Anker Nebula 4K Streaming DongleはFire TV Stickより快適でした
これまで長らく、動画閲覧環境としてFire TV Stickを利用してきました。しかし、最近のAmazonのFire TV Stickに対する不穏な噂が現実味を帯びてきており、快適な環境が損なわれてきました。また、AndroidことFire OSを捨てて独自のLinuxベースのVegaOSに移行するといったような動きもあるようだったので、代わりになる製品を探索していました。
その中で、もっとも理想に近い上にFire TV Stickよりも快適なガジェットが見つかったので今回、対Fire TV Stickという形で検証し、その内容をまとめてみたいと思います。
※今度はChromecast with Google TV購入して検証してみたい
※ソフマップAKIBAにて3000円でセールされてるらしいです(2024年1月時点)。半額以下で購入できるのは嬉しい。
目次
- 1 今回利用するガジェット
- 2 Fire TV Stickにまつわるお話
- 3 Nebula 4Kのメリット・デメリット
- 4 色々と検証してみた
- 5 関連リンク
今回利用するガジェット
ケーブルやバッテリーで有名なAnkerの製品で、OSはAndroidTV 10.0が搭載されています。AndroidをベースにTV向けにチューンされてるもので、これはGoogle公式から出されてるChromecast with Google TVと同じOSになります。スティック型ではなく小さな四角形のタイル型なのですが、リモコンの操作感や使い勝手は、Fire TV Stick以上に快適でした。
Fire TV Stickに関するエントリーは以下のものになります。
Fire TV Stickにまつわるお話
不穏な噂
これまで長らく続いてきたFire TV Stickですが、Amazonの方針転換が最近非常に多く、Alexa部門のリストラであったり、Fire OSを辞めてLinuxベースのVegaOSにするといったような話が聞こえてきています。また、Fire OS自体も「ADBを使えなくする」といった報告も上がってきており、Amazon AppStore以外のAPKファイルのインストールを禁止するのでは?という憶測まで出てきています。
更にはホーム画面にて、Amazon Primeの広告が全面表示されるのが強制化されるなど、ユーザにとって不満の種になるようなことまでもが現実に起きていたりします。Fire TV StickがAndroidベースであったからこその利便性や優位性が損なわれつつあり、Amazon自体もAmazon AppStoreは全く成功とは程遠い現状であるので、ユーザをコントロールし制約を加えたいのではないかという邪推まで出てきています。
結果として、カスタマイズで快適さを追求してきたこれまでのノウハウが消えることで、Fire TV Stickは凡庸なつまらないガジェットになっていくのではないか?と個人的には感じています。
※当然、Androidではなく独自OSとなるので開発者がついてくるのか?といった不安まであるため、OSが根底から変えられると・・・
不満点
そもそも、Fire TV Stickを皆がカスタマイズしていた理由は、「素の状態では不便だから」に他なりません。その不満点をまとめるといかのようになります。
- Google Playが入っていないので、アプリの追加がAmazon AppStoreに限定されている
- 結果としてAPKを導入する為には結構なハードルになっている
- Google Play Serviceが入っていないので、それらを利用してるアプリは動作しない
- ADB封じであったり、Mouse Toggleのような利便性向上ツールの動作を封じたりと最近は改悪が目立つ。
- リモコンのボタン割り当て変更なども封じられたりし、専用ボタンが邪魔な存在になっている。
- USBメモリ等を追加する為に、分岐型USBケーブルを別途購入する必要がある。
Nebula 4Kのメリット・デメリット
Nebula 4Kは素のAndroid TVを製品化したものであるため、Fire TV Stickとは異なり基本はAndroidと変わりません。また、Amazonが現在進行させているような制限といったものも無い為、Fire TV Stickとは異なりかなり自由度の高い製品です。そこで、Fire TV Stickと比較した際のメリット・デメリットをまとめてみました。
図:Prime Videoももちろん見られる
メリット
メリットは非常に多大で、色々苦労して我慢してFire TV Stickを使うよりかはNebula 4Kを使ったほうが、QOLは圧倒的に高まります。
- Google Play対応なので、膨大なアプリを簡単に導入できる。
- またGoogle Play Service対応なので、それに対応したアプリも普通に動作する(APKで個別にいれる必要性が殆どありません)
- CX File ExplorerでGoogle DriveやBoxと連携が可能(2.のサービスが必要だったのでFire TV Stickでは出来なかった)
- Androidそのものなので、ADBが使えないといったことがありません。
- 特定企業の自社サービスの戦略の為に、広告を全面表示するといったようなQOLを下げることがありません。
- 標準でUSBが使える分岐型のケーブルを採用してる
- リモコンがFire TV Stickよりもシンプルで、Chromecastのようにシンプル過ぎない
- 2.の結果、Google Play Movieもアプリで視聴することが可能です
- 4K 75fpsでの再生に対応。
- Google Assistant 対応製品を利用することができる
- 別売りチューナーを追加すると地上波も見られるようになるらしい
- リモコンにYoutubeへのショートカットボタンがついてる
- 中身はChromecast for Google TVとほぼ同じなので、そちらのテクニックがそのまま流用可能です。
- リモコン操作で機器の再起動が可能
- Fire TV Stickと異なり、Googleアカウントによるマルチアカウントでの利用が可能です
基本、Fire TV Stickにできて、Nebula 4Kに出来ないことは基本的ありません(一部を除いて)。逆はかなりある・・・それがつまり上記のメリットにつながってるわけです。
デメリット
機能的な面以外にも目を向けて、デメリットを探ってみました。
- Fire TV Stickのリモコンのメニューキーが無いので、コンテキストメニューを出すには真ん中ボタン長押しのみとなります。
- 特定のゲームをインストールすることが可能ですが、別途ゲームパッドが必要です。(リモコンだけじゃプレイができないケースがある:RetroArchなどがそれ)
- Google Play対応といってもAndroid TV対応のアプリのみが表示されるので、それ以外のアプリはAPK DownloaderでAPKとしてダウンロードして手動でインストールが必要(SmartNewsなどがこれ。けれどFire TV Stickではそもそも動作しないので逆にメリットでもある)
- Dolby Digital Plus搭載であるため、Fire TV Stick 4K MaxのDolby Atmosよりは劣る
- Alexa対応家電は使えない(またGoogle Assistant対応家電はAlexa対応よりも少なめ)
- Fire TV Stickよりもマイナーな製品なのでサポートに不安はある
- Webブラウザが標準搭載されていないので、別途導入が必要
- APKで導入した野良アプリがランチャーに表示されないケースがある(特にGoogle Playからダウンロードしたもの)。
個人的にはデメリットはあまり無いかなぁといった感じです。それ以外はほぼ自分は利用もしていないものなのと、あえてこの機器で行うようなものでもないので、6.のサポート体制が気になるくらいだと思います。
価格と性能面での比較
価格面でみると無印Fire TV Stickよりは高く、オリジナルであるChromecast with Google TVとほぼ同じ内容を考えるとたしかに前者のほうが通常は選択肢に入るかと思います。セールも頻繁にあるので。ただFire TV Stickは昨今の規制や制限、またChromecastはリモコンとお餅みたいな筐体がちょっと・・・ということで、自分は今回Nebula 4Kを選んでみました。
性能面で言うと、Fire TV Stick 4K Max Gen2を使ってる自分からすると、スクロールやタブの移動で若干もたつくのが気になるものの、動画の再生やKodiでのストリーミング等で気になった面は特にありません。重めと言われるTVerの再生についても気になる点はなく。ただ、scrcpyでPC側に画面を飛ばしてる時は、ちょっとラグがあるなぁと(CPUの性能の差だと思います。RAMは同じ2GBであるので処理能力が若干低い)。
出来る事の差はむしろFire TV Stick側のほうがハードルが高いもしくは出来ないことが多いので、徹底的に使い倒したいガジェット好きにとっては、Nebula 4Kのほうがストレスが無いのではないかと思います。
いずれにせよ、Chromecast with Google TVやNebula 4Kのような選択肢が残されてるので、Fire TV Stickがつまらないデバイスになってしまった時に移行先としては十分な環境があるので、囚われる必要がないのは良い点です。
※HDMI CECが使えるのでFire TV Stick同様にテレビのリモコンを使っての操作やIR操作も可能のようです。
セットアップ上の注意点
Anker Nebula 4K Streaming Dongleを利用するに当たってのいくつか気がついた注意点と解決法を記述しておきます。
初期セットアップ時の注意点
電源を投入後本来ならばWiFi選択画面が出てくるハズなのですが、出てこずいきなりGoogle Playのログインを促す画面が出てきました。「おかしいな?」と思ったので再度、電源を入れ直すと今度はきちんとWiFi選択画面が出てきたので、初期セットアップ時に混乱する理由の1つです。それ以外については、Googleアカウントの追加などは通常のAndroidと同じようなスタイルです。
セットアップで躓いたのはここのみ。
その後、Android TV自体のアップデータがダウンロードされてきて更新作業が入ります。
リモコンアプリが使えない
中身はGoogle TVですので、Google公式のGoogle TVアプリがリモコンアプリになります。なのですが、セットアップが終わりOSがアップデート完了してるにも関わらず、アプリとNebula 4Kのリンクをしてもリモコン操作が出来ない。ということで調べてみたところ、以下の作業を行いサービス自体を手動でアップデートしなければならないようです。
- Google Playアプリを起動する
- 検索を開き、「android tv」で検索を実行する
- 検索結果のうち、Android TV HomeおよびAndroid TV リモコンサービスの2つを開く
- 更新をクリックする
これを行った後に、改めてスマートフォン側のGoogle TVアプリを起動して、以下の作業をする(同一WiFiネットワーク上にいる必要があります)
- 画面右下に出てる近くのデバイスをタップ
- Anker Nebulaと思われるデバイスを選択
- すると、テレビに表示されたコードを入力してくださいと出るので、Anker Nebulaで表示されたコードを入力
- ペアを設定をクリック
- ペアリングが完了し、接続済みの右端にリモコンアイコンが表示されるのでタップする
- リモコン画面が出るので操作すると、Nebula 4Kが操作できるようになってる
図:無事にリモコン操作できるようになった
野良アプリがアプリ一覧に出てこない
前述のデメリットにもあるように、Android TV標準ランチャーはGoogle Playでインストールしたアプリしたアプリ一覧に表示されない為、野良APKでインストールしたアプリについては、別のランチャーに置き換えるか?それとも、以下の手順で起動するしかありません。
- 設定を開く
- アプリを開く
- アプリをすべて表示をクリック
- 野良インストールしたアプリがいるので選択
- 開くをクリック
この手順を毎回やらなければならない為、面倒です。XDA Forumに標準ランチャーを停止して3rd Partyランチャーをインストールして置き換える方法が提示されてるので、暇があれば検証をしてみたいと思います。
※但し、一部のAPKはきちんとリストに出てきてお気に入りのアプリにも登録出来てるので、APKによるところが大きのかもしれない。
※後述のWolf Launcher導入で全部アプリが表示出来るようになるので、野良アプリ利用するケースでは入れておくと良いでしょう。
図:このあたりの制限が面倒
USB機器が認識しない
Nebula 4Kの分岐型OTGケーブルにはUSBのメスのコネクタが用意されてるので、接続したら即使えるか?と思ったら使えなかったので理由を検証してみまいた。結果、デフォルトでは「充電」となってるため、そもそも認識以前の問題でした。ということで以下の手順で認識させます。
- 設定を開く
- デバイス設定を開く
- デバイス情報を開く
- ビルドを7回連打すると、開発者オプションが有効化される
- 画面を一個戻って開発者向けオプションを開く
- USBデバッグはオンにする必要はないけれど、USB設定の選択をひらく
- デフォルトが充電となってるのでこれを「MTP」に変更する
- USBマウスなどを接続すると即時に認識して使えるようになる
但しこの設定、再起動するとまたデフォルト設定が「充電」に戻ってしまうので要注意です。USBマウスやキーボードは問題なく認識して利用できました。
図:開発者向けオプション有効化が必要
Googleアシスタントがおかしい
初期セットアップ時にOSのアップデートが走ったあとに、Googleアシスタントを起動してなにかさせようとしても、音声認識がされない現象が発生しました。そこで、以下の作業をしてNebula 4Kを再起動したら音声認識が無事に動きました。
- Google Playを開く
- 右上の自分のアカウントを開き、アプリとゲームの管理を開く
- 右側のアップデートを開き、すべてのアプリのアップデートを実行する
- これで再起動。
- これでも駄目な場合には、Google PlayからGoogleで検索して以下のアプリを手動でアップデートする(選んで更新をクリック)
12345google app for android tvgboardandroid ユーザー補助設定ツールchromecast built-intv setup
※必ずしも不要なものがあるけれど、システム上は上記のアプリはアップデートしておいたほうが良いです。 - これで再起動する
- Google アシスタントボタンを押して喋って認識されればオッケー。
アプリの自動更新はオンになっているものの、なぜかアップデートされていないので、手動でアプデを実行しておきましょう。もちろん、OS本体のアップデート確認もしておき常に最新にしておきましょう。
図:アプデを手動で実行する
紹介動画
色々と検証してみた
radikoを再生する
Google PlayにはRadikoアプリがありません。しかし、Google Assistantの機能を利用してRadikoを再生可能です。但し、居住してる地域のラジオしか再生は出来ませんので要注意。
自分の住んでいる場所は東京都ではないので、地方故に選曲できる内容が例えエリアフリー加入していても、地域のAM/FMのみで、しかもスマフォのRadikoでは聞こえる地場のAM/FMの一部がAssistantでは聞けずエラーとなりました。
調べて見た所、確かに住んでる場所での放送局ではあるものの、ネット経由だと自分の環境だとそのエリアではないようで・・・なぜか300km離れたエリアに所属してるようで聞けるラジオ局が異なりました。なので、こちらのページを開いて自分のネット環境と地域で聞けるラジオを確認しておきましょう。
その後、Googleアシスタントボタンを押して、例えば「FM福岡を聞きたい」と喋るとストリーミングが開始され、もう一度押して「ラジオ止めて」と喋ればストリーミングがストップします。
※事前に前述のGoogleアシスタントがおかしいを参照して、アシスタント周りをアップデートしておきましょう。
図:無事にRadikoで再生できました。
ボタン機能の割当変更
Fire TV Stickと違って、各種ボタンに対しての機能割当を簡単に変更出来ます。Button Remapperというアプリを入れてボタンの1回押し、2回押し、長押しに対してそれぞれ割り当てることができるだけじゃなく、カスタムボタンですらも置き換えることが可能となっています。
但し、カスタムボタンに対しての割当変更はPro版の機能となってるので課金が必要です($3なので気軽に手が出せます)。
試しにホームボタン2回押しに対して、よく使うアプリを割り当ててみました。1回押しならば通常のアクションが起き、2回押しに対してはアプリが起動といった形になります(この機能は無償版で可能です)。
※完全無料のKey Mapperというアプリもあります。こちらはAPK Downloaderでダウンロードして手動でインストールが必要です。
図:ボタン割り当てが非常に簡単
Webブラウザを導入する
Fire TV Stickの場合、Silk BrowserというWebブラウザが標準で装備されています。そのため、リモコンでウェブブラウズすることが可能になっていますが、Nebula 4Kにはウェブブラウザが無いため、導入してみようと思います。
- Google Playを開く
- ブラウザで検索すると、Sleipnirブラウザが見つかるのでインストール
- 起動してみる
これだけです。標準でマウスカーソル的な機能を装備してるのでMouse Toggleなしでマウス操作をリモコンで行うことが可能です。アプリ提供されていない動画サイトの閲覧などに利用可能です。タブブラウザになっておりSilkブラウザよりかは遥かに使いやすいです。
図:ウェブブラウザも出来ます
ADB接続できるようにする
Nebula 4Kに対して各種アプリ内部および外部からのADB接続してコントロールをするケースがあります。通常のユーザはあまり使うことのない機能ですが、開発であったりカスタマイズツールでAndroidの内部の細かい設定変更をするのに活躍します。
この機能をオンにするには以下の手順で有効化しておきます。予め開発者向けオプションは有効化しておきましょう。
- 設定を開く
- デバイス設定を開く
- 開発者向けオプションを開く
- USBデバッグを有効化しておきます。
この状態にすることでADB接続が可能になります。macOSならばターミナルを起動して以下のコマンドで接続します。IPアドレス部分は、設定を開きデバイス設定の中のデバイス情報⇒ステータスを開き、IPアドレスにIPv4で記載されています。
1 2 |
//IPアドレス部分はNebula 4Kのアドレスを入れる adb connect 192.168.50.221 |
Kodiを使ってみる
メディアサーバとして非常に有名なKodi。Fire TV Stickでは自分の場合ISO化しておいたメディアを読み込む為のアプリとして活用しています。Nebula 4Kでも活用できるかどうか?検証してみました。
NASはASUSのAX3000に外付けHDDとして10TBのものを利用しています(フォーマットはHFS+)。
ISOファイルは非常に大きなファイルであり、無事にストリーミング再生できるかどうか検証してみましたが、問題なく動画再生もメニュー操作も出来ました。WiFi経由であっても遅延することなく動画を見ることが出来ました。
※NASのソースを追加する際に、IPアドレスの入力後に共有フォルダや参照をクリックするとうまく設定でいないので要注意。IPを入れて、ユーザ名とパスワード、ソースのタイトル名だけでオッケーです。
ミラーリング
標準のミラーリング機能
Nebula 4KことAndroid TVは標準でMiracastによるミラーリングに対応しています。故にAndroidスマートフォンやWindows10からのミラーリングなどに対応しています。スマフォのケースで言えば、同じネットワークに参加している上で、画面のキャストを実行。自分で名づけたNebula 4Kのデバイスが出てくるので、接続すると画面が表示されます。
但し、動画プレイヤーなどが稼働中の場合はキャストされませんので要注意(同じく、ADB接続中などは真っ黒状態なので接続を解除しておく必要性があります)。アプリではなくOSレベルで映像を受信してるので作業をしながら、映像を映すことは難しいです。
※Googleスライドからのキャストの場合だけ特殊で、手元はノート付きの画面に対して、キャスト先はスライドのみが表示されるプレゼンターモードになります。
AirReceiver
MiracastではiOSデバイスやmacOSからのミラーリングは出来ません(こちらはAirPlayでミラーリングが必要であるため)。また、標準機能ではDLNAに対応していないので、手元のデバイスからのストリーミングも出来ません。そこでFire TV Stickでもお世話になったAirReceiverアプリを入れておき、他のアプリの上に重ねて表示の権限を与えておくと、AirPlayやDLNA、自前でMiracastにも対応するようになります。
DLNAにてスマフォから配信するには、BubbleUPnPのようなDLNAクライアントを使って、キャスト時にDLNAとついてるキャスト先を選ぶだけです。
macOSからキャストする場合は、Google Chromeのようなキャストのできるアプリからブラウザ全体もしくはタブをキャスト先を選ぶだけで配信が可能です。若干のタイムラグがありますが、十分に使えますがマウスカーソルは表示されないので要注意。
図:DLNAでキャストも可能に
リモコンをマウス化させる
Fire TV Stickは特殊な改造をしたMouse Toggle for Fire TVでなければリモコンをマウス化することが出来ませんでした。これもFireOS8ではまた別の方がリメイクしたものを導入するのですが、なかなかハードルが高いです。
Android TVの場合はFire TV Stickのような制限が無いので割と導入しやすいです。
- 予め、Nebula 4Kで開発者向けオプションのUSBデバッグを有効化しておきます。(ADBを利用する為)
- こちらのAPKファイルをダウンロードして、Nebula 4Kが参照できるNASなどに配置しておく
- インストールして起動すると、設定関係がNot Grantedになってるので、setup permissionをクリックする
- すると、他の上に重ねて表示のパーミッション許可を求めてくるので、Mouse Toggleの項目を選んでオンにする
- 次にNebula 4Kの設定を開く
- デバイス設定を開く
- ユーザ補助を開く
- サービスの下にMouse Toggle Serviceが出るのでクリックして、有効にするのチェックをオンにする
- 再度、アプリ一覧からMouse Toggleを起動すると全部がGrantedになってる
- 一番下のDETECTをクリックする
- リモコンの左上にあるブックマークみたいなマークはほぼ使わないので、これを長押しすると174というキーであることがわかる。
- 画面を一個戻ってBoss Keyに174を入力して、SAVEをクリックする
- ニコブラウザなどのマウスを要するアプリの場合、12で設定したキーを長押しするとマウスカーソルが現れて操作できる。もう一回長押しで、カーソル操作がオフになる
図:少し手間が掛かりますが
図:でかいマウスカーソルのまま表示してみた
ADBを使ってマウス操作するアプリ
Nebula 4KがADB接続出来る状態であるならば、前述のGoogle TVアプリでなくてもマウス操作やキーボード入力が出来るアプリがあります。それが「Android TV ADB Mouse Keyboard」です。
操作手順は
- スマフォ側に上記のアプリを入れておく。
- Nebula 4K側はADB接続出来るようにしておき、IPアドレスを調べておく。
- 1.のアプリの歯車をクリックする
- Server IP Addressに2.で調べたIPアドレスを入力する
- 自動的に接続して、Connectedとなればオッケー。
マウス操作だけじゃなくリモコンの丸い部分の方向や真ん中ボタン、キーボード入力が可能になっています。リモコンでポチポチやるのが嫌だという人には便利なアプリかもしれません。
図:Fire TV Stickでも使えるかも
通信速度の計測
自宅の光回線は割と高速な範疇です。スマフォレベルであってもfast.comの計測速度は400〜500Mbpsをコンスタントに出せる状態にあります(2重ルータの状態でも)。その状態で、Sleipnirブラウザを利用してfast.comで計測してみました。
計測するAPは5GHzのもので、スマフォと同じ環境下にあります。
複数回計測しましたが、180〜230Mbpsとスマフォよりもずいぶん低い数値。動画視聴を普通にする分には問題無いものの、この速度の場合ですと動画アプリによってはFHD(1080p)で再生されず、HD(720p)に落ちてしまう可能性があります。もちろん自分の環境が悪いこともアリえますが、他の通信速度が十分出てることを考えると、CPUの力不足か?ネットワークチップの能力がちょっと低いのかもしれません。
※同じ環境でFire TV Stick 4K Max Gen2で計測した所、素早く250Mbpsまで出せていました。
※AmazonレビューにあるようなWiFiが切れるということはありませんでしたので、レビュアーが2GhzのAPで混雑状態だったのではないかと思われます。
※100Mbpsあれば必要十分なのでこの速度で視聴に問題が生じることは無いと思われます。
図:ちょっと通信速度が低い
Prime Videoでの検証
なぜかフルHDで見られない?
Amazon Prime Videoは別にFire TV Stickの専売特許でもなんでもないので、もちろんNebula 4Kでも見られる。はじめからアプリはインストール済みなので、Amazonアカウントを登録することで見ることが可能(複数アカウントを登録も可能です)。
しかし、ここでの検証はあまり良くない結果でした。
Fire TV Stickが同じ環境下でもきちんと再生時は「HD 1080p」で再生出来ていましたし、スマフォでも同様の結果でしたが、Nebula 4Kはなぜか「HD」での再生になっていました。Nebula側の画質設定を見てみると1080p 59.94Hzという設定になっていてここはより高画質のほうには変更が出来ません(自分のモニタは4Kではないので)。Macbook Airでも同様に検証しましたが問題なく、HD 1080pでの再生となっていました。ただ見た感じでは、画質が劣化してるようには感じません(鬼滅の刃で検証してみています)。
しかし同じモニタ、ネットワーク環境にありながら、Amazon Primeでの再生がHD(720p)に落ちるのはちょっと問題ありかなというポイントです。Chromecast with Google TVのほうが気になる所。通信速度でこうなっているのか?それともこの画質設定でこうなっているのか?は不明です
※尚、初期セットアップ直後だとアプリが古いままなので手動でAmazon Primeを探して更新をする必要があります。
※スマートフォン版はAPKダウンロードしてもインストールは出来ません。
図:同様の内容が違う機種で報告されてる
原因と思われる内容
Amazon PrimeでFull HD以上で見ることの出来る要件というものがあり、
- Amazon Primeで認定端末とされてるもの(こちらにその一覧があります)
- DRMセキュリティのレベル(widevine)がL1対応となってるもの(DRM infoで確認可能です)。
- 十分な通信速度を確保してること(通信速度が遅いと速度に合わせて動画画質が落とされる為)
通信速度モニターおよびReal-Time Display FPS Meterを表示してみましたが、特にオカシナ点等はありませんでした。また、DRM Infoについても問題ない。Abema TVやTVerでは画質の低下は見られなかった。
本体自体は4K対応謳ってるのと他のアプリではきちんと対応出来てるのは検証済み。
ということで、2番目の要件のPrime認定されてるかリストを見てみた所、Chromecast with Google TVは受けているものの、Nebula 4Kはその要件に入っていませんでした。これがHD画質でしか再生できない問題なのではないかと思われます。Redditでも同様の報告があります。
※過去にBeta版を入れれば見られる的な記事がありますが、現在はこの手法は利用できません。
図:widevineはL1対応
Youtubeでの検証
とあるアプリでYoutube再生してみて、本当にFHD(1080p)で再生出来てるのかどうか?以下の動画で検証してみた。モニタが1980x1080の60fpsまで対応なので、FHDで再生できればオッケー。
デバッグモードをオンにして再生してみた所、きちんと1080pの60fpsで再生されてることを確認した。故に、前述のAmazon PrimeでHD再生になってしまうのはアプリの環境判定に問題があるのか?。少なくともこのアプリではFHD画質で再生されているので、高画質でヌルヌル。4K対応モニタならばこのVideo Resolutionがもっと高解像度で表示されるはずです。
図:確かに高解像度で再生に対応している
サウンド出力について
Amazonのレビューに音量出力が低いというレビューがありました。実際に自分の環境で2つ検証してみました。いずれも機器側の音量はMaxとして設定済みで、リモコンでNebula 4K側の音量を調整する形にしています。
- BenQのモニタだけを利用しモニタからの出力のみで計測
- 後述のCreative T12 Wireless Speakerに有線で接続して計測
前述のモニターに付属のスピーカーは大したものではないのですが、言うほどの小ささは感じませんでした。また、リモコンでの音量上下も問題なく動作しています。
また、後述の外付けスピーカーは全く問題なく動作しています。故にNebula 4K側の音量は70%程度の音量に設定して使ってるくらいなので、音量関係に関してはレビュアーが本体の音量に関してきちんと設定していない可能性が高いです。モニター側の音量とNebula側の音量は別の設定になるので、この部分の食い違いがあるのではないかと思います。
Wolf Launcherに変更
Fire TV Stickではなかなかに大変だったメインのランチャー変更。Android TVであるNebula 4Kではどうか検証してみました。以下の手順でランチャーの変更をすることが可能です。Button Mapperも併用します(デフォルトランチャーは停止せずに運用します)
- Wolf Launcherをダウンロードしてインストールする
- Wolf Launcherを起動する
- Button Mapperを起動する
- ホームボタンを選び、1回クリック時はWolf Launcherを起動するようにアプリ割当する
- これでホームボタンをクリック時は、Wolf Launcher、起動中は通常のランチャーに切り替わるようになります。
- 真ん中ボタン長押しで、各種設定メニューが表示出来、Android SettingsがNebula 4Kの設定になります。
- Launcher Optionsで壁紙変更などが可能になっています。
利点として、シンプルで軽量ということもありますが、標準ランチャーだとAPKでインストールしたものが何故か出てこないケースがあるのに対して、こちらはすべてのアプリが出てくるのでアクセスしやすくなります。
図:全部のアプリがきちんと表示される
PushBulletを導入する
Fire TV Stickと異なり、Nebula 4Kの場合はGoogleでログインの機能を利用できる為、Push Bulletを導入してPCやスマフォからURLやファイルを送りつけることが可能になっています。
- APKはこちらからダウンロード可能
- アカウントを作成し、設定関係を全部終えておく。
- PC側のChromeには拡張機能を導入して同じアカウントでログインしておく
- 同じように設定を済ませておく
- 双方から、URLやテキストなどを入力して自分自身に送信する
- アプリの特別な権限で通知に対してPushbulletをオンにしても、いわゆるNotificationのようなものが出ない・・けれどメッセージはきちんと送ることが可能です。
URLなどを送りつけることが可能で、そのままSleipnirなどのブラウザで開けるのが非常に便利です。
図:Android TVだからこそ出来る技の1つ
ハードウェア対応
Fire TV Stickの時に利用していた各種外部ハードウェアをそのまま流用して使えるかをテストしてみたいと思います。
ただ、これは自宅の環境ですが、WiFiの電波などが多数飛び交うエリアだとBluetoothスピーカーは障害を受けてブツブツ切れがちなので、より切れにくい最新のBluetoothバージョンやコーデックに対応してるスピーカーを利用するべきでしょう(もしくはモニターからLINEOUTで出力するようにするか)
Bluetooth機器
ペアリング
BluetoothのペアリングはNebula4Kの場合はちょっと設定箇所が異なります。デバイス設定にはBluetoothの設定がなく迷ったのですが、以下の手順でペアリングは簡単に行えました。
- 設定を開く
- リモコンとアクセサリを開く
- Bluetooth機器をペアリングモードにしておく
- 検出されるので選択する
- ペアリングをクリックするとクリック出来ないので
- 方向キーで下に3回ほどクリックするとキャンセルの方向に移動できるので、もう一度上に1回移動してペア設定をするをクリックする
- 接続される
という手順で全て行います。
図:ペアリングの画面はこちら
スピーカー
手持ちのCreative T12 Wireless SpeakerをFire TV Stickから外して、Nebula 4Kにペアリングしてみました。自分の場合、BenQのPC用モニタを使っていますが、普通にNebula 4Kでは音量キーで音量を調整可能ですので、Bluetoothスピーカー側は音量最大にしておき、リモコンの側でデバイスで音量制御をするように調整しています。
Fire TV Stickのリモコン
Fire TV Stick 4Kの初代のリモコンが余っていたので、試しにペアリングしてみました。Fire TV Stickのリモコンのホームボタンを10秒長押しすると、「AR」という名前で検出されるのでペアリングします。
実際に使ってみたのですが
- Google Assistantは反応はしても音声は送れませんでした。音声入力も出来ません。
- 電源ボタン、設定ボタン、各種ショートカットボタン、テレビマークのガイドボタンは反応せず。
- メインの丸いボタンおよび方向ボタン、音量調整、メニューキー、ホームボタン、戻るボタン、ミュートボタン、ウィンドウボタンは問題なく利用できました。
- シーク用の戻る、再生・停止、送りボタンも問題なく利用できました。
Button Mapperで割当できるかどうか?を見てみましたが、
- ガイドボタンは割当可能
- 設定ボタン横のウィンドウ?ボタン、電源ボタン、設定ボタン、各種ショートカットボタンは割当不可能。
という結果になりました。Key Mapperだと認識してるので割当可能かもしれませんが、こちらは設定にマウスが必要になるので要注意。
マウス
Bluetoothマウスとして手元にロジクールM557があったので、ペアリングしてみました。しかしここで問題点が1つ
「Mouse Toggleをインストール済みでユーザ補助でオン」の場合、ペアリングが出来ませんのでオフにしておく必要があります。
実際にオフにしてペアリングすると無事に接続出来、黒いマウスカーソルが出て、ホイールも利用可能になっています。Mouse Toggleと違って直感的に利用できるのと、もちろんリモコンも併用できるので、普通にBTマウス買ったほうが幸せになれるのではないかと思います。
図:思わぬ障害があるので注意
ゲームパッド
ゲームを行うのにリモコンでは厳しいので、手持ちのゲームパッドを認識させて使えるだけじゃなく、リモコン代わりにも利用することが可能になります。自分の場合、以下のエントリーにもあるようにPS5のゲームパッドを持っているので、これをペアリングさせて利用しています。
ペアリングするとWireless Controllerとして認識されて、RetroArchなどのゲームでも使えるだけじゃなく、メイン画面の横移動やアプリの実行、ホーム画面に戻るなどが可能になります。
ゲームパッドの方向キーが移動で、「◯」が決定キー、PS5マークの真ん中のボタンがホームボタン、「◯長押し」がコンテキストメニュー、「✕」が戻るボタンとなります。
RetroArchの場合は、ホットキーのメニュー切り替えのコンボボタンが設定されていないので、これをSelect2秒長押しにセットし、Controller1のselectをタッチパ度の右のボタン、スタートを左のボタンに長押しでセットしておく必要があります(でなければ、ゲーム中にメニューに戻れない)。
図:PS5コントローラが認識された
USBメモリ
Fire TV Stickの場合、別売りのUSBメスとmicroUSBがついてる分岐OTGケーブルを購入する必要がありました(これがまた当たり外れがある)。しかし、Nebula 4Kは標準がこのケーブルなのでUSB機器を接続することが可能になっています。そこで、手持ちのUSBメモリを接続して利用できるのか?テストしてみました。
※但し前述のUSB機器が認識しないの項目に於いて、MTPとして接続可にしておく必要がある。
結論から言うと、以下のようになります
- CX File Explorerからはリムーバブルストレージの場合アクセスが出来ない(許可を与えること自体が出来ない)
- TV File Commanderの場合、アクセスは可能
- 但しいずれの場合でもFAT32でフォーマットしたディスクしか認識しない。また認識しても読み取り専用となる。
さらに、DVDプレイヤーを接続してみましたが、ドライブ自体を認識しませんでした。しかし上記の内容はFire TV Stickでも同様のことなので、Nebula 4Kの問題ということではありません。
HDMI切替器
Fire TV Stickでも使っていたHDMI切替器。これを使って1台の切替器に複数のHDMIデバイスを接続して、ボタン一発で切り替えできるか?試したところ何ら問題なく利用可能でした。この切替器にFire TV Stick, Macbook Air 2020, Nebula 4Kと接続して切り替えしています。
4K対応の切替器であるので、画質に特に問題も生じず。
関連リンク
- Google Assistant向け対話型スキル(Actions on Google) の終了について
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