G Suite値上げに見る他のサービス棚卸し
2019年4月2日より、G Suite BasicプランとBusinessプランが値上げになります。それぞれ、600円⇒680円、1200円⇒1360円となります。一人あたりの値上げ幅は大したことないですが、人数がいればそこそこのボリュームにはなりますね。ただこれまで長い間これだけのサービスの充実さと機能の豊富さでこの価格ならば、この値上げは反対する理由がありません。(Enterpriseは据え置き)
むしろ、ここで考えなければならないのは、他に利用しているウェブサービスの棚卸しを考える時期に来たのでは?という事になるかと思います。それだけ状況は既に変わっていると言えます。オーバースペックになっていませんか?余計なIT支出してるけど、それ自前で作ればよいのでは?被ってるサービスはG Suiteに統合で良いのでは?いい加減、Windows卒業しませんか?などなど。
現在、G Suite利用企業は400万社、通常の無料のGoogleサービス利用者を含めたら膨大な数で、よくMicrosoft365などが話題にあがりますが、アレは純粋ビジネスユーザしかいないわけで、規模は比べ物にならないほど、Googleのほうが上です。今回はこれを機会に世間の意見や自分が体験したものをまとめてみました。
目次
本当にMicrosoft Officeは必要?
自分は研究の為に、Microsoft Microsoft365アカウントとG Suiteアカウントの両方持っています。しかし、現時点殆ど、Microsoft365のほうは活用していません。理由は「自分には要らないから」。両者のオフィススイート、見た目は同じでも大きな方向性の差異があります。
- G Suiteは完全クラウド利用が前提。Microsoft365は結局、PC上のオフィスを使う羽目になる。Excel Online等ありますが、機能が低すぎて全然使う気になれない。
- G Suiteはすべてのサービスがバックグラウンドでつながってる。GAS扱ってるとそれがよくわかりますね。一方、Microsoft365はすべてが別個のサービス。APIも充実していない。
- G Suiteは複数名同時利用が可能。一方、Microsoft365でもそういった利用が出来るものの、問題はそこから別のサービスへの連携面では、G Suiteのほうが軍配が上がる。あくまで、そのアプリの中だけならば見た目は似ているけれど。
- G SuiteはGoogle Apps Scriptで拡張が出来る。一方、Microsoft365はできません。また、開発面でも直接手が出せるG Suiteと違い、REST APIでしかもASPでガチの開発しなければならないMicrosoft365は面倒。もともとofficeはVBA持っていたのにオンライン版で捨てたのは、大きな失敗。pythonでも採用すりゃよかったのにね。
- 正直、現代の事務作業の現場でもクライアント版Officeは無駄にオーバースペックで、VBAが使える利点は大なりとはいえ、クラウドでそれが実現できるG Suiteに移行したほうが懸命(そもそもVBAもいい加減古くて使いにくい)。それだけエンドユーザレベルでスクリプト環境があるって絶大なんです。ほぼWordなんて触った回数わずか。ウェブアプリケーション展開できるG SuiteはVBAにはない魅力です。
- そもそも、凝ったプレゼン、凝ったExcelシート、凝ったWordドキュメントって本当に必要?最近ではそれがとくに取り沙汰され、パワポ禁止令も1企業の話でなくなってきています。Excelも二次利用考えたら、凝った作りなんて害悪でしかない(見た目が美しいExcelなんて自己満足です)。Wordももう特定用途以外じゃ要らないんじゃなかろうか。
主にG Suite上げでいろいろな意見をまとめてみました。実際におよそ5年間、クライアント版Officeを利用せずに、これまでと同じ事務業務ができたか?というと、十分遂行できています。どうしてもWindowsシステムを利用せざるを得ない、基幹業務システムがある場合、それはRemote DesktopやCitrixのシステムで組むので、クライアントがWindowsでなくとも利用できる(Chromebookにそれ用のクライアントアプリは用意されている)、クラウドシステムならこういったリモート接続環境自体不要。
Accessだけは変えが効かないので、こればかりは残しても良いと言えると思います。桐使うってわけにはいかない・・・ただ、クラウドデータベースのアプリを組んでしまって廃止する方向性はアリだと思います。
トドメはコスト比較。結局クライアント版Officeを使わざるを得ないケースですと、Microsoft365導入はオンラインで完結できない。グループウェアとしてのMicrosoft365が必要とした場合のコスト比較は、G SuiteはBasicでは680円、Microsoft365はBasicでは機能不足(skypeがない、sharepointがない。G SuiteはHangoutとSiteがBasicに含まれている)ことから、プランは同等ならば1360円のBusiness Premiumプランを選ばないといけなし。
更に管理機能まで考慮すると・・・officeの場合、単体購入だといいお値段しますし、VL版購入というのも時代にそぐわない。サブスクリプションでほとんどの企業は問題ないでしょ。でも続けてる企業ありませんか?
※G SuiteやMicrosoft365入れているならば、Notesやらサイボウズといったグループウェアは正直不要。
※ExcelもOnlineの場合、xlsxファイルの同時編集が出来るという事ですが、実際にはファイルの破損の報告が上がっています。この共同編集機能でのファイルの破損は最近でも自分の身近でSharepoint Online上で起きています。G Suiteにはない事象です。
Windowsの管理コストについて
前項で、G Suiteの導入のメリットをやや大げさなまでに取り上げました。その中でも記述したように、G Suiteの場合はオンライン完結です。すべてがChromeブラウザ上で動くので、Chromeがあるならば、AndroidタブレットでもChromebookでも、Macでも問題なく利用可能です。そもそも、特定の端末である必要がない。
ここで注目したいポイントは、Windows端末の管理コスト。端末代ではなく、管理コストの部分がとくに法人の場合スルーされがちなポイントです。Windowsは広く普及しているOSではあり、OSレベルでの機能の豊富さや学習コスト面で、例えばLinuxより優位なんてのは、当然の事。しかし、一方でそれが理由で以下の問題点が上げられます。
- マルウェアやランサムウェア、ウイルスのターゲットにされている。
- 多機能故に、アレをするにはこういう仕組み、これをするにはこういう設定といった問い合わせが膨大になりヘルプデスクが忙殺される。Windows辞めるだけでヘルプデスクは相当数要らなくなるのは事実。
- そもそも、すでにとりわけ日本の場合、新卒学生がPC使えないようなのが増えてる。一方でスマフォについてはよく利用できているので、学習コスト面でWindowsはすでにもう優位じゃない。
- 基幹業務システムがクラウド化して久しい。Windows端末じゃないと使えないなんてシステムはごく一部。そのためだけに他の業務までWindows依存はオカシナ話。ほとんどの人間はモバイルデバイス、とくにAndroid端末で十分(マウス使えるからという視点で)。
- 下手に高機能すぎるWindowsと違い、限定されているモバイルデバイスのほうがエンドユーザがオカシナことをするのを制限出来るので、管理コスト手間は大幅に削減出来る。一方で、利便性はアプリの提供でカヴァー出来る。
- また、AndroidやiOSにはすでにもう十分なアプリ資産が揃っており、エコシステムも確立されている。Windowsの過去の資産に縛られなければならない企業はごく特定の会社にだけ言える話。
- その極特定の企業にも、単純に長年使ってきてしまって、ベンダーロックインされていて、脱獄できなくなってる鴨ネギなところは、頑張ってくださいとしか言いようがない。コードも書けないような情報システム部なんて要らないでしょ。
- すでにMicrosoft自身が脱Windowsに舵を切っている。Windows10が最後と言う話もそこから出ている。すでにAzureやMicrosoft365にシフトしているのは、Windows自体が今のMicrosoftにとって重要なものではなくなってきている。
- PC自体もはや、昔のように「一部の開発者」「CADのような特殊なソフトウェア」「過去の資産に縛られてる環境の事務屋さん」だけが使うレガシーデバイスに既になっている。ならば、もうWindowsは卒業しよう。
と、こんな感じにまとめられると思います。脱Windowsは相当昔に出たOracleのネットワークコンピュータに始まると思います。今それはすでにChromebookやAndroidタブレットで実現ができてる。
とくに2.は企業で見過ごされがちですが、Windowsは本当に手間が掛かる。事務業務ではiPadやAndroidタブレットでというわけにはいかないという面があるのはよくわかります。しかし、そのExcel業務本当に必要なものか?といったら疑問なものも多々あります。基幹業務システムで巻取りすべきでしょというものがあったり、カスタマイズで対応すべきものをケチって、そのしわ寄せがエンドユーザに行ってるケース。
G Suiteはそういった面では、良い移動先。Excel業務はスプレッドシートで続ければ良い。また、必要ならばシステムを簡単に構築が出来る。わざわざ課題解決の度に、外部のベンダーの妙なソリューション導入して、アカウントたくさんつくってAD連携してなんて、自分で仕事増やしているようなものだと思います。お金も掛かりますしね。
Boxのようなクラウドストレージサービス別に必要なの?
G Suiteにはもともと、Google Driveという容量可変のオンラインストレージサービスが起源です。そこへ様々なウェブサービスをドッキングさせ、今のG Suiteが出来上がっています。ここには、他のメーカーが作って提供しているサービスを連結させ、Google Drive上でファイルとして管理も出来る為、ただのオンラインストレージサービスではなくなっています。
また、Team Drive機能がBusinessプラン以上で利用できるため、それまでのGoogle Driveとファイルサーバの違いによるとっつきにくさを解消し、全社員共有で使えるNAS的なものが実現出来る為、別個にクラウドストレージサービスなど契約する必要性がありません。一方でMicrosoft365の場合、OneDriveは洗練されていません。ただのオンラインストレージサービスで、NASの代わりにはならない。
ただTeam Driveの機能だけは増やせないので、その場合、Businessプランを採用すれば、1名あたりトータルコストは1300円で完結するG Suiteは随分とオトクな選択肢。
ということで、大抵のある程度の企業の場合、Microsoft365ユーザはOneDriveを使わずに、Boxなどの別のオンラインサービスを契約し使ってるケースがあります。理由は前述の通り「ファイルサーバ的な使い方をしたいから」。他にも第三者との共有やら管理者によるユーザ管理や挙動の管理がしやすくなるという別のメリットはありますが。
しかし、これがMicrosoft365の大きな弱点。つまり、Microsoft365はMicrosoft365で完結できていないという点。結局、別のストレージサービスを契約するとなると、単純にその分だけコスト増。オマケに管理対象も増える(AD連携など最たるもの)。当然、情シスの仕事は増える。仕組みが一貫していないので、担当者の学習コストも増える。利用にあたり増えるコストは1名あたり、最低でも「1800円〜」。この分がMicrosoft365とは別に乗っかってくる。中小企業では正直、このコスト増は容認できるものじゃない。
Boxはその管理用や開発向けにAPIが提供されていますが、それが手を伸ばせるのはBoxの範疇。Microsoft365となると全く別のGraph APIも使う必要がある。一方、G Suiteの場合すべてがG Suiteで完結するので、APIもすべて提供されている。
kintone便利だけれどね
Microsoft365はスクリプト環境がなく、REST APIが提供されている。sharepointにはsharepoint frameworkが提供されてるものの、これ単体じゃ役にたたない上に、sharepointのちょっとした改造程度でも環境構築に非常に手間が掛かる。開発スタイルが全然ウェブエンジニアというより、これまでのローカルエンジニア向け。ウェブではあまりの開発しにくさの為に、様々な怨念がうずまいてます。
一方で、G Suiteは直接スクリプトエディタ立ち上げて、ざっとJavaScriptなりGoogle Apps Scriptなりで直接アプリを作れる。APIもまたドキュメントも充実しているので、ターミナル起動してどうこうや、他の依存関係にあるライブラリをインストールしてなんて必要ない。シンプルなHTML5のアプリをオープンな技術でサクっと作れてしまう。バックエンドは軽いものならスプレッドシートで十分なものが作れます。必要ならば、GCP契約してクラウドデータベースを利用すれば良い。
この差は非常に大きい。代理店やGoogle自身もあまり声高にこの点について言及している場面、見たことがないけれど、もともとはクラウド時代より前のMicrosoftがVBAでカバーしていた領域。
さて別にこの手のエンドユーザ業務改善では、kintoneを利用してきた会社も非常に多いでしょう。確かに現場の業務改善面での貢献は非常に大きいです。しかし、Google Apps Scriptで開発をしてる側からすると、疑問点も非常に大きいです。Google Apps Scriptの場合それで別料金取られたりはしません。もともとプランに含まれているというか、G Suiteの機能の一部です。
一方でkintoneは1ユーザ1500円。さらにフォームについてはkintoneはフォームブリッジというものを別にリリースしています。こちらは、月額6000円〜。カスタマイズを考え、プレミアムプランなら月額14,000円乗ってきます。一方G SuiteはGoogle Formがあります。Microsoft365にもformという謎の出来損ないアプリがありますが、あれは論外です。こういう半端なサービスをリリースしてる点に、Microsoft365の半端さが見え隠れします。
Google FormもG Suiteの標準アプリの一つ。MSのそれとは出来が違います。また、こちらもGoogle Apps Scriptでカスタマイズが可能で、尚且スプレッドシート連携できます。アドオンも提供されているので、それらで機能拡張も可能。Google Formで別料金取られることはありません。アプリの数に制限もありません。ディスク容量をそもそも、Formは消費しないので、容量無制限です。
極めつけはその開発上の制限。Google Apps Scriptの場合スクリプトで1度に取得出来る容量はおよそ25MBがリミットですが、これスプレッドシートのレコード数で言うと相当な数。50000レコードくらい一発で普通に取ってこれます。一方kintoneはレコード制限こそないですが(ここは優位性有り)、一度に一覧で出せるのは1000件までです。また、テーブルに至っては5000行まで。APIでデータ取り出せるのも、500件まで。少なすぎる・・・・
これだけじゃありません。Google Apps Scriptの場合スプレッドシートをベースにした場合、いわば複数のテーブルを扱えます。そしてその中で完結が可能。場合によっては別のシートからのデータ参照も非常に簡単です。しかし、kintoneは基本1アプリ1テーブル。Query関数のような連結するようなものもないので、これが開発の大きな足かせになってる。別のアプリのテーブルを参照するテクニックはあるものの、結局制限値に掛かるので、非常にマイクロなアプリしか作成ができない。(結果、アンケートフォームで利用しかしていないなんてもったいない使い方で終始してるケースも見受けられました)。さらにはテーブルレイアウトが全面に出ていて、独自のフォームやウェブアプリケーション用のUIインターフェースをHTMLでゴリゴリ書くことが非常に困難。Google Apps ScriptははじめからHTML部分やCSSは内蔵で別個用意出来るようになっているので、とっても楽。
そして、絶対的な差。Googleは世界レベルなので、様々なドキュメントが揃ってる上にノウハウもstackoverflowなどで海外の資料を探索出来る。一方、kintoneは所詮国内。その差は圧倒的。アプリ開発やフォームの利用面で、G Suiteを利用するならば、kintoneは不要です。
国内の雑多なウェブサービス必要?
他にも社内で利用してる雑多なウェブサービスは多いでしょう。しかし、それらが本当に活用できているかと言ったら、疑問を抱かざるを得ないようなシーンはやまほどあります。当人は活用できてるというけれど、ただ入れただけ。現場の人間にとっては負担以外の何者でもない。そんなウェブサービス。
とくにコミュニケーション関係のアプリケーションや申請フォーム系アプリにはありがち。ほとんどの国内ウェブサービスはその利用価値はありません。国内でしか展開できないから、利用料金も驚くほど高い。いつ潰れて消えるかもわからない。
申請フォームなどのワークフローアプリ。その利便性はわかる。しかし金額が・・・小規模なものであれば、ぶっちゃけGoogle Apps Scriptで作れてしまう。コミュニケーションアプリも同じ。GCP利用すればiOSアプリやAndroidアプリを作り、そこからG Suiteを活用するアプリなんていくらでも作れる。大した腕がなくとも。
腕がない。だからそういった国内のポッと出のサービスを次から次へと課題が出る度に導入するってのは、賢い選択とは言えないです。入れれば入れるほど、エンドユーザは無用なパスワード管理をしたり、入力をしたり。当然その分利用コストが積み上がっていく。そのサービス自分で作ればよいのでは?というのは、別に特別な話じゃありません。2020年からは小学生でもプログラミング教育が始まります。プログラミングはビジネスパーソン語る上では「普通に必要なスキル」です。米国じゃすでにもう特別なものじゃありません。何故か日本では、光の速さでこのスキルの習得を諦める人がいますが・・・ITリテラシーの低さが尋常じゃないのも同じ理由。
とはいえ、無い袖は振れない。G Suiteの場合、例えばサテライトオフィスといった代理店の場合、導入だけでなくそういったアプリの提供も行っています。価格も非常に安価。簡単に導入できるサポートプランも充実しています(ちなみにMicrosoft365もサポートしてる)。ひとつ例を取り上げると、ワークフローシステム。
Google App Engineを利用して作られているようで、承認経路の作成やデータの蓄積、その他諸々ワークフローで必要なものは揃っています。これが1ユーザ月100円で利用可能。導入はサクっと可能。これはG Suite上で動作するので、余計な手間ひまも必要ありません。ワークフローだけを取り扱ってるようなウェブサービスなど棚卸しして良いでしょう。
必要なその他のサービスもある
一方で、G Suiteにもあるけれど、弱いものもある。コミュニケーションアプリとして、Hangout MeetやChatがある。確かにこれ自体、非常に大きな貢献をしてるもので、G Suiteの標準アプリでTV会議ができてしまう。スマートフォンからも利用が可能で、G Suite利用目的の1つにあげられるほど。Microsoft365はSkypeがあったものの、今はTeamsへの移行を推奨している。いまさらSkypeを使う選択を選ぶ企業は、ちょっとどうかと思う。すでにSkypeはもう十分な役割を果たしました。もうその他のメジャーじゃないTV会議システムなんて要らないでしょ。
しかし、とくにITエンジニア界隈ではSlackやChatWorkなどのサービスを使ったり、またSNSならマストドン、他にもタスク管理というかバージョン管理などの為にGitやRedmine、一般事務職に目を向けると会計システムや人事給与管理システム、営業向けならばSalesForceやCRMなどなど。これらは必要なサービスと言えると思います。
これらはG Suiteにはない。またある程度の堅牢さを求められるものならばそれらは必須。ただ、これらについても、中小企業であるならば、会計ソフトはfreeeやMFクラウド、人事ならばSmartHRなどなど昔とは比較にならないほど良いサービスが出てきている。既存のしょうもない時代遅れのシステムを捨てて、こちらのサービスに移行するのは一案。ただ、複雑に作り込みすぎた人事考課や仕組みのせいで、移行がおぼつかないというのは、それこそ自分たちでロックインされるような状態を作ってきた証。それらも同時にシステムに合わせる方向に進めて、もっとシンプル簡潔なものにしてゆくいい機会ではないかなと思います。
これらは、逆を言えば自社開発すべきではないシステム。会計システムや人事給与管理、特定領域ならば電子カルテなどもその類に入る。莫大なコストと時間掛けて作っても、パッケージに遥かに劣るそびえ立つ粗大ごみになるだけ。そもそもエンジニアじゃ人事や経理に疎い者が多いわけで、痒いところに手の届くシステムや、他のサービスと連携出来るような汎用的なものは期待できない。
レガシーデバイスやレガシー資産とはいい加減おさらばする。町工場のPC98でないと動かないNC旋盤じゃないのだから。軸をG Suiteに、その周りを必要なサービスで固める。最小のコストで最大の生産性を得られるのは、G Suiteが最も良い選択肢というのが自分の結論。セキュリティガ〜病に掛かってるITリテラシー低い鈍足大企業は、ありとあらゆる利便性を大幅に犠牲にして莫大なコストを払って二周半遅れのITテクノロジーに、じゃんじゃんベンダーにお布施すると良いと思います。
自社開発する上での注意点
G Suite上でのGoogle Apps ScriptおよびGoogle App Engineなどでの開発、それにともなうスマートデバイス上のアプリの開発は非常に魅力的なものです。エンドユーザ〜エンジニアまでカバーが出来るので、自分の会社で使うマイクロアプリからそこそこの規模の管理アプリケーションまで、用意する事で、大きなメリットを得られます。
しかし、一方ではこういった開発する人間の待遇に関して、また、その組織のなんでも外注に出す事による問題も取り沙汰されています。とりわけ、この記事のように、現場最適化の為に現業をやりながら開発してる優秀な人材を追い出してしまう愚かな企業が未だにあります。自分の経験を言えば
- 与えられたのは事務用のしょぼいラップトップ1台のみ。
- 環境構築やテストの為の追加は一切なし
- つくりあげたものとその結果得られたものに対する評価なし。
- その後のフィードバックもなし。改善要望もなし。
- 結局使われずに放置プレイ。理由はこれまでやってきた自分のやり方のほうが慣れてるから。
- 目的合理性を無視し、其の組織の政治的な理由を優先し、改善を止める
- 変人扱いする
などなど。外注に関して言えば、なんでも外注にする事で自社開発のノウハウ蓄積低減や、手軽だから・責任をおっ被せる事が出来るからなどという愚かな考えを遂行した結果、その企業にロックインされていく点です。とくに小さな企業の小さなアプリは、その規模から改善効果が見えにくい点はあるかもしれませんが、アプリケーションの規模が大きければ改善効果がデカイというのは、妄想です。
なぜ、現代までいまだにVBAが残りそれで改善効果が得られていて、挙げ句にはRPAなんてものが登場してもてはやされているのか?一度よく考えたほうが良いと思います。
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