長年使ってきたAppleのAirmac Extremeがこの夏の暑さで熱暴走。頻繁に切れるようになったのと、屋内のLAN機器も802.11ac対応のものが増えてきたので、せっかくのNuro光回線の帯域を活かす意味も含めて、高性能なWiFiルーターを購入しました。

それが、ASUS TUF-AX3000。今回様々な要件とコスパを含めてこのルーターを選びましたが非常に快適です。今回はこの無線LANルーターを使って手持ちのあらゆるWiFi機器をつなげてテストしてみたいと思います。この製品は2020年5月15日発売で、ハイスペックにも関わらず、20,000円切りのコスパの良いルーター(Prime会員限定割引セールだと15,000円で購入可能)です。今回はゲームと言うよりも家庭内テレワークに主に主眼を置いてレビューしてみたいと思います。

TUF-AX3000の特徴

リーズナブルな価格でありながら、BuffaloやらIO-DATAといったような国内のありがちなルーターと異なり、かなり面白い機能を搭載しているルーターです。主な特徴を上げると

  • 802.11ax(WiFi6)に対応。
  • 5GHz帯で最大2404MBpsの通信速度を叩き出す事が可能(上位機種だとこれの更に倍のスピードが出るらしい)
  • 優先的に安定接続をする有線LANゲーミングポートを搭載
  • ポートフォワーディングが簡単に出来る(いわゆるポート開放のこと)
  • VPN接続と通常のネット接続を同時に実現できる(また、ルータ側でVPNを設定できるので、VPNクライアントを持たない端末でもVPN通信可能 – VPN Fusion
  • QoS対応
  • 最近流行りの複数のWiFi子機と連動してWiFiエリアを拡大できるメッシュWiFiに対応(最大5台)
  • ルーターのセキュリティ機能として、TrendMicroのAiProtectionを搭載
  • ペアレンタルコントロール搭載。ルーターレベルでコントロール出来るのでお子様がいても安心
  • スマフォのアプリから高機能なルーターセッティングが可能(iOS版も存在します)
  • 搭載CPUやRAMが大きいので多数のデバイスを接続しても安定的に通信をさばく事が可能です(一般的な家庭用ルータだとハングアップや速度低下も起こり得る)
  • 最新のWPA3-PersonalやWPA2-Enterpriseにも対応なので、事務所での利用もオススメできる
  • USB3.1ポート有り。HDDを接続してNASを構築可能(SAMBAも搭載されています)。そしてなぜかHFS+フォーマットも対応しています。
  • なぜか、Timemachineに対応しているので、macOSからバックアップ先として利用可能(AirMac Extremeの代替が務まります)
  • もちろんWPS対応
  • 最大64台まで端末を接続可能とのこと(80台くらいまで行けるらしいけれど)
  • 背面に引っ掛ける穴がついてるので、壁掛け運用が可能
  • デバイスの対応状況に応じて周波数帯を切り分けるスマートコネクト機能搭載(2.4GHzや5GHzでユーザが意識する必要がない)。自分は分けてるけど・・・
  • Wake On Lan対応
  • Target Wake Time対応
  • DLNAメディアサーバにもなれるようだ
  • なぜかIFTTTやAlexa対応(対応のAlexaスキル

有線LANポートは1000BASEなので最大1GBpsの接続になる。

一般家庭にはオーバースペックと思われがちですが、最近の一般家庭は、PC複数台、スマフォ複数台、ゲーム、IoT端末、Fire TV Stickの類など様々なWiFi機器が存在しているので、決してオーバースペックではないです。4LDKクラスのお家ならこれ1台でもカバー可能(電波の特性的にはできればメッシュWiFiで中継したほうが良い)。

また、今現在、WPA3や802.11ax対応機器を持っていないからオーバースペックという考えは間違いです。USB Type-C同様将来使うようになった時代が来ることを考えれば、現在使えなくとも先行して使える状態にあれば、余計な買い替えや機能を制限する事なくすぐ使えるので、将来投資と考えてもこの価格は悪くないです。

設定

ケーブル接続

ONU兼ルーターが自宅にはすでにあるはずです。自分の自宅もNuro光からレンタル品でF660Aというルータが存在します。ここからTUF AX3000を1000BaseのLAN(カテゴリ6のケーブル)で接続します。作業自体はこれで終了です。

しかしこのルータには1つ特徴的な機能があり、ゲーミングLANポートが存在します。他の有線LAN機器は他の黄色のポートに接続すればOKですが、ゲーム機器などはこのGaming LANと書かれたポートへ有線LANで接続させると、優先的に安定的にルーターが接続処理をしてくれます。シビアなネトゲなどを行う場合には非常にありがたい機能です。

自分の場合デスクトップ機で在宅の仕事を行っているので、デスクトップ機はこのゲーミングLANポートへ接続させています。特にTeamsやZoomなどのテレカンを行う場合はゲーム同様に安定的なパケット処理をしてくれないと、途切れたりするので非常に役に立っています。

ルーターセットアップ

初期セットアップ

ルーター自体のIDやPASSの設定そのものは、こちらのマニュアルを参考にセットアップしてください。ただし、注意点が1つ。同じネットワークにルーターに書いてあるSSIDとPASSを元に参加後に、router.asus.comにアクセスするのですが、アクセスできないケースがあります。その場合、アプリを使ってセットアップするか?192.168.50.1(192.168.1.1の場合もある)のようにIPアドレス直打ちで入ることが可能です。

図:ログイン直後の画面

ファイアウォール

Nuro光などを利用していて、IPv6やらレンタルのルータのファイアウォールが弱くて心配という人は、二重NATになりますが、レンタルルータに有線でTUF AX3000を接続して利用するのは決して問題のある使い方ではありません。この場合、レンタルルータ側のセキュリティが弱くても、TUF AX3000側が壁になるので、むしろ有効です。

  1. 左サイドパネルのファイアウォールを開く
  2. ファイアウォールを有効化はそのまま有効にする
  3. DoS保護は有効化しておくと尚良いでしょう。
  4. WAN側のPingに応答はしないように、オフにします。
  5. IPv6ファイアウォールについては、有効にしましょう

図:IPv6でもFWは当然必須

DNSを設定する

ルーター側でセットしておくとクライアント側で個別にセットしなくて済むのでぜひやっておくと速度アップに繋がります。

  1. 左サイドパネルからWANをクリック
  2. WAN 側 DNS 設定の項目で、DNSサーバ1と2にそれぞれ、Google Public DNSの「8.8.8.8」「8.8.4.4」を入れる
  3. 適用をクリックして保存します。

ワイヤレス設定

ここでは、2GHzと5GHzの2本のSSIDをそれぞれ設定することが可能です。このあたりは普通の無線LANルーターと同じですが、Amazon系のデバイスなどを使ってる場合は、5GHzのルーターのチャンネルは36, 40, 44, 48のいずれかである必要があります。

また、WiFi6の機能を使いたい場合には、802.11ax/WiFi6モードを有効化する必要があります。

古いデバイスの場合、5GHzに未対応であったり、802.11b/gでないと繋がらないということがあります。また認証方式もWPA2以上だと接続できないケースがあります(例えばPlaystation Portableなどは802.11b/gでなおかつWAP、WPA-PSK TKIPでなければならない)

また、ワイヤレスモードもその場合、Legacyに設定しておいたほうが繋がりやすくなるでしょう。ただしこれら古い設定はセキュリティ的に脆弱であるため、基本しないことをオススメします。

図:細かな設定が必要です

管理・動作モード

TUF AX3000をどのモードで動かすか?という最も基本的な部分になります。5個のモードが存在しています。

  • 無線ルーターモード – デフォルトの設定。LANのIPアドレスは親のルータとは別にDHCPで振られます
  • アクセスポイントモード – ONUと直接接続する場合に使用。ただしONU兼ルーターのような機器の場合は使わない。IPアドレスは親のルータから振られます。フレッツ光などはこのタイプ。
  • リピーターモード – 無線中継機として利用する場合に使用する。IPアドレスは親のルータから振られます
  • メディアブリッジモード – いわゆるブリッジモード。別にもうひとつルーターが必要になる。自身はルーターではなくなります。
  • AiMeshノード – TUF AX3000の子機となるメッシュWiFiで使うモード。親機であるTUF AX3000では通常使わない。

普通はデフォルトのままでOKです。二重NATが困るケースではブリッジなどを使うことになります。

独自の機能をセットアップ

NASの設定

USBポートに外付けHDDをつなげてNAS運用(Samba共有)が可能です。ちょっとわかりにくい設定箇所になっています。

  1. サイドバーから「USBアプリケーション」をクリック
  2. AiDiskをクリック
  3. ファイル共有の詳細設定ここをクリックをクリックする
  4. FTPを有効にもできますが、あまりFTPクライアントで使うことはないので今回はスルー
  5. 匿名アクセスの許可はしません。基本的には屋内でもきちんとIDとPASSでのアカウント制御をすべきです
  6. 最大接続数を設定します。利用するクライアントの数で決めましょう
  7. 下のパネルには、認識されていれば、Genericにsda2という形でHDDが認識されてるはずで、ツリーを開けるようになっています
  8. +マークをクリックして、アカウント名とパスワードを設定で追加します。
  9. 作ったアカウントをクリック
  10. アクセス権限は直下のフォルダ単位になります。R/Wが読み書きすべて許可になります。Noでアクセス権限ナシになります。フォルダ単位でこれをセットする必要があります。
  11. 保存をするとこれでNASのSamba設定は有効になります。
  12. この設定画面上からフォルダが削除できてしまいますので、慎重に操作が必要です。
  13. macOSの場合は、Finderのネットワークを開くと対象のNASが見えてるはずです。別のユーザとして接続をクリックしてIDとPASSを入力すれば開けます。またフォルダを開くとマウントされます。

図:NASの設定画面

図:FinderからNASへアクセス

図:AndroidのCXファイルエクスプローラから入った様子

メディアセンターを使う

Raspberry Piなどでは結構おなじみのKodiを使ったメディアセンター。macOSでもUniversal Media Centerを使ったメディアセンターを使ってPCをサーバにしてDLNAでの屋内動画配信は結構便利ですね(対応TVならNASの動画をテレビで直接見られる)。このTUF AX3000自身もメディアセンターになることが可能です。

事前にUSBポートに外付けのHDDを接続しておく必要があります。手順は以下の通り

  1. サイドバーから「USBアプリケーション」をクリック
  2. サーバーセンターをクリック
  3. UPnPメディアサーバをONにして有効にする
  4. メディアサーバ名を適当につける
  5. メディアサーバパス設定はデフォルトがすべてのディスクになっていますが、今回はパス一覧で指定します。
  6. サーバディレクトリが出てくるので、Generic→sdaそして動画や画像・音楽の入ってるディレクトリを指定し、追加ボタンをクリックします。(サブディレクトリまで探索します)
  7. 適用をクリックすると稼働開始
  8. 今回はAndroidのBubbleUPnPアプリを使ってみます。DLNA対応のクライアントがあればどのデバイスからもアクセスできるはず
  9. Libraryをクリックし、アプリの左上の▼をクリックして、select libraryを開くと、下の方に設定した名前のDLNAサーバクライアント名が出てきますので、それをクリック
  10. レンダラ先はLocal Rendererにしましょう(スマフォ上で再生になります)。ちなみに、Fire TV Stick側やmacOS上のAirServer側にレンダリングといった離れ業も可能
  11. TUF AX3000側でスキャンがきちんと完了していれば、全て出てきます。メディアサーバの状態がScanningの状態はまだ探索中です。
  12. Local Renderで設定していると、例えばMX PlayerなどでDLNAの動画をレンダリングして再生可能です。
  13. Browseをクリックすると、指定ディレクトリ以下のフォルダが全て出てくるので、選んで再生が可能です。再生には別のアプリに渡して使うので、デコーダ対応などは再生プレーヤー次第です。

図:DLNAサーバにもなれる素敵なルーター

図:DLNAでNASの動画を家中で楽しめます。

Alexaとリンクする

AlexaからTUF AX3000を音声でコントロールする事が可能になります。ゲームモードへの切り替えやネットの停止などを「アレクサ、マイルーターデバイス数を調べて」といった形で命令をすると、返してくれます。以下の手順で設定します。

  1. 事前に自身のアレクサアカウントのスキルとしてASUSルーターを追加しておく
  2. ルータの設定画面にて、左サイドパネル→Alexa&IFTTTをクリック
  3. Amazon Alexaスキルに於いて、amazonの地域選択で日本を選択
  4. アクティベーションコードを取得をクリックすると、2分間だけ有効なコードが手に入りますので、コピーする
  5. Asusルータースキルを開き、有効化する
  6. アクティベーションコード入力画面になるので、コードを貼り付けて認証する
  7. 無事にアカウントリンクが成功したらOK
  8. こちらのサイトからデバイスの一覧にWireless RouterにTUF AX3000が登録されていれば使えるようになっています。
  9. ルーターセッティング画面でも、「Amazon Alexa アカウントが登録されました。」が表示されます

図:無事に登録できてEcho Dotから操作できました

アプリを使った設定

通常は、PCのウェブブラウザ上からセットアップするTUF AX3000ですが、専用のスマートフォンアプリからもかなりの項目が簡単にセットアップ可能です。また接続状況の確認などが非常にしやすいので、ぜひインストールしておくと良いでしょう。

かならず事前にTUF AX3000のWiFi環境に接続しておく必要があります。主に

  • 接続してるデバイス毎に写真を設定して一覧表示
  • デバイス毎に帯域リミッターを簡単に設定
  • AiProtectionの設定を簡単に行なえます
  • ルーターの殆どの設定をスマフォ上から設定することが可能
  • ゲームモードへの切り替えがワンタッチ

このあたりの充実度は国内の他のルーターでは見られないほどの徹底ぶり。

図:現在接続中のデバイス一覧

図:リアルタイムトラフィックモニタ

図:スマフォから自在に設定変更できる

レビュー

通信速度

いくつかのデバイスをもちいて、スピードテストを行うサイトであるfast.com(Netflix提供)のサイトで比較してみることにしました。使用してる回線はNuro光。2GですがレンタルルータやTUF AX3000は1000baseなので最大でも1GBpsです。

接続は5GHzの802.11ax/WiFi6モードですが、axデバイスは無いので最大でも802.11acとなります。デスクトップ機のみ有線LANで接続してテストを行っています。二重のNATなので若干速度は犠牲になっています。測定は休日の昼間13時付近。夜中にテストを行えば更にもっと良い数値が出るでしょう。

通信はその瞬間で状況が時々刻々と変わるので、この数値が必ずしも即参考になるわけではありませんが、概ねこのくらいのスピードをコンスタントに出せますよと受け取ってもらえれば。

Macbook Pro 2016

802.11ac搭載モデルになりますが、下りよりもアップロードのほうが倍近く早いですね。

デスクトップ機(Windows10)

有線LANで接続しています。アップロードの帯域の値をみるとほぼほぼフルに使えているのではないかと。ベストエフォートとは言え、なかなか良い数値です。

 

Zenfone6(Androidスマフォ)

スマートフォンはどうしてもPCなどと比較すると速度が若干落ちます。802.11ac対応モデルになります。やはり下りよりも上りのほうが早い。

iPad 5th

一応、iOSデバイス代表ということで、iPad 5thでもテスト。こちらも802.11ac対応です。Zenfone6とほぼ変わらない数値。

Chromebook 14a

HPのChromebook 14aでもテスト。802.11ac対応です。Macbook Proよりも下りは早い。上りは逆に遅いですね。

NAS接続

TUF AX3000はUSB3.1ポートが1個ついてるので、外付けHDDを接続することでNAS運用が可能です。これまでもAirMac Extremeにて外付けHDDをつなげてのNAS運用していたのですが、代わりが務まるか心配でしたが杞憂でした。なぜか、TUF AX3000はHFS+にも対応しており、そのまんまつなげてみました。

HDDは日立のHGST DESKSTAR 6TBです。

もちろんフォーマットはHFS+のまま(WindowsのNTFSも利用可能です)。問題はほとんどのありがちなこの手のルーターのNAS機能はせいぜい2TBまでしか対応していないといったケースが多いのですが、TUF AX3000はあっさり認識。macOSでもWindowsでも、またiOSやAndroidからも利用がそのまんま可能でした。おそらく、10TBの玉でも使えるのではないかと。セキュリティを考慮して、セットアップにてSambaでの認証は付けておいた方が良いでしょう。

※APモードの場合、AX3000のネットワークに参加していない場合、外側のONU側からはこのNASにはアクセス出来ません。故に外部から容易に侵入は出来ない。ブリッジにしてしまうと見えてしまいます。

Windowsの場合は通常のネットワークフォルダとしてIDとPASSを入れて入るだけですが、macOSの場合はFinderに出てこない場合がある。その時は、Finder→移動→サーバへ接続→smb://ルータのIPアドレス→接続で入れます。また、マウントですが直下のフォルダ単位でマウントされるので注意。

図:macOSでNASをマウントしてみた

Timemachineのバックアップ先として

非常に独特であり、これまでAirMac Extremeを使ってきたmacOSユーザにとっては十分な代替を果たせるといえる機能がTimemachine対応。事前にUSB外付けHDDはHFS+でフォーマットして接続しておく必要があります。いちいち外付けHDDをmacOSに接続してなんて面倒なことをしなくて済みます。

手順は簡単。

  1. ルータの設定画面に於いて、左サイドパネルからUSBアプリケーションを開く
  2. Time Machineをクリックする
  3. Time Machineを有効にするをONにする
  4. HDDの中の保存先パーティションを選択する
  5. 適用をクリックする
  6. macOS上でTimeMachineを起動して、ディスクを選択をクリック
  7. すでにFinderにはこのディスクが見えてるはずなので、それを選択する
  8. ログインを求められるので、管理画面に入る時のIDとPWをそれぞれ入力する
  9. これでリモートのNASにTimemachineでバックアップを取る事が可能です

図:他のルーターにはない機能の代表例

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