個人でどれくらいG Suiteを利用している方がいるかわかりませんが、中小企業の多くでは「G Suite Basic」を利用していると思います。通常のG Suiteでも十分すぎるほど運用は可能ですが、もうワンランク上の「G Suite Business」を採用すると、実はお得な面が非常に多いです。自分は研究の為に個人でG Suite Businessを利用しています。

とりわけ、Basicで利用し続けて4年くらい経過してくるとリテラシーの向上につれて、物足りなさを感じる面があると思います。今回のエントリーはG Suite Businessのお得な面に注目し、レビューしてみたいと思います。

Google Drive

容量無制限

5名以上のメンバーの場合、BusinessではGoogle Driveの容量は無制限になります。4名以下の場合には1TBまでに増量となります。企業などで利用する場合にはBasicの30GBはすぐに埋まってしまいがちです(これが結構あとで苦しくなるんです)。ちなみに、Googleドキュメント類は消費容量は0バイトです。

有償のGoogle Oneというサービスがありますが、2TBで月に10ドルです(5人までシェア可能)。既存のGoogle Driveに課金をすることで増量されます。100GB増量で250円/月であり、家庭向けで家族でシェアすることも可能。そう考えると、G Suite Businessで1300円払って1TB〜無制限は非常にお得なプランです。

但し写真の場合はGoogle DriveではなくGoogle Photoでアップロードすることで、1ファイル75MB(写真)、動画は10GBまでは無償で無制限でアップロードが可能です。クオリティは1600万画素、1080pです。ソレ以上の品質の場合、Google Driveの容量を消費する仕組みになっています。Businessならばこれも無制限となりますので、企業ユースならばBasicよりもBusinessというのは理にかなった選択肢です。

Team Drive

Google Driveはファイルサーバとは異なり、中央集権なサーバではありません。個人同士でファイルを共有しあって構成するドライブなので、ファイルやフォルダの構成が人によって異なって見えます。そこで使いたいのがチームドライブ。このドライブは以下の特徴があります。Box for G Suiteをあえて使うならば、この内容を超えるような大規模共有を構築が必要且つお財布に余裕のある企業となりますね。

  1. プロジェクト単位で参加者全員で共有するドライブ
  2. どのユーザが見てもフォルダ構成は同じになる(人によってあるファイルが見えないとか、フォルダが出てくることがない)
  3. 組織全体のドライブ容量から消費されるので、個人のドライブの容量を消費しない。
  4. 共有スタイルはチームドライブ単位、ファイル単位。フォルダ単位では共有は出来ない。ファイルの共有もチーム参加者ならば制限を受けない。あくまで第三者が対象となる。
  5. ファイルにオーナーは存在しない。チームドライブがオーナーとなるので、誰かが退職したといったことで、ファイルが消えたりアクセスできなくなるといった事がない。あくまで組織の持ち物になる。
  6. Google Drive File Streamでもチームドライブは別扱いになる。
  7. マイドライブの共有よりも反映が早くすむ

ただしこのドライブは制限もあります。

  1. 1ドライブにつき40万アイテム
  2. フォルダは20階層まで
  3. 1日あたり750GBまでのアップロード制限
  4. ファイルサイズは5TBまで
  5. 参加可能グループおよびユーザは600まで(1グループ1とカウント)
  6. 人数上限は50,000人まで
  7. ただし延べ人数つまり、同じユーザが複数ドライブに所属しても1人としてカウントされます。
  8. マイドライブにはこういった制限がないですが、ファイル数やフォルダ階層が深くなればなるほどパフォーマンス低下する傾向

図:共有画面が通常のドライブとは異なる。

外部共有ホワイトリスト

医療機関や企業秘密の多い企業では、通常は外部共有はオフにするのが定石です。ユーザレベルで外部の人間を招待してしまったり、予期せぬレベルでファイルやフォルダが共有され、必要以上に公開しかねない為です。ですが、子会社やグループ企業である場合ならば、逆にこの制限は面倒な事になります。

そこで、ホワイトリスト機能を利用して、特定ドメインのユーザの場合は招待やアクセスが容易にできるように、ホワイトリスト機能が設けられています。50ドメインまでアクセスが可能で、Google Classroomでもこの共有を使えば、グループ企業にe-Learningに参加してもらうことが可能になります。

ホワイトリストは以下の手順で登録が可能です。

  1. admin.google.comにアクセスする
  2. ドメインをクリック
  3. ホワイトリスト登録済み外部ドメインに登録する

図:ホワイトリスト登録画面

メタデータで管理機能

Google Driveのファイルの検索は通常、ドキュメントタイトルおよび本文検索、ドキュメントのタイプにて可能になっています。しかし、実際に業務で使用するとなると、これだけでは足りず、例えば他のウェブサービスにあるような「タグ付け」や「カテゴリ分け」などをして、複数のファイルやファイルタイプに対して、同一のタグを付けることで効率よく目的のファイルにアクセスが可能になります。

とりわけ、ドライブのあちこちに分散され存在するものに対して同一タグをつけておけば検索時に、そのタグがついてるものを簡単にリストアップが可能になるわけです。またDrive APIなどからの検索に於いても、このメタデータを利用すれば非効率なコードを書かずに、ファイルをリストアップできるわけです。

本機能はGoogle Cloud Next 2019で発表された機能で、現在BETAプログラムになっているので申請フォームにて申し込むと利用が可能になるようです。自分も申請してみました。詳細は、Cloud Next 2019のエントリーに追記しました。

Cloud Search

Cloud Searchは以前、Google Springboardと呼ばれていたもので、アーリーアダプタープログラムの時にはBasicプランのユーザでも利用できていたのですが、現在はBusiness以上のユーザでなければ利用が出来ません。

これはG Suite全体を検索対象にするもので、同じキーワードでDrive、メール、カレンダー、グループその他諸々すべてを検索対象とする検索エンジンです。実はAPIが提供されていて、複合検索機能の結果をプログラムから利用することも可能です。この手の複合検索はGoogleならではですね。

ドライブにあったか?メールに添付したのか?そもそも、ファイルだったっけ?など彷徨うシーンの多い人には重宝する検索エンジンです。

※Google Cloud Next 2019にて、サードパーティ製のアプリのデータも検索対象になりました。SAPやSales ForceなどのデータもGoogle Drive上にあるデータはCloud Searchのインデックス対象になれます。

図:G Suite用複合検索エンジン

App Maker

G Suite Business以上にはもう一つ大きな特典があります。それが、App Makerというアプリ。これ、何をする為のものなのかというと、ノンプログラミングでG Suite上で利用するアプリケーションを構築する事のできる、kintoneのようなサービスです。

UIがまだ英語ですが、日本は利用可能です。容易されているパーツを組み合わせて簡単にアプリを作る為のもので、バックエンドにはCloud SQLのMySQLも利用が可能です。イメージとしてはクラウド版のMicrosoft Accessのようなもの。ノンプログラミングとは書きましたが、もちろんスクリプトを書くことも可能で、GUIでリレーションシップの構築なども可能です。

データベースを基準としたデータの出し入れなどをするアプリはビジネスの基本。イベントもちょっと特別なものが用意されています。作成したものはファイルとしてGoogle Drive上で管理されます。実際に作成したアプリはPublishで生成したURLにアクセスして利用する事になります。作成されたアプリは、HTML Serviceを使ったアプリそのものなので、Google Siteに貼り付けて運用が可能です。

Google Apps Scriptでフルスクラッチで組むのよりも画面遷移を伴うアプリなどは非常に簡単に作れるのは良いポイントですね。デザイン苦手な自分にとっても👍。また、Access的な使い方で構築できるものは他に代替がないのと、kintoneと違いガチのDBが使えるので、自由度も可用性も高いので、このサイトでもいろいろ紹介していきたいですね。

図:UI構築画面

図:テーブル間のリレーションシップ作成画面

図:もちろん、Google Apps Scriptも利用可能

高度な管理機能

Google Vault

Google Vaultとはそういった名のアプリがあるわけじゃなく、G Suiteに備えられている仕組みで、Basicの場合1名あたり600円で追加装備のできる機能です。アプリではないので普段気にすることはないですが、例えば企業が訴訟に巻き込まれた際に、組織、部門、個人単位でのメールやチャット内容のアーカイブを、すばやく情報開示できるようにする為の機能です。

おもに情報漏えい時やなんらかの訴訟時に、提出を求められるときに電子的にそれを提出する必要があります。しかし、専門の担当がいない、またその情報の開示は骨の折れる作業なので、これをお助けする為の機能です。データのエクスポートも可能。設定自体はこちらのサイトから行います。指定した期間データを保持し、開示要求に備えます。

図:えらくシンプルなインターフェース

Driveの監査ログ

Google Driveの各種ファイル類について、個々のファイルは編集履歴を見ることで編集した結果だけは見る事が可能です。しかし、閲覧履歴やどのように編集したのか?また誰がいつどのような形でといったデータはBasicでは得る事ができません。

G Suite Businessでは匿名ユーザまで含めてありとあらゆるアクセス履歴を得る事が可能になっています。過去に自分のいた組織でも、特定のファイルに対して目を通してるかどうかをチェックしたいという所属長の方の要望がありました(申送り事項や連絡内容など)。これらはG Suite Businessでは監査ログとして取得する事が可能です。

また、この機能はBasicではActivity API、BusinessではDrive Activity Report APIでアクセスが可能です。管理者向け機能ではありますが、特定の管理職にアクセス権限を付与してAPIを用いた管理アプリをGASで作ったら、現在のG Suiteアプリに更なる付加価値をつけることができますね。

図:細かなユーザ単位、ドキュメント単位の追跡が可能

端末監査ログ

端末監査ログとは、PCやモバイルデバイスの使用状況に於いて、不正使用がないか?アカウントなどを新しいデバイスに追加した場合のアクティビティ、アプリの導入状況などを監査できる機能です。MDMなアプリケーションなどでも見かける機能ですね。それのG Suite版です。iOSやAndroidが対象になっています。

PCに於いてはWindows, macOS, Chrome OSが対象になっていることから、ChromeBookもその対象になります。

※他にも細かく、パスワードセッションを長くする設定や、サードアプリに対するシングルサインオンの自動プロビジョニング、また最近では、BigQueryコネクタ for スプレッドシートなどのサービスは、Business以上になってます。差別化が始まってますね。

Google Apps Script実行時間の緩和

恩恵はこれだけではありません。Google Apps Scriptを実行する上でのQuota、つまりGoogle Apps Scriptの連続実行時間制限が6分⇒30分に緩和されます。アプリを作る幅が広がりますね。

30分に緩和されることによって、6分の壁を突破するテクニック高速化するテクニックを使わずとも、また多少ラフなスクリプトでも制限をクリアできるようになります(だからといってこれらのテクニック身につけなくて良いという事でもないですが)。

関連リンク

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