M1 MacでParallels Desktopを検証してみた

M1 MacというARMなmacOSになってから、一番大きく変わったのが、Bootcampの廃止とVMware Fusionが使えなくなった事。その中でいち早く、macOS向け仮想環境として出てきたのがParallels。VMware Fusion派だった自分ですが、さすがにもう今のVMwareではTech Previewのまま消えるのではないかと不安視。

ということで、Parallels Desktopをテストしてみることにしました(使用するOSはWindows11を利用します)。既に先に運用してるUTM 3.0と比較もしてみたいと思います。

図:M1 MacでもWindows11は利用できます

目次

今回利用するソフトウェア

概要

比較対象としてるUTM 3.0の記事は以下の内容になります。製品としてのParallelsとオープンソースのUTMでは色々と面白い比較が出来ました。14日間は体験版としてフル機能をテスト可能です。お手持ちのアプリがWindows11上で動くかどうかをテストしてから購入できる点は好印象。

今回はWindows11のみを検証していますが、過去のWindows10 ARMやmacOS Montereyをゲストで運用する事も可能のようです。Ubuntu for ARMを用意すれば、UbuntuをゲストOSとして稼働することも可能でしょう。(Ubuntu DesktopのARM版は正式リリースされておらず、Daily Buildで公開されています)

※ポートフォワーディング等の機能を使いたい場合は上位のProやBusinessエディションを利用する必要があります。

M1 MacやiOSでも動く高機能な仮想環境UTMを使ってみた

購入する場合の注意点

Parallels Desktop Standardは2つのパターンの購入方法があります

  • 1発買い切りの永続版(10,000円ほど)
  • 1年単位で更新するサブスクリプション型(8400円ほど)

好みの問題でもありますが、サブスクリプション型は割安ですが、1年単位で更新をする必要があります。セールをやってる時は1000円くらい安く購入可能です。料金は微妙に差がありますが、サブスクの場合はアプデに追従できる反面、買い切り版は追従出来ないという点が大きな違いに。macOSも最近は毎年アプデがあるので、永続版の場合はアプデをせずに運用といったような事も必要になってきます。

購入はAmazonでリテール品購入、Parallels上で直接購入の2パターンあり、支払いはカード以外にもPayPalが使えるので個人的にはPayPal払いがオススメ。購入する時はややこしいのですが、単発品なのか?サブスクなのか?よく確認してから決済しましょう。

図:こちらはサブスクの場合

図:コードをアクティベーション

Windows10 ARM Insiderの入手法

今回の記事はWindows11にフォーカスしているので、Windows10は利用しませんが、既にサイト上では入手不可能なWindows10のARM版 Insider PreviewのISOは以下の手順で入手可能です。

  1. UUP Dumpのサイトを開く
  2. 検索窓に22478を入力して検索する
  3. Windows 10 Insider Preview 10.0.22478.1012 (rs_prerelease) arm64をクリックする
  4. Languageを選択(今回はJapaneseを選択)
  5. Editionを選択する(今回はProを選択)
  6. Download and Convert to ISOにチェックをいれた状態にする
  7. Create Download PackageをクリックするとZIPがダウンロードされる
  8. 7.を解凍する(フォルダ名はisobuildとでもしておきます)
  9. ターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します

    場合によっては、足りないライブラリを入れろと言われるケースがあるので、それらを導入する。メッセージ内に記述があるのでそれに従って実行しましょう。
  10. あとは適当に進めると、isobuildフォルダ内にISOが構築されます(ファイル名は22478.1000_MULTI_ARM64_JA-JP.ISOとなります)

生成されたISOファイルを元にインストールをすれば、Windows10 ARM Insiderで仮想環境が構築可能です(但し、Windows10はx86エミュレーションは搭載していますが、x64エミュレーションは搭載していません)。また、Insider登録が必須ですがWindows Updateしてしまうと、Windows11になってしまうので要注意です(故にインストールはWindows10 Proにしておき、Windows Updateしないようサービスを停止しておく等措置が必要)

図:MSのサイトから直接ダウンロードするサイト

Parallelsのインストール

Windows11のインストール

インストール作業

Parallels自体のインストールは驚くほど簡単。dmgファイルをダウンロードして中に入ってるインストーラを叩くだけで終了です。Windows11のインストールですが、他のOSの場合、Windows11 ARM版のダウンロードやら初期セットアップやらを手動で行う必要があるのですが、Parallelsの場合はインストールアシスタントがログインまでほぼ全自動で行ってくれます。アカウントはローカルアカウントで作成してくれるので、非常に手間がありません。

よって、基本はParallelsで完結しますので余計なセットアップ作業は必要ありません。

仮想環境のスペックも以下のように自動的にセットされています。

  • CPU : 4コア
  • RAM : 6GB
  • DISK : 256GB

カメラや共有フォルダの指定も途中でアクセス許可を求めてくるので許可してあげます。デフォルトでmacOSのデスクトップがWindows11のデスクトップにマップされています(これは自分は嫌いなので後で元に戻します)。

Windows11で問題だった、Secure BootやTPMなどの問題もParallelsの場合はクリアされているので安心して利用する事が可能です。また、Parallels Toolsも初めからインストール済みなので、この作業も不要です。

図:ほぼユーザがやる事がありません

図:TPMモジュールも初めから装備

図:タスクマネージャを開いてみた

Windows11 22H2

Windows11に於ける初の大型アップデートであるWindows11 22H2。2022年9月22日アプデが降ってきたので、アプデを実行してみました。現在の所、問題なく動作中。

ただ目玉になるような、大規模なアプリや機能の搭載というよりかは、UIの改善であったりバグフィックス、利便性の向上といった事に集中してると思います。M1 MacではCPUの仕様上、Nested Virtualizationが動作しないのでWindows Subsystem for Androidは動作しません。

図:問題なく動作中

インストール後の設定変更

もの凄くフルオートで設定してくれるParallels。確かに超手軽なのですが、それが故にしてほしくない設定等もあったりします。また、ユーザが手動で変更しなければならない点なども残っていたりします。ここではインストール後のそれらの項目を列挙してみました。

キーボードレイアウトの変更

全自動でほぼセットアップしてくれるParallelsですが、1箇所オカシナ点が「USキーボードのままセットアップされてる」点です。よって、日本語レイアウトのmacOSの場合、キーの入力に難儀する点があります(@マークやアンダーバーなどが違うキーになってるため)。そこで、このレイアウト設定を日本語106キーボードに変更します。

  1. 設定アプリを開く
  2. 時刻と言語を開き、優先する言語の下に日本語の項目があるのでそこの「…」をクリック
  3. 言語のオプションを開く
  4. キーボードレイアウトが101英語キーボードになってるので、レイアウトを変更するをクリックする
  5. 日本語キーボード(106/109キー)を選択し、今すぐ再起動をクリックします
  6. 再起動後、日本語106キーボードになってる
  7. 2.の項目で英語が残ってるので削除してしまってOKです

図:キーボードが101のままだと具合が悪い

アカウントのパスワード

ローカルアカウントが自動ログインの状態且つパスワード無しの状態で作成されています。セキュリティ的にはちょっとアレなのでこれをパスワード有りの自動ログインを解除します。

  1. スタートメニューを開き、検索窓からregeditを実行する
  2. 「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\PasswordLess\Device」を開く
  3. DevicePasswordLessBuildVersionが2になってるので、これを0に変更する
  4. OKをクリックしてregeditを閉じる
  5. コマンドプロンプトを開くか、Win+Rキーでファイル名を指定して実行を開く
  6. 「control userpasswords2」を入力する
  7. 「ユーザがこのコンピュータを使うには、ユーザ名とパスワードの入力が必要」にチェックを入れる
  8. Paralellsのメニューからデバイス⇒キーボード⇒Ctrl+Alt+Deleteを入力してパスワードの変更をするか?コントロールパネルのユーザアカウント⇒アカウントの管理⇒アカウントの変更⇒パスワードの変更から、パスワードをセットしてあげる

図:レジストリの変更が必要

図:ユーザアカウントの設定変更

図:パスワードを設定しましょう

ブリッジネットワークにする

デフォルトだと共有ネットワーク(いわゆるNAT)としてParallelsはネットワーク接続しています。これだとホストOSと同じIPアドレスをシェアしてる状態なので、ルーターからは直接Parallels17が見えてるわけじゃありません。そこで独立したPCとして認識させる為に、ネットワークアダプタの変更をします。

  1. Parallelsのメニューより、処理⇒構成を開く
  2. ハードウェア⇒ネットワークの項目が出たらソースを共有ネットワークからデフォルトのアダプタに変更します
  3. 他のコンピュータだけじゃなく、Fire TV StickやNASなどのメディア機器も見えるようになります。

再起動不要で変更可能です。これで、他のコンピュータから直接ParallelsのOSに対してアクセスが可能になります。ついでにWindows11側もネットワークを開いて、パブリックネットワークとして探索を有効化して、NASなどが見えるかどうかチェックしましょう。

直接見える事によって、サーバ運用をしたりMiracastで画面を飛ばしてWindows11内に表示してみたりといった直接IPでやり取りが必要なシーンに対応が可能になります。NATのほうが安全性は高いですが。

図:ネットワークアダプタはブリッジが基本

図:他のマシンもバッチリ見えるようになった

ファイル共有設定を変更する

デフォルトだとParallels上のWindows11のデスクトップにmacOS上のデスクトップのファイル類がマップされてしまっていて、自分にとっては使いにくい。間違ってファイル削除したりしたら大変なので。ということで、以下の変更を加えます。

  1. Parallelsのメニューから処理⇒構成を開く
  2. オプションを開き、共有を開く
  3. フォルダの共有はホームフォルダのみとする
  4. MacのユーザフォルダをWindowsと共有のチェックを外す
  5. ほかはオンにしておく。
  6. カスタムフォルダに、macOS側の見えるようにしておくフォルダを追加しておく
  7. windowsを共有するを開く
  8. MacからWindowsフォルダへのアクセスをオンにすると、Finderから直接Windows11のCドライブが見えるようになります。

すると、Windows11側のデスクトップに「Mac Files」というものが出来、デスクトップのマップが解除されます。また、8.の作業をすると、macOS側からネットワークを開き、Windows11を開くと直接Cドライブが見えるようになります。

図:共有設定は好みに応じて変更

図:FinderでWindows11のCドライブ直接閲覧

Microsoft Storeを使えるようにする

インストール直後のWindows11 ARMはMicrosoft Storeが使える状態になっていません。そこで、これを使えるようにします。アイコンはタスクバーにあるのですが、クリックしても失敗したりします。

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. 以下のコマンドを実行する
  3. タスクバーのMicrosoft Storeのアイコンをクリックする
  4. 色々ダウンロードが進行して、終了するとすぐに使えるようになる

図:リセット実行中

図:Storeが利用可能になった

アクセシビリティで有効化

フルスクリーンにしたりすると、macOS側から制御の許可要求が来ます。システム環境設定のセキュリティとプライバシーを開き、プライバシータブの中のアクセシビリティでParallels Desktopのチェックが外れているので、チェックを入れればOKです。

図:アクセシビリティで有効化しておく

Insider Programに参加する

UTMの場合、Windows11のシステム要件を満たしていないので基本参加できないWindows11 Insider Programですが、Parallelsの場合普通に参加可能です。事前にWindows11 Insider Programへの登録を済ませておきましょう。

  1. 設定アプリを開く
  2. Windows Updateを開き、Windows Insider Programをクリック
  3. 上部に1箇所警告が出てると思うのでその指示に従ってスイッチをオンにする
  4. 使用を開始するをクリックする
  5. 自分の持っているMicrosoftアカウントでログインして紐付けする
  6. Insider設定をBetaに変更する(Devでも良いのですが不安定なビルドがバンバン降りてくるのでオススメしません)
  7. Windows Updateに戻り、更新リクエストをすると、Windows11 Insider Previewのビルドがダウンロードされるので、インストールする

図:InsiderにMicrosoftアカウントを紐付け

図:Insider Buildが降ってきた

プロダクトアクティベーション

Windows8のプロダクトキーがあるので、これを元にWindows11のアクティベーションが可能かどうか?やってみました。Windows10でもWindows7や8のプロダクトキーでの認証が可能であり、Windows11でも同様に出来るというのは周知の事実ですが、Parallels17 Desktop上のWindows11で使えれば最高です。

  1. 設定アプリを開く
  2. システムを開き、ライセンス認証を開く
  3. プロダクトキーを変更をクリック
  4. Windows8のプロダクトキーを入れて認証実行
  5. エディションの変更と出るがそのまま続行する。
  6. システムの再構成が始まり自動的に再起動する
  7. 再度、ライセンス認証を開いてアクティブになっていれば成功です。

Insider Programの状態でもほとんどの機能は利用出来るのですが、Windows11の場合、アクティベーションしていない場合にはInsiderであっても機能制限されてるものがいくつかあるため、継続して利用するならば、こういった過去のプロダクトキーを使う事でコストを抑える事が可能です。

図:無事にアクティベーション出来た

アプリの動作検証

Excel2013をインストールしてみる

最新のExcelの場合、ARM版も同梱されているので困ることはないのですが、古いExcelの場合にはx86版とx64版の2つが存在します。前者が32bit、後者が64bitとなるわけですが、ARM版のWindows11にインストールする場合には、前者の32bit版でなければ動作しません。

試しにもう使っていないExcel2013をインストールしてみましたが、64bit版は起動すらせず。32bit版は無事に起動もし、ライセンス認証も可能です。まだまだ、64bitエミュレーションは完璧ではなく、それゆえにWindows10での搭載が見送られた機能でもあるので、可能な限り32bitのアプリで動かすようにすれば、過去の資産をARM版Windows11に持ってこれるようになると思います。

図:Excel2013が起動出来ました

図:macOS側のARM版Excel2021で開く事も可能

【Mac・Windows】M1 MacBookのWindows11にOffice2016をインストールしてみた【MS Office】
元サイトで動画を視聴: YouTube.

Excel2019をインストールしてみる

次項でインストールするWord2016と前述の2013は同居が出来ません。しかし、Excel2019とは同居が可能であるため、Excel2019をインストールしてみることにしました。

Excel2019の場合は、標準で64bit版がインストールされますが、全く問題なく動作しました。Word2016と同居も問題なく出来ているため、Parallels17とWindows11で色々使いたい場合は、なるべく最新のOfficeでなるべく同じバージョンで合わせるとトラブルなく運用できるでしょう。

図:Excel2019は快適に動作しました

Word2016をインストールしてみる

Wordを使う必要があった為、手元にあったWord2016をインストールしてみることにしてみました。結論から言えば32bit版は起動せず。管理者権限を付与してみましたが、やはり起動せずに落ちてしまいます。Excel2013と異なり、32bit版はうまくARM Windows11上では動かないようです。

そこで試しに、64bit版を意識的にインストールしてみましたが、こちらはバッチリ動作しました。Officeは2019からデフォルトが64bit版がインストールされるように変更されていますが、それ以前は32bit版がデフォルトでインストールされるので、CD−ROM内のsetup64.exeを叩いてインストールするようにしましょう。

※ただし更新を実行してアプデをしてしまうと64bit版も動作しなくなりましたので、Wordに関しては動作が微妙のようです。更新をしなければ継続して利用は可能だと思います。

※注意点として、Excel2013とWord2016は同居が出来ません。Excel2019とWord2016は同居が可能です。

図:一応動きました

Access2016をインストールしてみる

現在も現役で開発環境として利用してるAccess2016の64bit版。Parallels17のWindows11にインストールしてみて使ってみました。結論から言えばバッチリ動作します。特に特別なことをする必要もなく今まで作成したaccdbファイルがバッチリ動作するので、拍子抜けです。また、インストール作業ですが、ものすごい速さであっという間に終了します。

速度的にはx64で動作してる関係でIntel Macのそれよりも若干もっさり感がありますが、これは14万レコードもあるaccdbを開いてるからという事を考えても結構健闘してるかと思います。開発そのものは特に障害もなくスムーズに作れています。

※前述同様、Access 2013との同居ができません。

図:ARM版の登場は期待できないけれど

Steam for Windowsを使ってみた

Steam for Windowsについて「大神 絶景版」をインストールし、PS5のコントローラをUSB接続して利用できるか検証してみました。コントローラはバッチリ認識し、プレイしてみましたがIntel Macの時とは異なり仮想環境にも関わらず快適に動作します。CPU温度はかなり上昇するのでそこだけは注意が必要です。

Steam for macOSの場合、遊べるゲームの数がかなり限られてしまう為、Parallels上でWindows用のSteamで動かせるという利点は非常に強いです。但し全てのWindows用ゲームが動かせるわけではないので、そこは注意です(特にGPUに依存してパワーを絞り出す系のゲーム等、例としてDetroit Become Humanなどは動作しません。起動時のrender cache生成時にストップしたり、認識外のGPUという事で起動出来ません)

※ParallelsはDirectX11までは対応しているようですが、DirectX12には現在未対応のようです。

図:大神がバッチリ動作します

macOS Montereyをインストール

Parallels Desktop 17はゲストOSとして、まだテスト段階ですがmacOS 12.4 Montereyに対応しています。そこで、試しにゲストでどれくらい動くのか?を検証する為にセットアップしてみました。

図:動作自体はとても軽いので問題なし

インストール作業

コントロールセンターを開き、そこからインストール作業を行います。

  1. コントロールセンター右上の+アイコンをクリック
  2. インストールアシスタントが開かれるので、無料アイテムの中にある「macOS」を選択します。
  3. 続行をクリック
  4. ダウンロードをクリックする。ダウンロードまでしばらく待つ
  5. Montereyのセットアップが始まるので適当に進める
  6. Parallelsのメニューから、Install Parallels Toolsをクリックする
  7. インストールが終わったら、Restartをクリックして再起動

これでインストール自体は完了です。Toolsをインストールしても解像度は自動変更になったりはしません。Toolsで実現してるのは、ホスト⇔ゲストの間のでクリップボード共有だけなので、文字列のコピペだけが出来ます。

図:インストールアシスタントに用意されてる

図:インストール中の様子

図:Toolsは手動でインストールする

現時点での問題点

UTM同様、ゲストにmacOSは同じような問題を抱えています。

  • ゲストの解像度をウィンドウのサイズに合わせて自動調整はされません。
  • キーボードが101英語キーボードとなるため、日本語キーボードのmacOSだとマップされてるキーが異なる(@マークはShift+2キーで出る)。この問題点はIssueでも取り上げられています。
  • その為、日本語入力のIMEのオンオフもオカシナ状態に
  • KeyboardSetupAssistant.appが起動しないので現状変更も出来ない
  • ホストとゲストの間でのファイルの直接的なやり取りは出来ません(SMBやUSBメモリを使う必要性)

ただキーボードの環境設定にて、入力ソースにCapsLockでオンオフの設定があるので、これで日本語入力のオンオフは対応出来ますし、Karabiner-Elementsで設定して変えるという手もあるので、なんとかなります。こちらのサイトにターミナルから設定変更する手段が掲示されています。

テキストのコピペが出来るだけUTMよりもマシという状態です。

ゲストの設定変更方法

現時点でUI上から仮想マシンの設定に関する項目がmacOSの場合用意されておらず、これまで変更のしようがなかったのですが、以下の手法で設定をテキストベースで変更する事が可能であることが判明しています。また、セカンダリディスクの増設方法についても記載されています。

  1. 以下のディレクトリを開く。コントロールセンター上からもFinderで開けます
  2. この中に仮想マシンがあり、macOS 12.macvmというファイルがあるので、これを右クリック⇒パッケージの内容を表示を選択
  3. その中に空のテキストとして、config.iniを作成する
  4. 以下の内容を記述して保存すると、仮想マシンの設定が変更される。但し、そのMacのハードウェアの制限内に収める必要があります。
  5. マシンを起動するとスペックが変更されている

vCPUがCPUのコア数です。また、Network.Typeが1だとShared Network, 2だとBridge Networkになります。RAMはByteで指定する必要があり、、Displayの縦横のサイズ、DPIも数値で指定。現時点で公開されてる情報はここまでです。

試しに上記の設定を作って再起動してみましたが、無事に反映されました。ブリッジにしておけば共有フォルダ経由でホストとファイルの直接的なやり取りが出来るので、この作業はやっておくべきでしょう。

図:セッティングが存在しない

図:ファイル作成場所

図:設定変更が反映された

Ubuntu ARM64をインストール

ParallelsはUbuntu Linuxのインストールも手軽に出来るようになっています。よって、予めUbuntuからISOイメージを用意する必要もないので、余計な手間暇が掛かりません。

また、ARM版がインストールされるので非常に軽快で快適なLinux環境が手に入ります。ただ、一部セットアップで面倒な部分があるので、そこだけ注意が必要です。

インストールされるUbuntuはUbuntu Server ARM64ではなく、まだ正式リリースとなっていないUbuntu Desktop ARM64のビルドになりますが、しっかり動作しています。

図:楽にLinux環境が構築可能

インストール作業

インストール作業自体はとても簡単です。予め用意されてるイメージがダウンロードされるだけなので、セットアップ自体でユーザが行う作業は、「アカウントのパスワード設定」だけです。デフォルトアカウント名はParallelsになっています。

  1. Parallelsのコントロールセンターを開く
  2. 右上の+アイコンをクリックして、続行をクリックする
  3. 無料システムにあるUbuntu Linuxを選んで続行をクリックする
  4. ダウンロードを実行するとイメージのダウンロードが始まり、終了すると自動で起動します
  5. 起動したらParallelsというアカウントに対するログインパスワードを設定します

起動すると、アカウント連携やらLive Patchやらの要求が来ますが全て行う必要はありませんので閉じてしまって結構です。

図:通常のインストールとはちょっと異なる

アップデート作業

すぐにアプデの通知が来ますがキャンセルします。まずは、ターミナルを起動して以下のコマンドを実行し、システム自体のアップデートを行います。

OS自体のアップデートが始まります。インストールされてるイメージが古いものなので、この作業を行わないと次項の日本語環境の構築が失敗します。

図:まずはアプデから始める

日本語環境の構築

Parallelsで一番面倒なのは、インストール直後は英語インターフェースに101英語キーボードになっているため、非常に扱いにくい状態になってる点です。これを修正する作業です。

  1. Language Supportを開きInstall / Remove Languagesを開く
  2. 日本語を探し出して追加します
  3. 追加した日本語を掴んで一番上に移動させる(これで日本語UIになります)
  4. Apply System-Wideをクリックして反映する
  5. 一旦ログアウトしてログインし直す
  6. 既にこの段階で、ibus-mozcがインストール済みなので、設定の地域と言語を開く
  7. 言語とフォーマットが既に日本語になってる事を確認する。
  8. 入力ソースに日本語と日本語(Mozc)を追加します。英語は不要なので削除。ここで日本語キーボードが使えるようになっています。
  9. 日本語IMEのオンオフがCommand + Shift + Spaceの状態なので、これをmacOS準拠にします。
  10. ツールバーのA▼をクリックして、日本語(Mozc)に変更し、もう一度開いて、ツール⇒プロパティを開きます。
  11. キー設定がMS-IMEになってることを確認し、隣の編集ボタンをクリック
  12. 下の方にある「入力文字なし」の場合の「Muhenkan」の項目を「IMEを無効化」に変更し、OKを押して閉じる
  13. これで、英数でIMEオフ、かなでIMEオンになります。

これで日本語関係のセットアップが完了です。ここも自動化されると良いのですが。。。

図:Language Supportの画面

図:地域と言語の設定

図:日本語オンオフの設定変更

Parallels Toolsのインストール

基本的に最初のセットアップ直後に1度、自動でParallels Toolsの自動インストールが走るのですが、その後に手動でOSのアップデートを仕掛けている為に、もう一度全てが終わった後に、以下の手順で手動でParallels Toolsの再インストールを行っておきます。

  1. Parallelsのメニューから、Install Parallels Toolsをクリックする
  2. インストールが終わったら、Restartをクリックして再起動

クリップボード共有やGPUのドライバのインストール、ウィンドウに合わせて解像度変更、macOS側のフォルダの共有機能などがこれで利用することが出来ます。

図:これで全てのセットアップは完了です

図:macOSのホームフォルダ以下を共有で開ける

仮想マシンの設定変更

仮想マシン構築が半自動で行われるので、スペックの設定をここで行います。

  • RAMは4096MB以上に設定する
  • CPUコアが2コアになってるので、4コアに変更する
  • ネットワークのソースを、共有ネットワークからデフォルトのアダプタ(ブリッジ)に変更する

図:デフォルトでもかなり快適に動きます

ブートフラグ

Parallelsのブート順序という項目には「ブートフラグ」という特殊な設定があります。これは、起動したいデバイス(HDDや外付けUSB機器)等に対するもので、指定することで過去にはこのようなブートフラグがあったようです(現在も使えるかどうかは不明)。

直近で話題になったものとしては、BigSurをインストールする為にブートフラグを指定しないと、Parallelsで起動しないというケースで以下のようなブートフラグを指定するケースがありました。

また、UEFIを強制する場合のフラグとしては以下のようなものもありました。但し、ARM上で動作するParallels 17ではこのようなフラグは現在不要になっているようです。

OpenGLを使ったアプリが落ちるケースに対応するブートフラグとしては

外付けUSBのSSDを接続出来るようにするケースには以下のようなものを使う必要があるようです。このオプションはSSDだけじゃなく、USBデバイスで認識しないケースでは扱えるようです。

ディスクアクセスエラーが出る場合には

これらブートフラグに関するまとまったデータリストは探しても存在せず裏技的な手法として昔から利用されてきています。M1 Macでは外付けUSBのデバイスに於けるフラグくらいしか使えないのではないかとは思いますが、このような使い方が出来るのがParallelsというアプリのポイントです。

図:ブート順序の特殊な設定項目

UTMとの比較

UTMも現在はWindows11 ARMを動かすことが出来ますし、非常に高パフォーマンスなのですが、Parallelsとは大きな違いがあります。これらの違いを検証していきます。

製品版として使える

UTMはあくまでも、とりあえず動かせるという状態で、TPM未対応であるが故にWindows11から未対応の警告が出ます。よって、Insider Previewにもきちんと参加する事も出来ず、満足なアプデパッチも降りてくる事が無いため、ライセンスキーを登録して永続的に使うにはちょっと現時点では敬遠する要素が残っています。

Parallelsは警告も出ずにARM版Windows11が利用可能であるため、手持ちのWindowsのライセンスキーでアクティベートして永続的に使う面での安心感がやはりあります。

※UTMの場合、ARMのVHDXを使ってのインストールなのですが、英語版でセットアップされてしまうため、インストール後に日本語化する作業が必須になっていたりするので、手間がかなりあります。

図:最新のInsider Programも利用可能

Toolsが優秀

UTMのSPICE Guest ToolsはParallels Tools同様、Windows11のデバイスドライバやホストとのファイル共有、クリップボード共有などの機能を提供してくれています。しかり、やはりここでも以下のような差が存在します。

  • UTMのファイル共有はWebdavを使った手法であるため、送信上限の50MBの制限が残ってる(Parallelsにはそのような制限存在しない)
  • Parallelsの場合、macOSのバッテリー残量とWindows側のバッテリ残量がリンクして表示してくれる
  • ファイル共有について、Parallelsの場合両方のデスクトップを同期してマップする機能がある
  • 直接ドラッグアンドドロップでmacOS⇔Windows11の間でファイルのやり取りが可能
  • Parallelsの場合、Toolsをユーザが手動でインストールしたり、アプデ後に再度インストールなどを行う必要がない(これも自動で行われる為)

また地味にありがたいのが、クリップボード共有に於いて、ゲストのWindows側で貼り付ける場合、Commandキー + Vで行ける点。UTM等の場合、CommandキーがWinキーに割り当てられていて毎回鬱陶しい事に。そのため、Controlキーを使わざるを得ず、非常にストレス。これが、Parallelsの場合無いので、keyswapみたいなツール使ってのキーマッピング等をしなくて済むのは大きいです。

Parallelsがアップデートした場合、自動的にParallels Tools Agentが起動してToolsの自動アップデートも行ってくれる

図:バッテリー残量がリンクしてるユニークな機能

図:Toolsの自動アップデート機能

UTMには無い便利な機能

VMware Fusionなど製品版の仮想環境では当たり前に装備されてる機能が、UTMには存在しなかったりします。この機能の差は手軽にWindows11を使う上では結構後で堪えてきます。そんな機能を列挙してみました。

  • ゲストのWindows11側で、M1 Mac側のカメラデバイスを使うことが可能(ZoomやTeamsなどの会議で利用できます)
  • iPhoneから直接写真等を追加する機能が存在します
  • ものすごく小さい画面にして隅っこに配置できる「ピクチャーインピクチャー」に対応してる
  • スナップショット機能が装備(どこでもセーブみたいなもので、いつでもその時点に復元出来る)
  • 仮想環境の特定のアプリをmacOSネイティブのアプリであるかのようにウィンドウだけ表示するコヒーレンスモードが装備
  • バッテリー長持ちさせるためのトラベルモードが装備。バッテリー消費を抑える事が可能です。
  • macOSのドックにWindows11の起動中のアプリも出てくるのでタスク切換えが容易です。
  • macOS側のBluetooth端末をWindows11側でも共有して利用することが可能です。
  • macOS側から仮想環境側アプリを使って直接ファイルを開けます
  • 逆に仮想環境側からファイルをmacOS側アプリで開いて保存すると、きちんと仮想環境側のファイルに保存されます(これ地味に凄い)

図:ピクチャーインピクチャーが個人的に好き

図:仮想環境側からmacOS側アプリで開く機能

図:Coherenceモードでネイティブ風表示

デュアルディスプレイが可能

Parallelsの場合、フルスクリーン時には、macOS側で利用してるデュアルディスプレイの全てに対して表示が可能となるので、ゲストOSのディスプレイをデュアルディスプレイ表示させることが出来るようになります。

メニューから「表示」⇒「フルスクリーンをすべてのディスプレイに使用」にチェックを入れておき、フルスクリーンにすると、全てのモニタにParallelsのゲストOSが表示されるようになっています。

Qemu/KVMの場合も複数のディスプレイ表示が可能なのですが、UTMでもv4.0よりマルチディスプレイ機能が装備されました。

図:メニューから設定をオンにする

日本語入力オンオフがmacOS準拠

インストール直後に、Notepadで日本語入力オンオフをテストしていましたが、標準の状態でmacのキーボードの英数とかなで日本語入力のオンオフが実現出来ています。UTMだとこの設定が出来ないので、非常にストレスでしたが、こういった細かいユーザビリティ配慮がさすが商用製品です。

動いていない場合には以下の箇所で設定を確認出来ます。もちろん事前に日本語106キーボードにしておく必要はあります。

  1. 設定アプリを開く
  2. 時刻と言語を開き、言語と地域⇒日本語の隣の「…」をクリック
  3. 言語のオプションをクリック
  4. Microsoft IMEの項目の「…」をクリックし、キーボードオプションを開く
  5. キーとタッチのカスタマイズを開く
  6. キーの割当を見る
  7. キーの割当が無効でも本来は英数/かなでオンオフ出来ます(なので自分は以下の作業はしていません)
  8. 無変換キーをIMEオフ、変換キーをIMEオンにする

101英語キーボードの場合、Ctrl+Spaceで日本語IMEのオンオフとなってるのでここでカスタマイズしておくと良いかもしれません。Parallels自体の設定を開くとショートカットキー系の設定があるので、なるべくこちらで設定するようにしましょう。

※insiderのアプデを行った後に、なぜか「かな」は正常にIMEオンになるのに、「英数」がIMEオフではなく「カナ」になる謎現象が発生。この場合の対処法は、キーとタッチのカスタマイズにて、キーテンプレートを「Microsoft IME」ではなく、「ATOK」に変更したら修正されました。

図:日本語入力のオンオフは地味に重要な項目

図:Parallels側のショートカットキー設定

UTMにも利点がある

QemuベースであるUTMは仮想環境には違いないのですが、前述の通り商用製品と比較して機能不足は否めません。しかし、UTMにはParallelsでは実現出来ない大きな違いがあります。

それは「x86やPower PCといった異なるアーキテクチャのOSをエミュレーションする事が可能」である点。M1 Mac上のParallels17は仮想化はしていてもエミュレーションを行ってる訳ではないので、WindowsXPやMac OS 9.2.2などを動かすといったような事は行なえません(但し、Windows11上でARM64以外のx86, x64エミュレーションはOS側がやってくれてるので、過去のバイナリを動かすことは可能)

また、ベースがQemuであるという事は、WindowsやLinuxに仮想ディスクであるqcow2ファイルを持っていけば、向こうでQemuをインストールして運用する事も可能であるため、ホストOSに縛られないという強みもあります。

更に、現在のmacOSはCrossOver Macを使っても32bitアプリ以上でなければ動かせないので、16bitアプリも動かせる数少ない手段でもあります。VB2.0時代の伝説の16bitゲームである「Arena」もバッチリ動作しました。

図:UTMはx86のOSも動作させる事が可能

図:Mac OS 9も動かせる強み

図:16bitアプリも動かせるという強み

使ってみたレビュー

Parallelsは大昔、2000年初期、twoOStwoと呼ばれるx86エミュレータから始まり、macOS用仮想マシンとして現在に至ります。当時は、変な名前のソフトウェアだなと思っていましたが、それがParallelsに生まれ変わってからは劇的な20年だったと思います。

UTMを事前に使っていて、正直Intel版のWindowsよりも軽快に動作してARM版でいいじゃんと思うほどでした。故にParallelsではどうかな?と懐疑的でしたが、Parallelsの場合ソレ以上に安定性があり、極めて軽快に動作しました。CPU温度をモニターしていますが、UTMであってもParallelsであっても、平常時は常に30℃以下。

また、前述の通り商用製品ならではの高度なユーザビリティのおかげで、VMware FusionがM1対応に微妙な現時点で、M1 Macでの仮想環境としてParallelsとUTMの二本立てでほとんどの目的を実現可能です。Windows11に限れば明らかにUTMよりも期待出来ます。

Windows11自体の設定のイロハについては以下のエントリーにまとめてありますので、カスタマイズや更なる軽量化などは参考にしてみてください。但し、UTMも同様、M1チップ自体がNested Virtualizationに未対応であるため、WSL2やAndroidは動作しません。Androidについては、M1 Mac対応のAndroid Studioのエミュレータが動作するのでそちらをネイティブで動かすのが良い選択肢です。

但し、ARM Windows11の場合、IntelのWindows11と異なりx86とx64のエミュレーションがあるとは言え、動かないアプリもそこそこあります(Office2013系などは動かない。Intelでは普通に動作する)。

図:Windowsの過去の資産を十分に活かせます

Windows11まとめ – 追記中

最新のM1 Macを徹底活用する為のノウハウ

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