ChromebookのLinuxで日本語入力
現在、ChromebookのLinux環境はChrome OS M96よりDebian Bullseyeがデフォルトとなっています。また、自分はBeta Releaseを利用していますが、crostini-ime-supportも使えるようになったという耳寄りの情報を手に入れて、改めてChromeOSのLinux環境における日本語入力環境について記事を再構築する事にしました。
図:将来は自然に使えるようになるでしょう
目次
今回利用する環境
これまでの日本語入力環境であるMozcをインストールして設定していく方法と、crostini-ime-supportを使った手法の2つを試してみますが、Mozcをインストールしてる状況に、後者を設定するとバッティングしてしまうので、その場合は前の環境をクリアする環境?Linux環境を再構築することをオススメします。
これまでの日本語入力環境
Linuxアプリはそのままでは日本語入力が出来ません。現状はそのままではChrome OS側のIMは使えないので、別途インストールと設定が必要です。この設定をしておくことでLinuxアプリで日本語の入力が可能になります。
日本語IME等をインストール
まずは、ターミナルから日本語入力システムMozcとテキストエディタnanoをインストールします。
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sudo apt install fcitx fcitx-mozc nano |
つづいて、nanoで設定ファイルに3行追加して保存します。
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sudo nano /etc/systemd/user/cros-garcon.service.d/cros-garcon-override.conf |
以下の設定を最終行に追加します。
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Environment="GTK_IM_MODULE=fcitx" Environment="QT_IM_MODULE=fcitx" Environment="XMODIFIERS=@im=fcitx" Environment="GDK_BACKEND=x11" |
保存は、Ctrl+Oキーで、終了はCtrl+Xキーで終了します。
Mozcを自動起動するようにする
以下のコマンドでmozcを自動起動するように設定ファイルを生成します。最後にexitを実行して終わらせましょう。
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echo "/usr/bin/fcitx-autostart" >> ~/.sommelierrc |
ここで一旦、Linux環境を完全に終わらせます。ターミナルアイコンを右クリックして、「Linux(ベータ版)を終了」をクリックします。これを行わないと、次の作業でIMにリストが出てきません。
図:これでLinux環境の再起動になります
Mozcの設定
次に、mozcにIMを追加します。以下のコマンドをターミナルから入力します。
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fcitx-configtool |
一番上に「キーボード - 英語」がいますが、そのままでもOK。但し、106日本語キーボードにしたい場合には、これを削除して別途キーボードを左下の+から追加する必要性があります。
図:mozcの設定画面
次に、アドオンタブに移動し、拡張にチェックを入れ、Fcitx XIM Frontendを選んで設定ボタンを押します。XIMでOn The Spotスタイルを使うにチェックを入れて、OKを押します。このウィンドウは閉じてしまってOKです。ここでも一旦Linuxをシャットダウンして再起動する。
図:拡張の設定変更
最後にIMの細かい設定変更をしたい場合には以下のコマンドを入力して、入力様式などのカスタマイズが可能です。かな入力にしてみたり、句読点の変更などなどですね。お好みです。日本語入力は、これまで通り左上のかな/英数でも良いですし、Ctrl+Spaceで切り替えが可能です。
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/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog |
図:入力カスタマイズはお好みで
図:GIMPで日本語入力してみた
cros-imeを使った入力環境
ChromeOS側で日本語入力を担当してるcros-ime。これをLinux側でも使えるようにしようというのが今回の目的。そのためのフラグが用意されており、設定を追加することで動くようになるということ。
またこの集団は開発途中の段階なので、日本語入力出来ないアプリであったり、おかしな挙動などがあるのであくまでもテスト段階のものであるということを忘れてはいけません。
フラグを有効化する
以下の手順でフラグを有効化します。
- Chromeを起動して、chrome://flagsを開く
- 検索窓からcrostiniで検索する
- Crostini IME Supportがあるので、これをEnableにする
- Chrome OSを再起動する
※Chrome OS 116よりこのフラグは自動でオンになりました。
図:このフラグをオンにしておく
Linux環境にcros-imeをインストールする
M108以降でLinux環境をオンにした場合には、初めからcros-imeがLinux環境に入ってるようです。それ以前の環境の場合は以下のコマンドをターミナルから入力して、cros-imeをインストールします。
パッケージの名前はcros-imeじゃなくcros-imなので注意。
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sudo apt install cros-im |
設定ファイルを記述する
ファイルが存在しないのでまずは以下のコマンドでフォルダを作成し、その中にime.confというファイルを作り内容を記述します。
- 以下のコマンドでユーザディレクトリ以下にフォルダを作成する
1mkdir ~/.config/environment.d/ - ターミナルから1.のディレクトリに移動し、nanoを起動する
- 以下のような内容を記述して、Ctrl+O, Ctrol+Xで保存して閉じる
1234GTK_IM_MODULE=crosQT_IM_MODULE=crosXMODIFIERS=@im=crosGDK_BACKEND=wayland,x11 - Linux環境をシャットダウンして再起動する
これで一応使えるようになりました。予め入れておいたgeditで試してみたところ、しっかりChromebook側のIMEのオンオフが反映しており、日本語入力ができるようになりました。
ただ、sudoでgeditを起動しても設定が読み込まれず(/etc/environment.dやrootのホームディレクトリ以下に設定ファイルあるんだけれど・・・)。なので、現在はsudo -E gditで現在のユーザのプロファイルを引き継いで実行するとsudoでも使えるようになりました。(下の動画だと変換リストがなぜか映らないけれど実際にはリストが出ています)
※Chrome OS 116よりGTKについては自動で追記がされているものの、Qtについては記述無。GTK_IM_MODULE=crosは追記しておいたほうが使えるアプリが広がるので、まだ上記の設定は手動で追記をしておいた方がよいでしょう。
動画:Crostini上で動くChromebookのIME
関連リンク
- ChromeOS IME on Crostini
- 初期設定&日本語入力を使えるようにする方法|ChromebookでLinux
- Issue 826614: Input Method support / integration with Linux app
- Chrome OS Flexと最新版Wine 7.0の組み合わせでWindowsアプリを動かしてみる
- Chromebook の Linux環境(crostini)セットアップ
- Chromebook Crostini の有効化と日本語化
- Google Git - Cros_im
- Linux Support Arrives on CrosKeys