してライブ配信を行うことが可能です(instagramは未対応)。OBSを使わずカメラとスマフォ片手に手軽に配信が出来る大きなポイントです。
試しにTwitchでライブ配信を行う場合には以下のような手順でセットします。
- GoProとスマフォをペアリングして、Quikアプリを起動する
- GoProをコントロールをタップして、下のアイコン類を左にスワイプ⇒ライブの設定を開く
- Twitchを選択します
- ログイン画面が出るので、ユーザ名とパスワードでログインして、許可をタップ
- WiFiネットワークを選択が出てくるので、スマフォのテザリングや自宅の固定APのSSIDとパスワードで接続します。
- タイトル、説明欄を入力し、解像度は1080pを選択します。
- SDカードにコピーを保存しておくと、後でYoutubeなどにアーカイブをアップする際に役立ちます。
- 続行をタップします。
- しばらく待つと、GoPro側が準備完了と出てくるので、ライブを開始をタップします。
- すると、Twitchのサイトにライブ配信されて全世界に向けて見られるようになります。
- 終了時はスマフォ側のボタンをタップすれば配信終了になります。
自宅の場合は特にこれで問題ないのですが、外出先や車載動画ライブ、登山ライブなどを行う場合には利用できるネットワークがスマフォのテザリングやWiMAXなどのポータブルWiFiのルータになるので、パケット残量や通信速度や精度に気を配る必要があります。また登山や車載ライブの場合、山岳地帯やトンネル通過で電波が届かず配信が途切れる可能があるので、事前に配信をする場合は下調べが必要です。
図:ライブ設定から設定を行う
図:ライブ配信中の様子
Webカメラとして利用する
現時点では公式のアプリ等を利用しても、無線でのウェブカム運用は出来ません。必ずUSBケーブルでPCと接続した上で利用する必要があります。但し、Redditによると、Camera Tools for GoPro Herosを使うことでPC側から無線でGoProの映像を補足して使えるっぽいような話題があったのでいずれテストしてみたいと思います。
デバイス設定
GoProはPCに対する外部カメラとしても機能します。以下の手順でユーティリティをインストールして、設定をすることでTeamsやGoogle MeetのWebカメラとして使えるようになります(但し、解像度は1080pが最高となる)。以下はmacOSを基準に説明します。
ただし、本体の設定として
- GoProのメイン画面で下にスワイプ⇒左にスワイプ⇒接続をタップ
- USB接続があるのでタップ
- MTPになっていたら、これをGoPro Connectに変更する
必要があります。その後、以下の手順でセットアップを行います。
- こちらのサイトにアクセスして、macOSおよびWindows用のウェブカメラデスクトップユーティリティをインストールする
- 再起動する
- インストールしたGoPro Webcamアプリを起動する
- 上部のツールバーにアイコンが表示される
- レンズは広角や狭角などを選択出来、解像度は1080pか720pを選択可能
- アプリもしくはChromeを起動してTeamsやGoogle Meetを開く
- 会議を新しく開く
- Teamsの場合、今すぐ参加のボタンの下にあるBuilt-inをクリックする
- カメラをGoPro Webcamに変更する
- 今すぐ参加をクリックすると、GoProがウェブカメラとなりPCのカメラはオフになる
※但し、macOS Sonoma以降ウェブカムとして正常に認識動作しない障害が発生しています(ターミナルから変更が必要)。
図:Webcamとしても使えるのは便利
左右反転
GoProをウェブカメラとして利用すると例えば、TeamsやGoogle Meetなどのツールの場合デフォルトで自分には「左右反転」した状態で見えます。しかし、相手にはきちんと正しい表示で写っています。その為、自分が自分の画面を見ると自分自身や背景が反転して表示されるため、なんだか気になります。
Microsoft Teamsの場合
Microsoft Teamsの場合、Teamsアプリ標準で左右反転が可能です。
- 会議を始めたら、GoProに切替
- メニューに有る「その他」をクリックして、デバイスの設定を開く
- 一番下のビデオ設定の下にある「マイビデオをミラーリングする」のチェックを外す
- これで正しい方向で表示される。相手にはもともと正しい方向で表示されています。
図:アプリ単体でミラーリング解除が出来る
Google Meetの場合
Google Meetの場合、Google Chromeの拡張機能である「Google Meetのミラーモード」を使うことで修正する事が可能です。
- 会議を始める前にインストールしておく
- 会議を開始してから、GoProに切り替え
- Google Meetの左上にミラービデオという項目が出てくるので、中にあるチェックを外す
- 自分自身にも正しい方向で表示される。もちろん相手には正常に表示される
図:ミラービデオで左右反転させる
図:デフォルトだの左右逆に表示されてしまう
Sonomaで出てる障害について
macOS Sonomaの場合、GoProがうまくmacOSに認識されないようで、その場合は以下の作業を行う必要があります。
- macをシャットダウンする
- 電源ボタンを長押しでリカバリーモードを起動する
- オプションを開く
- メニューからターミナルを開く
- 以下のコマンドを実行する
1system-override legacy-camera-plugins-without-sw-camera-indication=on - ターミナルを閉じてmacを再起動する
- 認識するようになる。
熱暴走対策について
GoProはたしかに4K動画の撮影が可能です。非常に高解像度でキレイで、これで更に60fpsでの撮影設定を加えたら、とんでもなくきれいな動画を作ることが可能です。
しかし、昔からネックになっていて解消されていないのが「熱暴走」。通常のハンディカムなどでは問題無いのですが、GoProはアクションカメラという小型デバイスであるが故に、4K + 60fpsなどで撮影を続けていると、おおよそ1時間程度でも熱暴走で勝手に止まってしまう事があります(本体もアッツアツでかなりよろしくない状況)。これは冬のドライブレコーダというシーンであってもです。
故に長時間撮影をしたい場合には一定間隔で冷却する必要性があります。熱暴走に関してテストした記事がありますので参照してみてください。
この熱暴走の原因ですが、どうやらバッテリーにあるようで、前述の給電しながらの録画でバッテリーを除去した状態で行えば、4K+60fpsでも2時間以上の撮影が可能とのこと。ドライブレコーダ運用ならばシガレットソケットからの給電、外部であるならば大容量ポータブルバッテリーを使えばできそうな気がします。加えて、GoPro本体にヒートシンクを付けることで、多少熱の開放に役立つでしょう。
また、内蔵バッテリーはGoPro本体のバッテリーウォーマー機能が冬は活躍しても夏場は逆に熱暴走しやすい原因になってるとか。どうしても内蔵バッテリーを使って撮影したい場合には設定値を下げることで撮影時間を長くすること自体は可能です。
- 画質を4K→1080pへ落とす
- 手ブレ補正→標準に落とす
- 前画面オプションを画面オフに変更
- LCDの明るさ設定を10%程度まで落とす
CPUへの負荷が低減して、撮影時間を伸ばす事が可能です。
GoProラボの隠し機能
通常のファームウェアではなくGoProラボの特別なファームウェアをインストールすることで、現在のGoProの通常の設定からは操作出来ない内容について操作出来るようになる「隠し機能」がテストすることが可能になっています。
例えば、QRコードを読み込ませてコントロールする等は代表的な機能です。microSDカードに専用ファームウェアをダウンロードし、挿して起動するとファームアップが実行され「GoPro Labs Beta Firmware」と表示される。
設定を変更するQR Codeはこちらのページから生成する事が可能になっています。これを応用した専用のアプリがiOSおよびAndroid用に出ています。
他にもいくつかの隠し機能が用意されているので興味のある人は導入してみると面白いかもしれません。
動画編集
動画をPCに取り込む
GoProはmicroSDカードに録画するので、ハンディカムと異なり本体には録画するディスク容量はありません。そこでこの録画したデータを取り出したいとなると、「microSDカードを取り外して、リーダーで読み取る」というベタな方法もありますが、非常に面倒です。しかし、USB Type-Cのコネクタがあるので、これとPCを直結することで直接GoPro内から動画データを取り出すことが可能です。
しかし、ここで注意点があり、そのままだとPCに認識されない為、以下の手順で接続します。
- GoProのメイン画面で下にスワイプ⇒左にスワイプ⇒接続をタップ
- USB接続があるのでタップ
- GoPro Connectになってるので、これをMTPに変更する
- この状態で、PCとUSB Type-Cのケーブルを接続するとメイン画面がUSB接続 MTPに変わる
- PC側には外部ディスクではない形で認識されてるので、macOSであれば標準のイメージキャプチャアプリや、OpenMTPやAndroid File Transferを起動すると認識されてるのでこれで、取り出すことが可能
GoPro ConnectとはGoProをウェブカムとして利用する場合に使用する手段なので、データの取り出しには利用できません。
図:認識方法がドライブではないので注意
ファイル名について
GoPro上での録画はデフォルトの状態の場合、4GB程度で区切られて記録されます(FAT32のファイルシステムの制限にて)。よって、GoPro上で1個に見える動画は4GB(4Kならば8分程度)の動画に複数分割されているため、動画編集時にはファイル名をよく見ないと、つなぎ目で次のファイルを見失う原因になります。
ファイル名はGX010159が1個目ならば、2個目はGX020159が2個目になります。次項のHEVCで変換する場合、誤ってファイル名でソートしてしまうと2回目記録時のファイルがGX010160となる為、ソート順がおかしくなります。ソートする場合は日時でソートするようにしましょう。
HEVCファイルについて
GoPro Hero9にて4K 60fpsのような超高解像度な高品質形式で撮影を行うと、H.265(HEVC)形式で録画されます。最近のPCやスマフォであれば割と再生できるものも増えていますが、標準では未対応なマシンや動画編集ソフトは多いです(Premiere Element 2020も未対応)。そこでこのファイルをH264形式に変換してあげれば、ほとんどのプレイヤーや動画編集ソフトで扱えるので、一旦変換を行うようにしましょう。
フリーソフトでこの変換が可能なのは、HandBrakeやVLC Media Playerです。但しいずれにせよかなりのマシンパワーを要求するので、ノートPCではなかなか時間が掛かると思います。
図:Premiere Elementじゃ駄目だった
HandBrakeで変換
- 動画ソースを追加する
- VideoタブのVideo EncodeではH264を選択
- DimensionタブのResolution Limitが1080pになってるので、ソースに合わせるか?noneを選ぶ(4Kならば2160p)
- Framerateはsame as sourceを選択
- エンコードを実行するとH264形式に変換されます。
図:HandBrakeは変換ソフトの定番です
VLC Media Playerで変換
実は再生だけじゃなく、VLC Media Playerは動画形式の変換も可能です。以下の手順で変換をすることが可能です。
- VLC Media Playerのメニューから「ファイル」⇒「変換/ストリーミング」を開く
- ファイルをドラッグアンドドロップして、プロファイルのカスタマイズをクリック
- ビデオコーデックを開き、ビットレートは0のまま、フレームレートを60にする
- 解像度は幅3480, 高さ2160として指定(横の場合)、スケールは1を選択する
- コーデックは H264を選択する
- 適用をクリックして設定を閉じる。
- 名前を付けて保存をクリックして、保存をクリックすると再生バーのスケールが最後まで到達したらエンコード完了
図:VLCでも動画の変換が可能
DaVinci Resolveを使う
無償版も存在する新進気鋭の動画編集ソフトであるDaVinci Resolve。こちらのソフトウェア、標準でHEVCに対応しているようで、macOSの場合そのままドロップして上げればメディアソースとして取り込めます。Windowsの場合にはこちらからHEVCコーデックをダウンロードしてインストールすることで、利用することが可能です。
まだ自分も使いこなせていないですが、Premiere Element 2020で行くよりもこっちで行こうかなと。いちいち動画を変換する必要も無いのでその手間が掛からないのは大きい。
図:こっちに乗り換えようかな・・・
サンプル動画
4K60fpsで撮影しましたが、編集がちょっと大変だったので、1080p60fpsに変換してからアップしています。夜間の十石峠をドライブした時の様子です。滑らかに撮影が出来、夜間でありながらバッチリ捉える事が出来ました。
マウントは運転席目の前に付属のマウンタを強力両面テープで固定したものに、GoProを固定しているため、ブレ等が殆どありません。車載はこのパターンが一番良いのかもしれません。撮影のオンオフも楽ですし。
様々なマウントキット
GoProを楽しむには自分の使うシーンに合わせて、如何にマウントキットを用意するかがポイントになっています。このマウントキットが沢山用意されているのがGoProを選ぶ一つの大きな理由。ダイビングで利用する防水ハウジングケースに始まり、自転車、自動車、ヘッドセットなどなど。
それらのうち、一般的にこれだけは用意しておくと良いのでは?というマウントキットを選んでみました。
バックパックマウント
登山やウォーキングの際にバックパックのショルダー部分にGoProを固定化する為のマウンタです。ハンディカム持ちながら登山やらウォーキングなどやってられないので、こういったマウンタを使ってバックパックに固定化することでハンズフリー撮影が可能です。
ヘッドセットのように頭などに固定化するものもありますが、いちいち人の視線に応じてカメラが動くのは、見ている側からするとかなり鬱陶しい&酔ってしまうので、使うシーンが限られてしまいますが、こちらの場合は、バックパックに固定なので基本、前方に向けて撮影がされてる状態になります。ただし、弱点があり、多くのマウンタがマジックテープ式でショルダーをくるっとして固定化するのが多く、ショルダー形式によっては撮影中にずり落ちる可能性があります。
よって、バックパックにより強固に固定化するためにバンドやクリップなどでこのマウンタがずり落ちないようにさらに固定化することをおすすめします。
マグネットマウント
おもに車載で利用するマウンタですが、車内ではなく車外のボディやボンネットなどに固定化する為に利用するマウンタです。通常の車内で利用するようなタイプの吸盤式では心許ない車外でのダイナミックな撮影をするには強固な固定化が必要で、そのためにマグネット式のこのマウンタを利用します。よくあるハンディカムのネジ式ではないので、このマウンタキットのみで固定化が可能です。
マグネットは非常に強力なので平面に固定化した場合、外す場合には車を傷つけないように要注意です。横でもボンネット上でも天井でも固定化が可能ですが、ボンネットの場合は視界を遮らないようにマウントするポジションは注意が必要です。また車外になるので雨天注意(GoPro自体は防水仕様ですが、できれば防水ハウジングを合わせて使ったほうが望ましい)
汎用マウント
多くのGoPro用のマウンタはGoProの取付口用にアタッチメントが同梱されていたりするのですが、普通のハンディカムで利用するような三脚やその他のハンディカム用のマウンタはそのままでは利用が出来ません。ネジ式のマウンタが必要になります。この汎用マウンタを使うことで、世にあふれる様々なマウンタを利用出来るようになります。
以下のセットは簡易三脚、マウンタ、GoPro用マウンタをねじ式に使うマウンタの3つが同梱されています。マウンタだけを購入する事も可能なので、一個持っていると良いでしょう。
車載マウント
もともと自分がハンディカムを車載で固定化するために利用していたマウンタがあり、これに前述の汎用マウンタを使ってGoProを固定化して利用しています。よくある車載マウントですが、ネジ式であるため汎用マウンタが必要です。ドライブレコーダ代わりや車載動画の撮影では必須のアイテムになります。
複雑な形状をしていますが、様々な角度への対応がこれによって可能になっていて、ゲル吸盤式のものなので、ダッシュボード上にピッタリと固定化できるのも大きなポイント。フロントガラスにも貼り付けが可能です。振動に割と強いですが、夏の暑さで吸盤が弱くなったり、脱着が多いと吸盤の力が弱くなるので、定期的に吸盤を水洗いしておくと良いでしょう。
クランプマウント
こちらも車載動画などで利用する場合に、車内から運転席を含めてフロントガラスに向けて撮影する際に、助手席側のヘッドレストのパイプを固定場所として使う場合に、クランプで固定化し、GoProをマウントする場合に利用します。ネジ式であるため汎用マウンタが必要になります。
助手席側ヘッドレストを少し上に持ち上げて、パイプが見えるので、そこにこのクランプを噛ませてガッチリ固定化します。ベストアングルな場所にクランプの形を変形させて、GoProをマウントするようにします。がっちり固定化しないと車の振動でズレが生じたり外れたりするので、富士スピードウェイなどを走るようなシーンでは、横G縦Gにしっかり対応できるように補助が必要かもしれません。
外部給電仕様自撮り棒
前述のようにGoProはアクションカムという性質上、熱暴走しやすいので長尺の撮影には向いていません。外部給電のテクニックを使えば回避できたりするのですが、ポータブルバッテリーとケーブルの取り回しに苦労することになります。
そこで使うのがVoltaと呼ばれる外部給電仕様の公式自撮り棒。GoPro本体のバッテリーを取っ払って、外部給電仕様にし、そこへVolta自体がバッテリーを積んでるのでこちらから充電しつつ、自撮り棒として形態が出来るスグレモノです。利用するには、前述の外部から給電しつつ撮影できるようにバッテリーカバーの交換が事前に必要になります。
搭載してるバッテリーは4900mAh(GoPro本体のバッテリーが1720mAhであるので3倍程度)なので、バッテリーの枯渇の心配も薄くなる上に、本体とは通常の三脚と同様に接続する仕様なので、メディアモジュラーの交換等の手間もない。また、Volta自体に操作するコントローラがついており、撮影のオンオフなどが非常にしやすい(これは無線でBluetoothでコントロールしてるので無線でコントロール可能)
また、これ自体が小さな三脚にもなる為、車の屋根などに固定してタイムラプスといった撮影も可能(マグネットがついてるので張り付きます)。
三脚を利用する
星空の撮影であったり、タイムラプス撮影、通常の写真撮影では言うまでもなく必要な三脚。特にGoProのタイプラプス撮影を利用する場合には、しっかり固定化しないと、光が帯のようになってしまい、タイムラプスにならないので、
GoPro用の三脚というものも出てはいるのですが、絶対数が少なくやはりここは通常のカメラ・ハンディカム用の三脚に汎用マウンタを使って固定したほうが良いと思います(専用になるとGoPro以外では売れないし、使えないから当然ですが)。いつか、薩埵峠などでタイムラプス撮影や、北海道の星空のタイムラプス撮影をしてみたい。
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